近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトが手がけた住宅建築「ロビー・ハウス」の魅力
シカゴ大学にあるロビー・ハウス。ここは、NYであの有名な「グッゲンハイム美術館」を手がけたフランク・ロイド・ライトが建築した住宅だ。「これぞ、まさにライト」なモダンで独特な空間デザインが、最もよく見られる建物としても知られている。
近代建築家、フランク・ロイド・ライトとは?
「近代建築の三大巨匠の一人」として知られる、著名建築家フランク・ロイド・ライト。「有機的建築」に力を注ぎ、より人間的な豊かさについ解いた作品の数々は今もな人々を魅了している。
フランク・ロイド・ライドは、日本の旧帝国ホテルなど、日本の近代建築の発展にも貢献した建築家としても知られ、彼が作り出す日本の風情は独特且つ洗練され美しい。
昨今、彼が手がけた建築物として注目を浴びているのがNYにある「グッゲンハイム美術館」。まるでトグロを巻いたような独特な容姿と個性的なデザインは名高く、今年、世界遺産に登録されたことでも話題になった。
プレイリースタイルの住宅「ロビー・ハウス」
フランク・ロイド・ライトが手がけた住宅「ロビー・ハウス」は、アメリカ・シカゴ大学に存在する。近隣にはライトの住居や彼が手がけた住宅が多く存在するオークパークがあり、シカゴ周辺はフランク・ロイド・ライトの聖地とも言える。
ライトが愛した「プレイリースタイル」と呼ばれる草原住宅様式の建築は、低層で水平を強調した外観が美しく、特徴的だ。中でもロビー・ハウスは、ライトが多用したこの「プレイリースタイル」が最もわかりやすく反映されている住宅建築でもある。
その横長に広くどこまでも水平で、赤煉瓦の重厚感ある邸宅は建築業界を魅了し「20世紀建築のベスト10」にも入った。
「The ライト」なデザイン要素がいっぱい
ロビー・ハウスの中に入ると広がるのは、モダンなカラーリングが柔らかな空間。ライトの建築によく見られるレンガや窓のステンドグラス装飾、独特の赤色とクリーム、木質のコントラストが広がっている。個人の邸宅とは感じられない「ホテル」のようなエレガントで落ち着いた雰囲気が贅沢だ。
統一されたステンドグラスのデザインも、ライトの得意手法。強調されすぎず、その住宅に寄り添うようなステンドグラスからは、柔らかな自然光が漏れ、その空間をより一層引き立てている。
木を使って連続する意匠、日本を感じるデザイン
2階へ上がると、どこか我々には懐かしい「日本的な雰囲気」が漂う。行灯を連想させる照明や、日本的な彫刻を感じる木質のデザイン。ロビー・ハウスが作られたのは旧帝国ホテルよりも17年前だが、この時点で日本への造詣が深いことがわかる。
ダイニングスペースのハイバックチェアには日本らしいルーバーを起用し、洋と和の美しい融合を体験できる。また、ここに敷かれたモダンな絨毯にはフランク・ロイド・ライドのオリジナルロゴがテキスタイルされている。
高さが抑えられたプレイリースタイルの住宅で、外からは3階建てを感じさせない驚きの建築技術。一歩屋内へ入れば、ライトらしい独特な空間と水回りまで丁寧に作り込まれたインテリアデザインや、徹底した装飾デザインは昨今稀に見る「密度の高い空間」と言える。
まさにロビー・ハウスは「フランク・ロイド・ライトの特徴と良さが全て詰まっている住宅」である。
Frederick C. Robie House – ロビー・ハウス
開館時間:10:00~15:00
休館日:火・水曜日
URL : http://www.flwright.org/visit/robiehouse
住所:5757 S Woodlawn Ave, Chicago, IL 60637 USA