「常に出会いを探している」中原慎一郎が考えるミッドセンチュリーの魅力と日々の視点
前編:「違和感がないものが自分にとっての良いもの」中原慎一郎の大切なデザインと原風景
1940年~60年代の古き良きデザインをルーツに、ショップや住宅等の空間デザインや、インテリアショップ「Playmountain (プレイマウンテン)」の運営を行うインテリアブランド「ランドスケーププロダクツ」。1997年の設立以来、オリジナル家具や小物の制作をはじめ、エキシビションやイベントのプロデュース、書籍の編集やブランディングなど活動範囲を広げています。今回は多方面で活躍するランドスケーププロダクツ・ファウンダーの中原慎一郎さんに、ミッドセンチュリーの魅力や、モノや人への視点について伺いました。
デザインにとって恵まれた環境がミッドセンチュリーにあった
ランドスケーププロダクツでは1940年から60年代のデザインをルーツに家具の製造販売や空間デザインされていますが、ミッドセンチュリーの魅力とは何でしょうか。
「デザインというものが生まれて間もない頃で、素材としてアルミなど新しいマテリアルが出てきたり、デザインにとっては一番恵まれた時期なんだと思います。」
なるほど。新しい素材の出現によって色々なデザインが可能になり、デザイナーにとって創作意欲が高まる環境があったのかもしれませんね。
たくさんのモノに触れることがセンスを養う
ご自身のショップでオリジナル家具や小物を展開されたり、海外のクラフトにも多く触れている中原さんですが、ご自身の審美眼はどのようにして磨いているのでしょうか。
「とにかく色んなものに触れることがまず1番ですね。ランドスケーププロダクツを立ち上げてから様々な作家と触れ合うことが多かったので、彼らとコミュニケーションをとりながらものづくりを行ったり、仕入れたりしていることが大きいと思います。」
巣のように心地の良い部屋を作りたいと思った
また、学生時代に家具屋でアルバイトをされていたとのことですが、中原さんがインテリアに興味を持ち始めたのは幾つの頃からですか。
「自分の部屋が与えられた時ですね。多分小学校5、6年だと思います。祖母が亡くなってその部屋を自分が引き継いでって言う感じだったので。とはいえ、インテリアと言っても、今あるものをどう並べるかとかいった配置ですね、最初に興味があったのは。全く覚えてないですけど頻繁に模様替えしてたとは親にもよく言われていました。自分の巣のように、心地のいい空間を考えることが好きだったんでしょうね。」
なるほど、その頃から人よりもインテリアがお好きだったんですね。
作り手に共感できるものが、自分にとってのいいもの
ご自宅の家具や服、ステーショナリーなど、ご自身がいいと思うものに共通しているものって何ですか。
「作家のその人のらしさが出ているものに惹かれます。そこに自分が何かしら自分が共感しているポイントがあると買いたくなりますね。そういうものを感じていないと人にオススメできないと思いますし。」
売るためじゃない、健康的な美しさが日本の民芸品の魅力
世界をマーケットにしてビジネスを進めながらも日本の民芸品も扱われていらっしゃる中原さん。日本の民芸品の良さはどこにありますか。
「健康的な良さ、美しさを持っていると思います。つまり売るために作られたわけじゃない。純粋な目的が用途に対してある。民芸品も一つ一つ秀逸だったりしますよね。非対称だったり、崩れている具合が良かったり。日本人ってそういうかけていることに美を見出す人種だと思います。」
スタッフそれぞれの魅力を会社としてプロデュースしていく
家具に限らずカフェや様々な業態を展開されていますが、それぞれに共通する理念とは何でしょうか。
「基本的に会社なので、どういう人材がいて、それぞれどういうキャラクターなのか、ということから部署が始まっています。なので、その人に合わせたことを会社としてどうプロデュースしていくか、ということを考えたらジャンルが増えて行ったという感じですかね。」
スタッフさんありき、なんですね。
「やりたいっていうことがあまりにも行き過ぎるとうまくいかなくなることも経験してきました(笑)。あくまで今ある事業に関しては人ありきです。」
出会いを求めて日々暮らしている
最後に中原さんにとってライフイズ〇〇の〇〇に入るものは何でしょうか
「英語で言うとlooking for something。常に何か探してるというか、何か出会いを求めているとかそういったことですかね。」
本当に中原さんらしい一言を頂きました。常に出会いを意識すると、日々の暮らしもより豊かになりそうですね。