【前編】空間・プロダクトデザイナー「二俣公一」が語る暮らしとデザイン。

毎週月曜日に立山律子がお送りする福岡のラジオ放送CROSS FM「DAY+」。「#casa(ハッシュカーサ)」の枠に今回ゲストとしてお越しいただいたのは、空間・プロダクトデザイナーの二俣公一(ふたつまた こういち)さんです。前編後編に分けて、デザインについてのさまざまなお話を伺っていきます。

 

空間・プロダクトデザイナー / 二俣公一

空間・プロダクトデザイナー / 二俣公一

空間・プロダクトデザイナー。福岡と東京を拠点に、空間デザインを軸とする「ケース・リアル(CASE-REAL)」とプロダクトデザインに特化する「二俣スタジオ(KOICHI FUTATSUMATASTUDIO)」の両主宰。インテリアや建築、家具・プロダクトなど多岐にわたるデザインを手がける。主な空間作品に「イソップ札幌ステラプレイス店」や和菓子店「鈴懸」、香川県・豊島の「海のレストラン」など。プロダクトでは、アントワープのレーベル”valerie_objects”のためにデザインしたカトラリーセットのほか、今年のミラノサローネではアルテックの「FIN/JPNフレンドシップコレクション」から「キウルベンチ」を発表するなど、国内外の様々なメーカーと恊働している。

普段の生活で大切にされている空間は?

自分の過ごす場所、とくに自宅のダイニングなどの家族が集まる空間を大事にしており、基本的にあまりガヤガヤしている場所は好まないのだそう。福岡では時間があるときに大濠公園を一人で何も考えずに散歩しているのだとか。

 

これからの暮らしとデザインについて

(キウル ベンチ 写真:アルテック)

どんどん時代が先進技術によって変化している現代の暮らし。たとえば車や店舗レジの自動化など、テクノロジーが進んでいる実感はあるものの、意外と人の体や気持ちの根本は長い間変わっておらず、そしてこれからもそう簡単には変わらないのではないかと言う二俣さん。

なので、これから変わっていくことに目を向けるのも大事ではあるけれども、逆に”変わらない部分”に目を向けて、プロダクトでいえば手触りや心地よさなどを大事にしていきたいのだそう。

 

建築×自然×人が与えるデザインへの影響について

(WINE&SWEETS TSUMONS、2014 写真:水崎浩志)

インターネットや各種SNSなど、デジタル技術の発達によって人と人との横の繋がりや社会が広がっている一方で、キャンプのような自然と人が交わるプリミティブなものが人気を博している現代。そんなこれからの時代に建築と自然と人はどのように関わり合っていくのか?デザインへの影響について、二俣さんは「今以上に面白い時代になる」と言います。

というのも、ハイブリッドな時代に合わせられるよう建築技術が向上し、最新技術と今まであったアナログなものという相反する2つの要素がミックスすることで、今以上に面白い建築ができるのではないかと予想しているのだそうです。「楽しみでもあり、挑戦していかなければ」と心境を話してくださいました。

 

福岡を拠点にしている理由は?

(イソップ 大丸心斎橋店、2019 写真:イソップ)

シンプルに第一声から「福岡に居たいんですよね」と自分のベストがここだと答える二俣さん。拠点は福岡ですが仕事で東京や多方面に移動することも多いそうで、福岡に帰ってきたときに感じる自分の居場所である落ち着きや安心感という感覚は、ここでしか味わえないと言います。

デザイン面でも福岡から全国を見渡したときに、まとめると東京は首都で、それ以外は全て地方都市。首都と地方都市の関わり合い方を福岡からニュートラルな視点で見ることができるのは、精神的にも安定感があり、感覚が麻痺することもなく作品作りに活かせるのでメリットなのだそう。

 

毎週様々なジャンルのスペシャリストが登場するラジオ版の「#casa(ハッシュカーサ)」。聴き逃した方はRadiotalkでもお楽しみ頂けます。

【12/16】二俣公一さん(空間・プロダクトデザイナー)前編

後編:【後編】デザイナー・二俣公一が語る「キウルベンチ」の制作経緯とコンセプト