光の芸術家ジェームス・タレルの泊まれるアート作品「光の館 – House of Light」

3年に1度のアートの祭典「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」。新型コロナウィルスの影響で2021の開催は延期となりましたが、会場に足を運べば多くの常設作品を鑑賞することができます。その中の一つ、「光の館 – House of Light」は、見学はもちろん宿泊もできる作品なのです。越後妻有の自然を1日を通して体感できる作品で、特別な1日を過ごすのはいかがでしょうか。

光の芸術家、ジェームス・タレル

作品を手掛けたのはアメリカ・ロサンゼルス生まれの現代芸術家 ジェームス・タレル。金沢21世紀美術館や直島の地中美術館でも多くの作品が展示されており、主に光と空間を題材に制作していることから“光の芸術家”と呼ばれています。

「光の館」は、タレルの作品として第1回「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(2000年)で生まれたアート作品です。

タレルはこの構想を、日本の小説家谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』からインスピレーションを得て制作したと言われています。

建築自体は、越後妻有地域の伝統的な家屋、重要文化財星名邸がモデルとなっています。

可動式の屋根から刻々と変化する空を眺める一時「Outside In」

作品のメインは12.5畳の和室“Outside in”。 可動式の屋根がスライドして天井が開き、居室から日没後徐々に変化する空の光を眺めることができます。

四角く切り取られた空は、日没の時間帯には、光量を変化させる照明プログラムとの相乗効果で、自然ならではの淡い色合いの光の変化を楽しむことができます。

宿泊者だけが楽しめる光の浴槽「Light Bath」

Outside Inは誰でも鑑賞可能なものの、Ligth Bathは浴槽がそのまま作品のため、日没後に建築に入ることができる宿泊者のみ鑑賞できる作品となっています。

光ファイバーによるわずかな照明だけの浴室で、風呂や床の間、寝室など随所に光ファイバーが仕込まれ、水面の光は揺らぎ、水中にあるものは発光するなど、風呂に浸かると幻想的な光に体が包まれます。

光のアートを味わうなら宿泊を

日中でも室内で灯りを楽しめますが、やっぱり光の芸術を堪能するなら、暗くなってからがおすすめ。「Light Bath」や「Outside In」の他にも、宿泊することで、間接照明や随所に設けられた小さな灯りなど、日中は見られない光の芸術作品をもっと楽しめます。タレルが、3家族がこの館で一晩交流することを望んでいるため、予約状況によっては他のグループと泊まることもあります。友人や、その場で出会った人と作品を鑑賞することで、新たな視点でより楽しめるかもしれません。

「光の館 – House of Light」
開館時間:11:30~15:00(見学)/16:00~10:00(宿泊)
休館日:不定休
入館料:中学生以上 600円、小学生 300円
*宿泊
(4月1日~11月30日) 30,000円
(12月1日~3月31日) 25,000円
※同泊時、施設利用料÷組数=1組あたりの施設利用料となります
URL:光の館
住所:新潟県十日町市上野甲2891(ナカゴグリーンパーク内)