ミラノサローネ2022でルイ・ヴィトンが「オブジェ・ノマド コレクション」の新作を発表

毎年イタリア・ミラノで開催される世界最大規模の家具見本市「Milano Salone(ミラノサローネ)」。品質や革新性、美、そして、サステナビリティ視点を特に重視する60周年を迎えた今回は、2022年6月7日~12日に開催され、予想をはるかに上回る262,000人以上の来場者を記録した。

ルイ・ヴィトンは、「オブジェ・ノマド コレクション」から選ばれた多彩な製品を、ミラノのランドマークの1つであるガラージュ・トラヴェルシ内の特設エキシビションスペースで展示した。

ルイ・ヴィトン、新作「オブジェ・ノマド コレクション」を発表

2012年に誕生して以来、独創的で機能性に優れた家具とオブジェのコレクションである「オブジェ・ノマド」は進化を続け、国際的に著名なデザイナーの作品を次々と発表してきた。これまでに吉岡徳仁、パトリシア・ウルキオラ(Patricia Urquiola)、インディア・マダヴィ(India Mahdavi)といった国際的に著名なデザイナーの作品を発表しており、今や60点以上のプロダクトを展開。ミラノサローネでは同コレクションの新作5点を披露した。

座る人を優しく包み込む、カンパーナ兄弟「ブルボ」

会場入口には、トロピカルフラワーを想わせるデザインが座る人を優しく包み込むカンパーナ兄弟の「ブルボ」が登場。ユニークなフォルムで、花のつぼみに包まれたような気分が味わえそうなインパクトのあるソファで、人々を魅了させた。

ネイビーやパープルを基調とした空間に「ボンボカ」新バージョン、「ランタン」が展示

会場内は、ネイビーやパープルを基調とした空間に、色とりどりの「オブジェ・ノマド コレクション」が勢揃いした。

カンパーナ兄弟が手がけ、ブラジルの結婚式や子供たちのパーティで出されるお菓子の名前を冠したソファ「ボンボカ」の新バージョンの他、昨年発表されたカンパーナ兄弟によるプーフ「メレンゲ」や、ザネラート/ボルトットが手掛けた「ランタン」、フランク・チョウがデザインを手掛け、中国・雲南省の棚田の重なりと、アリゾナ州アンテロープ・キャニオンの自然が造り出したフォルムからインスピレーションを得たアームチェア&ソファ「シグネチャー」などが揃った。

アトリエ・オイ「ベルト・ラウンジチェア」など、新作3点を発表

コレクション創設時からオブジェ・ノマドに関わってきたスイスのデザインスタジオ、アトリエ・オイは、定番となった「ベルト・チェア」にインスパイアされた「ベルト・ラウンジチェア」、「ベルト・バースツール」、「ベルト・サイドスツール」の3作品を発表した。

いずれも、帯状の上質なルイ・ヴィトンのレザーを、メゾンのバッグに使用されている真鍮のバックルで留めた座面を特徴としている。

寝心地の良い「ベルト・ラウンジチェア」とポータブルな「ベルト・サイドスツール」は、エレガントなメタルと木材のフレームを備え、高さのある「ベルト・バースツール」は優美なメタルフレームが印象的だ。

デュオロー・エッジズ、美しいガラストップを備えている「コズミック・テーブル」発表

そして、デザイナーデュオロー・エッジズは、インドアおよびアウトドアの2つのバージョンが揃う「コズミック・テーブル」を発表。

このテーブルの独創的な「インフィニット」カーボンファイバー製のベース部分は、インドア版においては明るい色のルイ・ヴィトンのレザーで覆われているが、アウトドア版ではエネメル加工、つまり風雨にさらされた金属の風合いを出す加工が施されている。どちらのバージョンも、入念な手作業で加工された美しいガラストップを備えている。

卵形の驚くべき移住空間「ノヴァ・ハウス」の展示

ミラノサローネ期間中、ルイ・ヴィトンが毎回行っているノマディックな建築物の展示、今年は、1972年に建築家のミシェル・ユドリジエとM.ローマがスタジオ・ロシェルの依頼で設計した「ノヴァ・ハウス」を展示した。

2つのベッドルーム、リビング、キッチン、バスルームを含む45㎡の「ノヴァ・ハウス」は、スチールフレームを特製のアルミ合金薄板180枚で覆った卵型の驚くべき居住空間となったのだ。

フラワーショップとブックストアも開催

そして、今年ならではのハイライトとして、ルイ・ヴィトンのフラワーショップとブックストアも開催。

フラワーショップでは、アトリエ・オイが手掛け、4つの異なるシェイプにカッティングしたレザーを組み合わせた「オリガミ・フラワー」が、そしてブックストアでは、メゾンのDNAである「旅」を表現した「シティ・ガイド」や「トラベルブック」などの出版物が販売されたのだ。

デザイナーの創造性と、ルイ・ヴィトンの比類なきサヴォアフェール(匠の技)のユニークなコンビネーションの表現した「オブジェ・ノマド」今年のミラノサローネにおいても特別な存在感を発揮したのであった。