堀江貴文の長尺ワイド番組「ホリスペ」!楓構造研究所 主宰・古賀健朗が堀江貴文と語る構造設計普及の鍵とは

前編:堀江貴文の長尺ワイド番組「ホリスペ」!楓構造研究所 主宰・古賀健朗が堀江貴文と語る構造設計の課題

先日CROSS FMでのラジオプログラム「ライフスタイルメディア #casa」にゲスト出演頂いた「楓構造研究所」主宰・古賀健朗さんが、実業家・堀江貴文さんがナビゲーターを務めるFMラジオ生番組「ホリスペ」に出演されました。さまざまな事業を展開される堀江さんの視点によって、構造設計の新たな価値が発見されたようです。(以下 古賀=古賀健朗、堀江=堀江貴文、コウズマ=コウズマ ユウタ)

震度7にも耐えられる安全性を確保する

コウズマ : 設計段階で耐震的に大丈夫か判断するのですか?

古賀 : はい。こんな形にしたい、といった建築のイメージに安全性の根拠を置いていくような感覚です。地震の力をかけて、実際にどれくらい揺れるのかを見て判断しています。これから家を建てる人たちには、そういった安全性を高める専門家がいるということを知ってもらいたいですね。

コウズマ : 構造設計を取り入れることでどのくらいの揺れに耐えられるのでしょうか。

古賀 : 2016年に最大震度7を観測した熊本地震がありましたが、構造設計を入れた住宅は震度7の揺れを5、6回かけても壊れないことが実証されています。実際に一番の被災地となった益城町に我々の技術が入った住宅があったのですが、びくともしない状況でした。

コウズマ : こう言ったものを標準的にしていきたいということですよね。

古賀 : まずは構造設計の存在を知ってもらわなければいけないと感じています。残念なことに現在では構造設計なしで建てられる住宅が一般的なので、より安全性に根拠を持たせて、家族の暮らしを守ることができる住宅を建てることができるということを知ってほしいです。

構造設計の重要性は地道に伝えていくしかない

堀江 : ということは、街中にも実は危険な建物があるのかな。

古賀 : その可能性はあると思っていて、熊本地震の際にも、最新の法律のもとで建てた住宅でも、使えなくなったものが50棟を超えていると言われていて、一部損壊レベルで言うと8000棟ほど被害を受けたそうです。つまり、法律的にはクリアしているものの、結果住む人々が取り残されてしまったんです。こういった状況、構造設計の必要性はどのように広めるべきか、日々悩んでいます。

堀江 : 地道にアピールしていくしかないと思うけど、やり方はいろいろあると思う。新しいことの認知はなかなか進まないから、思いついたこと全部試すくらいやらないとダメだと思う。『こんないいもの作ったのになんで伝わらないんだろう』と言う場面はよくあるけど、それは伝え方に問題があって、正しい伝え方をすれば反応は必ずあるはず。100種類考えたら100種類全部やってみるくらい、一通り全部試す必要があるんじゃないかな。

構造設計の世界はシビア

堀江 : 僕、構造計画研究所さんの所長と知り合いで。というのも知り合いが富士登山鉄道をやりたいと言い始めたの。富士山って水道もなければ電気もないから車で向かうしかなくて、オーバーツーリズムの問題もあるから5合目までの登山鉄道があるといいんじゃないかって。そんな話し合いの中に構造計画研究所の所長さんがいて、何か構造設計も活かせませんかね、と言う話をしていたらロケットの構造計算をしています、と言うことになって、うちにも出向で一人来てもらうことになりました。ロケットの構造計算も大変で、安全率1.25以下、つまり想定外の力が1.25倍かかったら壊れます、みたいな繊細な設計をしていて、かなりシビアな世界だよね。そんな繋がりもあったので、うっすらと構造設計についてのイメージはあったんだよね。

古賀 : そうですね。住宅はロケットとは違って年間数万棟建っているので、本当に身近なものなんです。火災保険、地震保険だけでなく、そもそも新しく作る家の構造計算が大事であると言う啓蒙活動が必要かもしれませんね。

構造設計で住宅保険料は変わる?

堀江 : 保険料が変わったりはしないのかな。

古賀 : あまり変わらないようです。構造設計には別途設計料が発生するので、そういったコストの面も障壁になっているのかもしれません。

堀江 : せっかく専門の人が入って耐震性のあるものを作るのであれば保険料は下がりそうですけどね。保険会社は民間企業だから、構造計算をやると保険料が安くなるプランを立てるのはアリな気がするなあ。保険会社って意外とアグレッシブで、ロケットや人工衛星の損害を補償する宇宙保険やマリリンモンローは自分の脚に保険をかけていたり。世界最大のロイズという保険会社があるんだけど、元々はどこかのイギリスの港の船員が集まるカフェで、難破せずに無事に帰ってこれるかこれないかを賭けていたのが保険の始まり。ロイズはコーヒー屋だったんだよね。そこから保険の仕組みが生まれて、もう一方は賭博になった。保険もある意味賭け事だから、カスタマイズした保険でもアンダーライターがしっかりと査定してくれれば引き受けてくれるはず。
だから、構造計算を取り入れていたら保険料を安くしますよ、というメニューをどこかの保険会社が設定したらうまくいくんじゃないかな。実際に構造計算していれば地震で倒壊する可能性は低くなるわけだから。
そういった相談ができる同じ業種や仲間的な人はいるのかな?

古賀 : あまりいないんです。なので実は「楓構造研究所」と言う名称はブランディング目的で付けたんです。仲間を集って、より多くの住宅に構造計算を入れていきたいと思って、人を募集したり、仲間と組んで活動しています。

堀江 : 広がっていってほしいですね。

古賀 : 僕たちだけじゃ1000棟弱しかさばけない。つまり全体の数十%くらいしかできていないんです。ぜひ今回気になった皆さん、僕たちのサイトにアクセスしてみてください。今ならパンフレット、構造設計セミナー、個別相談の3点を無料でサービスしていますので、お気軽にご相談・ご連絡を頂ければと思います。

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構造設計の認知促進に、地震保険が鍵となる?

堀江さんによって保険の観点からのアプローチの可能性が発見された今回。真の安全な住まいづくりへの知識の普及のためには、多様な接点から構造設計の必要性を発信することが大切なポイントとなりそうです。