フランク・ロイド・ライトの意思を継ぐ建築学校「タリアセン・ウェスト」

タリアセン及びタリアセン・ウエストはフランク・ロイド・ライトの自邸兼スタジオ、そして学校のキャンパスとして使われていた。これらの建物はフランク・ロイド・ライトの才能を如実に表しており、彼の有機的建築の理念を彼自身の作品を通して感じることができる。

フランク・ロイド・ライトの傑作の一つ

ウィスコンシン州スプリング・グリーンのタリアセンとアリゾナ州スコッツデールのタリアセン・ウエストは、フランク・ロイド・ライトの傑作の一つと評価され、米国の歴史的建造物に指定されている。

タリアセンとは、ライトが弟子たちとともに建設した設計工房および共同生活のための建築である。通常われわれがイメージする設計事務所とは異なり、ライトの事務所は「タリアセン・フェローシップ」と呼ばれる一種の建築塾というかたちで運営されており、1932年から自給自足の共同生活を営みながら、建築教育と実践を行なってきた。

ライトの自邸であり建築学校のキャンパス

11年からウィスコンシン州のスプリング・グリーンに建設が始められたタリアセンと、ウィスコンシン州の厳しい寒さを逃れるための「冬の家」として37年からアリゾナ州の砂漠のなかに建設されたタリアセン・ウエストの二つの拠点がある。

タリアセン・ウエストが完成してからは、ライトらは毎年2回キャラヴァンを組み、ウィスコンシン州とアリゾナ州の間の大移動を繰り返した。

タリアセンそのものの建設および毎年のように行なわれた増改築は、タリアセン・フェローシップの手によってなされ、タリアセンは実験および作品発表の場ともなっていた。

現在もこれらの建物が設計当初の目的のまま、住居、作業場、教育施設として活用されている。

ライトの目指す有機的な自然と建築の関係

ライトの死後も、ライトの意思を引き継いだライト財団のもとでタリアセンにおける共同生活は続けられており、世界中から集まった建築学生が、彼の生涯にわたる業績と設計思想を継承し、「有機的建築」について学んでいる。

そして、今もフランク・ロイド・ライトの弟子たちが暮らし、学ぶ建築スクールタリアセン、タリアセン・ウエストは世界中からの来訪者がひきもきらず、日本からの学生も後を絶たない。

 

「自然と建築との融合」を提唱したフランク・ロイド・ライトの思想は今なお、次の世代へと引き継がれ、世界に愛され続けているのだ。

Taliesin West – タリアセンウエスト

開館時間 : 8:30 am – 6:00 pm
URL :http://franklloydwright.org/taliesin-west/
住所 : 12621 N Frank Lloyd Wright Blvd, Scottsdale, AZ 85259