湯布院の静けさを設計するプライベートサウナ。「サウナのぎく」で整う、光と陰のサウナ体験!

湯布院の旅は、つい「見る・食べる・買う」で埋まりがちです。そんな時間割に、あえて余白をつくってくれるのが、湯布院旅館のぎくの敷地内にあるプライベートサウナ「サウナのぎく」です。ここで主役になるのは、温度だけではありません。光の落ち方、素材の手触り、音の反響、そして外気の気配。二つのサウナ「天照」「月読」が用意するのは、湯布院の静けさを“体験として編集する”ための、デザインされた滞在です。

湯布院の旅の“余白”をつくるプライベートサウナ

「サウナのぎく」の価値は、湯布院の中心的なにぎわいから少し距離を取った環境にあります。街の情報量をいったん手放し、呼吸の速度を落とす。その切り替えが、旅館という“内側の時間”に滑らかにつながっていきます。

貸切であることも相まって、会話量や動きのテンポを自分たちの感覚に合わせやすく、整うまでの道筋が他人に邪魔されにくいのも魅力です。

建築的に見ると、ここは「熱の場」「冷却の場」「休憩の場」をただ並べた施設ではありません。元々あった旅館の大浴場スペースを改修して新設された経緯があり、既存の“浴のスケール”を活かしながら、体験を組み直しています。

結果として、室内から外部へとにじむように移る“しきい(境界)”が丁寧につくられ、気持ちの切り替えが自然に起こる構成になっています。

「天照」と「月読」光の設計・素材感・ムードで選ぶ2つのサウナ空間

二つのサウナは、性能差で競うのではなく、世界観の差で選ばせる設計です。「天照」は明るさと輪郭が立つ空間、「月読」は陰影と沈黙が似合う空間。湯布院という土地が持つ“静けさのグラデーション”を、室内の演出に翻訳しています。

天照:明るさが身体の輪郭を起こす、開放的なムード

「天照」は明るい雰囲気で、足元を照らす間接照明が印象を決定づけます。照度の高低がただの演出にとどまらず、空間の安心感や、身体感覚の立ち上がり方にまで影響してきます。素材の表情や室内の奥行きが読み取りやすく、入ってすぐに「ここで過ごす自分」を具体的に想像できるタイプの空間です。

月読:黒を基調に、陰影で“内省”を促すシックな空間

一方の「月読」は、シックなトーンでまとめられ、名前の通り月夜のような落ち着いたムードをつくります。面白いのは、座った位置から窓の調整によって満月や三日月のようなシチュエーションを楽しめる仕掛けがあることです。光を“足す”のではなく“削る”ことで、気持ちを静めていく。インテリアの思想が、選べる体験として成立しています。

湯布院の滞在を“整えて編集”する

「サウナのぎく」を目的地にするというより、旅の編集点として置くと滞在の質が上がります。

外気浴スペースからは由布岳を望む眺望が特徴で、視線が遠くへ抜けるだけで、呼吸が自然に深くなっていきます。屋外の気配を取り込みながら休む時間は、観光で高まった感覚を“静かに整える”ための装置として働きます。

時間帯による体験の変化も、この施設の美点です。昼は光が空間の輪郭を立て、夕方以降は音や陰影が前に出てきます。同じサウナでも、天気や季節によって「ちょうどよさ」が変わるため、再訪する理由が自然に生まれます。湯布院らしい過ごし方とは、名所を増やすことではなく、感覚の解像度を上げることなのだと、ここでは実感できます。

余白を取り戻す湯布院の旅へ「サウナのぎく」

湯布院の「サウナのぎく」は、温熱体験を“空間体験”へ引き上げる設計が効いたプライベートサウナです。元大浴場の改修という背景が、浴のスケール感と動線の余裕を生み、そこに「天照」「月読」という光のコンセプトが重なって、二つの異なる静けさが選べる場所になっています。湯布院を観光で埋め尽くす前に、あえて余白を取り戻す。そんなライフスタイル提案として、記憶に残る一軒です。

NOGIKU(サウナのぎく)

営業時間:9:30~20:30
URL:https://my-site-nogikusauna.square.site/
住所:〒879-5102 大分県由布市湯布院町川上2879−1