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日本旅館の良さを凝縮した「星のや 東京」で和の空間とおもてなしを体験する。

西洋ホテルがひしめく東京・大手町に、あえて日本旅館というスタイルで挑んだ「星のや東京」。2016年7月20日にオープンし、「星のや」ブランド五軒目となる同ホテルは“塔の日本旅館”をコンセプトとしている。

内装設計及び外観デザイン協力は、東環境・建築研究所の代表・東利恵氏が担当。ビル群の中に溶け込みながらも、独特な雰囲気を演出している日本旅館「星のや東京」が見せるおもてなしとは、一体どのようなものなのだろうか。

館内に溢れるイグサの香り

外観は江戸小紋のモチーフをイメージしてデザイン。青森ヒバの一枚板でできた玄関扉を開くと、和服姿の案内人に出迎えられる。

上がり框(かまち)と畳敷きの廊下が奥まで続き、奥には花が生けられているようだ。

入ってすぐに圧倒されるのは、壁一面を覆っている靴箱。靴を脱ぎ、裸足で畳の上を歩くのがなんだか新鮮に感じられる。イグサの香りを感じながら裸足で過ごすなんて、いつぶりだろうか。

「星のや東京」では、スリッパなどの履物は不要。広い館内を裸足で散策できるという、珍しい体験に胸が踊る。

季節に合わせたおもてなし

各階の中心にはお客様の居間として、客室から畳続きで、24時間自由に行き来できる「お茶の間ラウンジ」を設置。朝には優しい味噌の香りと共に、おみおつけとおむすびが、昼間には季節に合わせたおすすめのお茶やお菓子が用意されている。

ゆっくり1人で読書をするもよし、ほかの客と団らんするのも良いだろう。客室よりも多くの時間を過ごしたくなるような空間を目指しているという。

幻想的な和の空間

客室は、静かに寛げる奥の角部屋「百合」と伝統の建築様式を大切にした日本旅館らしい部屋「桜」、障子越しに差す光が心地よい開放的な特別室「菊」の3タイプ。

「菊」は百合、桜のほぼ倍の面積の広い特別室で長期滞在にもおすすめ。「百合」はダブルベッドを配した角部屋でより静かでプライベート感を重視した滞在に適しており、「桜」はヒバ素材のクローゼットやソファ、障子が特徴的だ

畳の間、竹素材のクローゼットなどには自然の素材を使用。昼は障子を開ければ、麻の葉の文様が畳に映し出され、和の空間をより一層幻想的に演出する。

また染色作家・斉藤上太郎氏によるデザインの着物は、現代らしくなんとジャージ素材。簡単に着ることができ、館内だけでなく大手町や皇居などに出かけることも可能だ。

東京を忘れさせる温泉

東京の地下1500mから湧き出る温泉があるのは、なんと最上階。少しとろっとした感触の温泉は体の保温効果の高い強塩温泉で、肌に触れるとしっとりと馴染むのがわかる。

内湯から露天風呂に出るには、小さな洞窟のような穴をくぐる。狭い通路を進むと、開放的な露天風呂が広がる。

上を見上げると、四角に切り取られた大きな窓から光が注ぎ込んでいる。東京のビルが1つもない、純粋な空を見つめていると、ここが大手町だということを忘れてしまいそうだ。塔の中にいるような、異空間にも感じられる。

「帰りたくなる」空間

和の要素が散りばめられた趣ある玄関や、懐かしさを感じる畳や竹を使用した客室。そして日本らしいおもてなしの心があらわされたお茶の間など、「星のや東京」で過ごす時間は心地よさを感じさせる。

「ただいま」と帰りたくなるような空間が、大都会東京にもできたようだ。

 

星のや東京

電話:0570-073-066
URL:https://hoshinoya.com/tokyo/
住所:〒100-0004 東京都千代田区大手町一丁目9番1

あべまなみ

あべまなみ

新潟県出身、横浜在住のフリーライター。中学時代にサックスを始め、自身もジャズを演奏することから、20歳のアメリカ留学時に単身でメンフィスとニューオーリンズへ。初めての一人旅で自分の可能性や新しい発見に出会える楽しさに気づき、その後「旅」にハマる。

2017年12月現在、渡航国は24カ国。好きなものはお酒といちご。

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