建築家・永山祐子がインテリアを手掛けた錦糸町「黄金湯」が新宿へ進出!『黄金湯 新宿店』2026年7月7日グランドオープン

東新宿に50年の時間を刻んできた「金沢浴場」が、新たな姿で生まれ変わります。錦糸町を拠点に現代の銭湯文化を牽引してきた「黄金湯」が、初の都外進出ではなく、東京という同じ街の中で新たな一軒を構えます。建築家・永山祐子氏が内装設計を手がけた『黄金湯 新宿店』が、2026年7月7日にグランドオープンします。サウナ、クラフトビール、DJブース——銭湯という場所の定義を問い続けてきたブランドが、新宿という多層的な街で何を表現するのか。その答えが、この空間に宿っています。

新宿の「時代の重なり」を空間に刻む、永山祐子の設計

今回の内装設計を担ったのは、建築家・永山祐子です。「豊島横尾館」「東急歌舞伎町タワー」、2025年大阪・関西万博の「ウーマンズ パビリオン」と「パナソニックグループパビリオン『ノモの国』」など、都市の文脈と身体的な体験を結びつける建築で知られる永山氏が、今回手がけたのは50年の歴史を持つ銭湯の更新です。

銭湯の象徴でもある銭湯絵はリニューアル前のタイル絵をそのままに
銭湯の象徴でもある銭湯絵はリニューアル前のタイル絵をそのままに

永山がこの設計において核に据えたのは、新宿という街が持つ「多層性」です。古い建物と新しい建物が混在し、異なる時代のレイヤーが折り重なって独特の磁場をつくり出している新宿の街の性質を、金沢浴場という建物にも見出しました。

広々としたサウナ室
広々としたサウナ室

50年にわたって浴場に蓄積されてきた「時代の重なり」——象徴的な銭湯絵モザイクタイル、かつて存在した曲面天井といった過去の断片の上に、新たなレイヤーを重ねていく手法で設計が進められました。

ゆったりとした水風呂
ゆったりとした水風呂

リニューアル後も、リニューアル前から存在するタイル絵はそのまま残されています。

内装設計:永山 祐子
内装設計:永山 祐子

壊して更新するのではなく、積み重ねることで空間に深みをもたらす。懐かしさと新しさが静かに共存するこの場所は、「銭湯の記憶を次世代へと継承する」という明確な意志のかたちです。

女性クリエイターたちが紡ぐ、銭湯の新たな社会的役割

温浴プロデューサー:新保朋子
温浴プロデューサー:新保朋子

今回のプロジェクトには、永山祐子を中心に、複数の女性クリエイターが名を連ねています。その背景には、温浴プロデューサーを務めた新保朋子の強い信念がありました。

「黄金湯 新宿店」にリニューアルしたファサード
「黄金湯 新宿店」にリニューアルしたファサード

株式会社新保浴場取締役であり黄金湯店主である新保朋子は、現代における公衆浴場のあり方を模索する中で、女性の視点と感性がこの場所づくりに不可欠だという確信に至りました。新宿という多様性を集約した街に新しい銭湯をつくるにあたり、年齢や立場を越えて誰もが受け入れられる「開かれた場所」を実現するために、女性クリエイターとの協働という選択をしたといいます。

クリエイティブディレクション・ブランディング:高橋理子
クリエイティブディレクション・ブランディング:高橋理子

クリエイティブディレクションとブランディングを担当したのは、アーティスト・高橋理子です。ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館やメルボルンのナショナル・ギャラリー・オブ・ビクトリアに永久収蔵作品を持ち、着物を芸術的媒体として再定義した作風で知られる高橋氏は、錦糸町の黄金湯東京店でも同じ役割を担ってきました。今回の新宿店では、「銭湯の新たな社会的役割」への確信を空間として具現化することを中心に据え、建築家・永山祐子との協働というかたちで答えを見つけ出しています。

エクスペリエンスアドバイザー:清水みさと
エクスペリエンスアドバイザー:清水みさと

エクスペリエンスアドバイザーには、サウナ愛好家としても知られる俳優・清水みさとが参加。国内外のサウナや銭湯を巡り続ける経験の中で積み重ねてきた「心地よさ」の感覚が、この施設の体験設計に反映されています。

太陽熱でお湯を沸かす、業界初の環境設備

太陽熱機器 イメージ
太陽熱機器 イメージ

黄金湯 新宿店が体現するのは、デザインと体験の更新だけではありません。今回、民間企業として初めて東京都の助成承認を受けた「太陽熱給湯システム」を導入しています。

太陽光発電で生んだ電気を熱に変換するよりも、太陽熱をそのまま利用する方が熱量効率は3倍高くなります。屋根に設置した太陽熱機器で集熱したお湯を、浴槽やシャワーで直接使用することで、CO2排出量を34%削減できます。銭湯という多くの水とエネルギーを必要とする施設において、この取り組みは業界の新しい指標となりうるものです。伝統的な「お湯に浸かる文化」を未来へ継承するための、現代的な選択です。

錦糸町から新宿へ——黄金湯という実験の軌跡

2020年のリニューアルオープン以来、墨田区錦糸町の「黄金湯」は銭湯という場所の定義を問い続けてきました。自社醸造のクラフトビールを提供するビアバー、DJブースが設けられた番台、深さ90cmの水風呂を備える麦飯石サウナ、漫画家・ほしよりこが描く銭湯絵、そして宿泊施設——これらすべてが、「最高の銭湯体験を生み出す」という理念のもとに揃えられました。

サウナ検索サイト「サウナイキタイ」の東京・銭湯部門で常に上位にランクインし、アメリカの旅行誌コンデナスト・トラベラーの「東京でやるべき26選」にも選出されるなど、その実験は国内外から注目を集めています。

銭湯文化の深みへの入口となる空間

黄金湯 新宿店では、長年通い続ける常連客には安心感を与え、初めて銭湯を訪れる人には銭湯文化の深みへの入口となる空間を目指しています。サウナ、クラフトビール、DJブース——錦糸町で磨かれてきた要素が、永山祐子の空間設計と新宿という街の文脈の中で、新しい意味を帯びて立ち上がります。

築50年の浴場が積み重ねてきた記憶の上に、新たなレイヤーが重なる。新宿で生まれ変わった黄金湯の扉を、ぜひ開けてみてください。

黄金湯 新宿店

グランドオープン:2026年7月7日(月)
料金:大人550円(中学生以上)※サウナ代別途
公式サイト:koganeyu.com
Instagram:@koganeyushinjuku
X:@koganeyu2
住所:東京都新宿区新宿7-22-11