ガルバリウムと木の質感がアクセント。雪国ならでは利便性とフレキシビリティが魅力的な家。

「自分たちの視界は開いているが、外からの視界を閉じた空間」を重視したガレージハウスが山形県に誕生した。北側採光の恩恵と交通量の多い角地の視線をうまくコントロールした設計は、同業者からも注目を集めている。これから家を建てる人たちの参考になるポイントが沢山詰まった一戸建て住宅。今回は、1階部分の内容にスポットを当てて紹介していく。

重厚感漂うシックな外観

塗り壁を使用した継ぎ目のないきれいな外観は、ガルバリウムの重厚感がなんともクールな雰囲気を引き立てる。奥からチラッとこちらを覗かせる木質の風合いが上手くアクセントになり、黒のガルバリウムとの組み合わせが何ともお洒落だ。

雪国の暮らしだからこそこだわりたい、広々ガレージ

この物件があるのは雪国、山形県山形市。冬には雪が多く積もり、床も凍ってしまう地域だからこそ、考えられたガレージの設計は、利便性が抜群。日中の日照が悪くカビが生えやすい北側採光の立地のため、側面には風と陽の光が入る横スリットを入れた。奥に映える木質の壁面には、エレガントな照明デザインが美しい。

贅沢な敷地の土間玄関も、雪国山形県だからこその採用

開放的な土間玄関は、寒い屋外から帰ってくる家族を優しく出迎える。雪を被って帰ってきてもそのままで暖かな屋内へ入って大丈夫。広々土間空間で雪を払い、長靴を脱ぎ、1階・2階へ上がることができる。南の空のキリトリと、二階から降り注ぐ陽光の温かさが心地よい空間だ。

4.5帖の子供部屋は敢えて1階に

子供部屋とバスルームや洗面所など毎日家族が利用する水廻りを1階に設置した今回の新築住宅。自動家族全員が1階と2階をたっぷりと共有する暮らしができることで、家族の存在を感じられる生活を実現した。

こだわりの照明計画

ガレージの壁証明や手洗い場、玄関、リビングなど、様々な場所でその空間を更にシックに仕上げていた照明デザインも、印象的だった。昼間に感じることができる、爽やかな陽の光と明るい白壁の雰囲気とはまた違った、温かみと高級感のある影を活かした照明計画は、一種の芸術にも思える。

アイアンバーのアクセントが柔らかな内観デザインを引き締める

家全体が漆喰の白壁と、暖かい木質、そして黒いアイアンのカラーコントラストが美しい。シンプルな色使いだからこそ、照明計画や、採光を考えた繊細な設計が巧みに活きているのだ。

 

「おしゃれでかっこいい」デザインの裏側には、家族の時間軸や生活に合わせた導線が張り巡らされており、暮らしとともにその家族の絆が更に育まれていくのだろう。

 

所在地:山形県山形市/構造:木造/規模:地上2階/敷地面積:237.12㎡/建築面積:106.57㎡/延床面積:130.96㎡

後編:プライバシーを確保しながらも気持ちいい屋上テラスと一体になる2階リビング空間。