福岡県にある日本を代表する有名建築家の作品10選。隈研吾の美しいスタバから磯崎新による鮨屋まで!
九州の中で最も人口が多い福岡県。太宰府天満宮や糸島、天神など魅力的な観光スポットを有する県であり、グルメの宝庫としても人気の高いエリアです。そんな福岡県には、有名建築家が手がけた美しい建築作品がたくさん。隈研吾が手がける美しいスターバックスや前川國男の福岡市美術館など、今回は福岡県内にある作品を10カ所ご紹介します。
1.九州各地から集められた木材が使用された菊竹清訓によるが手がけた「九州国立博物館」
2005年に開館した九州国立博物館は、菊竹清訓が設計を手がけた建築。外観の波打つようなダブルスキンガラスが特徴的で、緩やかな曲線は、周りの山並みに自然と溶け込んで見えます。館内は広い窓と高い天井によって、開放感のある空間に。
九州各地から集められた木材が使用され、ガラスと組み合わせた和モダンの雰囲気が特徴的です。杉は熊本や大分、福岡などから、エントランスホールの天井には福岡と宮崎の間伐材が使われているんだとか。
参考:菊竹清訓が手掛けたダブルスキンガラスが美しい国立博物館「九州国立博物館」
九州国立博物館
住所:〒818-0118 福岡県太宰府市石坂4丁目7-2
開館時間:9時30分〜17時00分(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は翌日)
URL:https://www.kyuhaku.jp
2.福岡市のランドマークでもあるアルゼンチン出身の建築家・エミリオ・アンバースが手がけた「アクロス福岡」
福岡市の新たなランドマークとして、1995年に開業したアクロス福岡。アルゼンチン出身の建築家・エミリオ・アンバースが手がけた建築です。建築を緑化するデザインが特徴で、アクロス福岡にも緑をふんだんに取り入れています。
ステップガーデン(屋上)は豊かな緑で覆われており、見る角度によってはまるで山のよう。都会的なデザインに自然が融合したこの建築には、行政のオフィスや店舗、コンサートホールが入っています。
アクロス福岡
住所 : 〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神1丁目1-1
電話 : 092-725-9111
公式サイト:https://www.acros.or.jp/
3.伊東豊雄による福岡アイランドシティ中央公園中核施設「ぐりんぐりん」
アイランドシティ中央公園ににある「体験学習施設ぐりんぐりん」は、北ブロック・中央ブロック・南ブロックの3つのエリアからなるセンター施設。建築家の伊東豊雄によって設計され、その特徴的なデザインも注目されています。屋根は「ぐりんぐりん」するように連なっており、屋根の下は洞窟のような空間。屋上からは街並みを一望できます。
北ブロックは緑に囲まれたフリースペース、中央ブロックでは「亜熱帯マレーシア」の植生を再現。南ブロックはワークショップやガーデニングが体験できるスペースになっています。
体験学習施設ぐりんぐりん(アイランドシティ中央公園内)
住所 : 福岡県福岡市東区香椎照葉4丁目
開館時間 : 9:00~17:00
定休日 : 火曜日
URL : https://ic-centralpark.jp/grin-grin/
4.隈研吾による太宰府の伝統と現代性が融合したスターバックスコーヒー 太宰府天満宮表参道店
日本全国に数多く展開しているスターバックスの店舗の中には、その地方の特長が色濃く反映されているデザインのお店があります。そのうちの一つが、福岡にある「スターバックスコーヒー 太宰府天満宮表参道店」。今や世界的建築家となった隈研吾が設計を手がけています。
インパクトのあるファサードがお出迎え。伝統的な組み木が入り口から奥まで続いており、伝統的な技法が取り入れられているようです。コンセプトは「自然素材による伝統と現代の融合」。太宰府を訪れた際は、ぜひスターバックスに寄ってみてはいかがでしょう。
参考:隈研吾が手がけた、太宰府の伝統と現代性が融合したスタバの釘を1本も使わない木組みの美しい空間。
スターバックス 太宰府天満宮表参道店
住所 : 〒818-0117 福岡県 太宰府市 宰府3-2-43
電話 : 092-919-5690
5.磯崎新による2つの直方体が突き出ている外観が特徴な「北九州市立美術館」
1974年に竣工した北九州市立美術館は、磯崎新がキャリア初期に手がけた建築。2019年には、「建築界のノーベル賞」とも言われるプリツカー賞を受賞しました。
北九州市立美術館はカテドラル(聖堂)をモチーフにデザインされており、2つの直方体が突き出ている外観が特徴。その見た目から「丘の上の双眼鏡」とも呼ばれています。
北九州市立美術館
住所:福岡県北九州市戸畑区西鞘ケ谷町21-1
開館時間 : 9:30~17:30
休館日 : 月曜日
URL : https://kmma.jp/
6.プリツカー賞受賞建築家・磯崎新が設計した鮨屋「やま中 本店」
薬院にある「やま中」は、寿司屋とは思えないスタイリッシュなデザインが特徴的。磯崎新が設計を手がけた建築で、ガラスのカーテンウォールとコンクリート打ち放しの外観が目印です。吹き抜けのエントランスには、柔らかな光が差し込んで落ち着く雰囲気。店内は対照的に、オレンジとブルーが用いられています。
カウンター席前に設置された照明は、もくもくとした雲のような形状。カウンター越しに職人さんの動きを見ながら、絶品寿司をいただけます。
参考:福岡・薬院にあるプリツカー賞建築家・磯崎新が手掛けた鮨屋「やま中」
やま中 本店
住所 : 福岡市中央区渡辺通2-8-8
営業時間 : 11:30~22:00
定休日 : 日曜日
URL : http://www.sushi-yamanaka.jp/
7.イタリア人建築家・アルド・ロッシによる「ホテル イル・パラッツォ」
福岡県福岡市中央区春吉に建つ、イタリア人建築家・アルド・ロッシ設計のデザイナーズホテル。彼が日本で初めて手がけた建築で、赤みのある外装が目印です。現在はリニューアル工事のため休業中、2023年にグランドオープンを予定しています。
ホテル イル・パラッツォ
住所:〒810-0003 福岡県福岡市中央区春吉3丁目13-1
公式サイト:https://www.hakatahotels.co.jp/ilpalazzo/
8.黒川紀章による敷地内の3/1を使ったヴォイドが印象的な「福岡銀行本店」
1975年に竣工した、建築家・黒川紀章による福岡銀行本店。敷地内の3/1をも覆う大屋根の下は、公共空間として緑や水、芸術作品を設置しています。この軒下空間は、地域の人々が集い、談笑できる交流の場として有効。グレーで彩られた外観は重厚感も醸し出しています。
また、銀行に音楽ホールが備わっているところも珍しいポイント。ホールの壁に配された、松の木のブロックにも注目です。
福岡銀行本店
住所:〒810-8727 福岡市中央区天神2-13-1
公式サイト:https://www.fukuokabank.co.jp/
9.吉村順三による博多の寿司の名店として知られる「河庄」
博多の寿司の名店として知られる「河庄」。吉村順三による西中洲の河庄は、コンクリートと木材を用いた縦のルーパーが特徴的です。夜になると明かりが灯り、隙間から漏れ出る光が幻想的な雰囲気を生み出しています。
ライブ感を大切にしているこのお店では、店内にL字のカウンターを設置。職人たちの手さばきを見ながら、そして寿司を食べながらその旨みに酔いしれましょう。名建築で食べる寿司をぜひ堪能して。
河庄
住所:〒810-0002 福岡市中央区西中洲5-13
営業時間:11:00~15:00/17:00~23:00(座敷は22:00)
定休日:日曜日
公式サイト:https://www.kawashou.info/dento
10.前川國男が手がけた「福岡市美術館」
大濠公園にある福岡市美術館は、日本近代建築の巨匠である前川國男が設計を手がけたもの。赤茶色をした磁器質タイルの外壁は色落ちすることなく、今でもその美しさを保ち続けています。エスプラナードと言われる広場とロビーを中心とした独特な配置になっており、展示室が入り口から遠い設計になっているのだとか。
建物が老朽化したことから、2016年より一時休業。2019年3月にリニューアルオープンし、西側に新しいアプローチを設けています。
福岡市美術館
住所:〒810-0051 福岡市中央区大濠公園 1-6
開館時間:9:30〜17:30(7月〜10月の金・土曜日は9:30〜20:00)
休館日:月曜日
公式サイト:https://www.fukuoka-art-museum.jp/
いかがでしたか?こうして見るとユニークな建築がいっぱいですね。特に隈研吾の美しいスタバから磯崎新や吉村順三による鮨屋など空間を楽しみながらカフェタイムや食事をできる建築もあり、実際に目で見て舌で楽しみたくなりますね。