落合陽一による大阪・関西万博「null²」一周忌の2026年10月14日に「null²ⁿ」が横浜で開幕!
2025年10月13日、大阪・関西万博が閉幕しました。その一周忌にあたる2026年10月14日、メディアアーティスト・落合陽一が手がけた万博シグネチャーパビリオン「null²(ヌルヌル)」の体験と思想が、横浜に生まれ変わります。常設ミュージアムシアター「null²ⁿ(ヌルヌルネクサス)」が、横浜ランドマークプラザ5階にグランドオープン。万博という一度限りの体験を、都市の中に根付く常設の場として再構成する試みが始まります。
「null²」とは何だったのか——万博に問われた問い

大阪・関西万博のシグネチャーパビリオンとして落合陽一が設計した「null²」は、鏡面の外観が周囲の風景を映しながら変形し続け、内部では来場者のデジタルヒューマンが鏡に映し出されるという、建築・映像・AI・人工生命が一体となった空間でした。

「AIを手にした人類が、これからデジタルと自然とどのように向き合うか」——この根源的な問いに、建築というかたちで応答しようとした作品です。風景を映す外壁は、見る者が見られる者でもあるという逆転を生み出し、自己と他者、デジタルと自然の境界線を溶かしていく体験として機能していました。

閉幕から約1年が経った今も、SNSや万博ファンのコミュニティでは「null²」への言及が絶えません。落合は2026年8月に大阪で開かれたレガシーイベントに登壇し、「数万人規模の万博ファンが閉幕後も文化を盛り上げていること自体が、強いレガシーだ」と語りました。建築物は解体されても、体験の記憶は人の中に生き続ける——その事実がプロジェクトを次のフェーズへと押し進めました。
参考:NOIZが設計を手がける大阪・関西万博の落合陽一パビリオン「null²」は前代未聞のインタラクティブな建築!
建物を再現するのではなく、体験を再構成する

「null²ⁿ」が目指すのは、万博パビリオンの建物を再現することではありません。あの場所で感じた光と鏡と自己の溶け合いという体験を、常設シアターという新しい器に再構成することです。
全5室で構成された空間を、約60分かけて巡ります。2つのLEDシアターでは、万博のミラーとLEDの体験を発展・進化させた没入映像体験が展開されます。そして今回、新たに「音だけの部屋」という第三の体験が明らかになりました。

万博の「null²」では、鏡面の反射が鮮烈な視覚体験を生み出す一方、鏡張りの空間は音も反射しやすく、音そのものを精緻に聞かせることには適していませんでした。「null²ⁿ」では、視覚に頼らず音に集中できる無響空間を設け、複数のスピーカーによる立体的な音の動きや、自分の声が空間から返ってくるような演出を通じて、音・声・気配・振動を身体全体で受け取る体験を提供します。
落合はこの構成を「LEDシアターがサウナで、音だけの部屋が水風呂」と表現しました。光と映像に包まれる体験から、視覚を閉じて音に身を委ねる体験へ——感覚を往還することで、デジタルと身体の境界が溶け出す瞬間を体験できる空間です。
「ⁿ」の意味——nexus、つながりを結ぶ場として

「null²ⁿ」の「ⁿ」は、nexus(結節点)を表しています。人・体験・場所をつなぐという意志が、この一文字に込められています。万博という時限の場で生まれた体験が、横浜という都市の常設の場にnexusとして根を張り、次の出会いを待ち続ける——それが「null²ⁿ」という施設の本質的な役割です。

さらに、大阪万博で17万人が体験したアプリ「Mirrored Body®」との連動も「null²ⁿ」で継続されます。来場者が事前にアプリで自分のデジタル分身を作成しておくと、施設内の空間演出と直接シンクロする仕組みです。

自分のAIアバターが空間の中に溶け込み、デジタルと物理空間の境界が崩れていく——そのような体験が、横浜のランドマークタワーの中で日常的に起きていくことになります。
null²から null²ⁿ、そしてnull⁴へ——3つの「null」の連鎖

このプロジェクトには、2027年3月に始まる横浜グリーンエクスポへの続きも用意されています。「null⁴(テトラヌル)」は、4つの鏡面体が自然の中で回転・振動しながら花や空や人を映し込む「生命彫刻」として登場する予定です。内部体験だけでなく、庭で過ごし、建物を眺め、語りかけることも含めて楽しめる「計算する庭」として構想されています。
物語としてきれいにつながる万博から常設シアター
「null²ⁿ」がシアターを中心とした没入体験なら、「null⁴」は自然と一体化した彫刻的な建築が中心——落合はこの二つが「物語としてきれいにつながる」と語っています。万博から常設シアターへ、そして自然の庭へ。デジタルと自然の融合という問いが、異なるスケールと形態の建築・空間を連鎖しながら深まっていきます。
null²ⁿ(ヌルヌルネクサス)
開業日: 2026年10月14日(水)
所在地: 横浜ランドマークプラザ5階(神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1)
構成: 全5室(LEDシアター2室ほか)/所要時間 約60分
アプリ: Mirrored Body®(App Store / Google Play)
公式サイト: https://expo2025.digitalnatureandarts.or.jp/