心地よいインテリアで読書に集中できるやさしい空間「アアルト大学図書館」

フィンランドのヘルシンキ郊外にあるアアルト大学キャンパスには、礼拝堂や講堂などアアルトの手掛けた建築がたくさんあります。今回はフィンランドの昔の産業建築物を参考にした、赤いレンガを使用したデザインが特徴的な図書館をご紹介します。

アルヴァ・アアルトが設計した図書館

こちらの図書館もキャンパス内に建つ「アルヴァ・アアルト記念講堂」と同じようにレンガの外装のファサードとなっています。

アアルトは住宅デザインも素晴らしい一方、アメリカ・ポートランド近郊に建つ「マウントエンジェル修道院図書館」のように図書館建築においても、機能性はもちろん居心地の良い空間づくりがなされており人気があります。

柔らかい光に包まれる優しい空間

2階に昇ると柔らかく自然光が包み込むアアルトらしい空間が広がります。大きなハイサイドライトから入る自然光を曲面の壁が柔らかく反射しています。カウンターもシンプルで温かみのあるデザイン。座って使えるような低めなデザインにすることで圧迫感がなく、親しみを感じさせます。

平面が普通の矩形ではなく台型のようになっているので、その場にいると広がりを感じるうえ、シンプルながらもチープな印象になりません。

少し天井が低くなっているスペースは円形のトップライトが連続した明るい空間となっており、本の読みやすさに繋がります。

もちろん設置されている椅子やテーブルなどの家具もアアルトが設立したartekの家具たち。円形のテーブルや湾曲した脚など丸みのあるアイテムが並ぶことで、シンプルながらもやわらかな印象に。

建築もインテリア、家具もそれぞれヒエラルキーがない空間づくりに。

照明や設備もまとめられていて、ル・コルビュジエやミース・ファン・デル・ローエといったモダニストよりもトータルで考えられている気がする。

こうした空間が生き生きして見えるのは、今日に至るまで人々に愛され、現役で使われているからでしょう。

遊び心があるインテリア

地下に行くとこれまでとは一変し、図書館とは思えないような遊び心が感じられます。

様々な機材が揃った個室が並んでおり、ここで学生が打合せや作品の制作を行えるようです。こんなポップな空間なら作業も楽しく進みそうですね。

アアルトならではのやわらかさのある公共空間

アアルト大学の図書館は、その建築やインテリア、家具の統合された空間とそれが柔らかい光に包まれる様子はとても居心地がよく、優しい雰囲気をつくる建築です。フィンランドの図書館デザインが今日に至るまで素晴らしいのは、アアルトがこういった良い建築や良いインテリアを遺したお陰でもあるのかも知れませんね。

Aalto-yliopisto – アアルト大学

URL : https://www.aalto.fi/
住所:〒02150 Espoo, Finland

後編:迫力がありながらも親しみを感じさせるやわらかな空間「アルヴァ・アアルト記念講堂」