日本人に馴染みやすい6畳間をモジュールにした「casa cago(カーサ・カーゴ)」。

6畳=1カーゴとして、暮らしに合わせて自分で組み合わせることができるユニット式住居「casa cago」。その多様性やデザインが話題となっているが、やはり注目したいのは「6畳」の組み合わせで様々なライフスタイルに馴染むというところ。

今回、設計担当の住宅アカデメイア事業企画室室長 窪田国司さんと、カーサ・プロジェクト取締役の佐藤共之さんにお話を伺った。

幅広いライフスタイルに対応するカーゴ

設計担当の住宅アカデメイア事業企画室室長 窪田国司さん(左)とカーサ・プロジェクト取締役の佐藤共之さん(右)

カーゴは敷地や環境に合わせて増減できるが、基本は8カーゴ(6畳×8個)。4カーゴを2列に並べた「スティック」、コの字に並べた「コートハウス」、コの字の両端の長さを変えた「ダブルウイング」の3種類が準備されている。

「スティック」は前面に道路がある土地、中庭のある「コートハウス」は風景があまり望めない土地を想定したとのこと。「ダブルウイング」は、郊外で1箇所でもよい風景があればそこに寄せられる形になっている。窪田さんは、ウイング側に風景を向けられない場合も内側に大きな窓があるので、抜け感も工夫できると話している。

窪田さんによると、景色のいい角度と籠の組み合わせを家を建てる人が考えることで、その地を楽しめる家にしてほしいという思いを込めているそう。この3種類はあくまでたたき台。リビングを2カーゴ広げるなど幅広いライフスタイルに対応が可能だ。

コンパクトな平屋

casaシリーズにおいて、cagoは「casa piatto」の“コストを意識したコンパクトな平屋”という点で共通しており、近いラインで捉えていると語る佐藤さん。

ただ、こちらは籠の数を変えることで1カーゴで小屋、3は離れ、8で持ち家と小さな暮らしに柔軟に対応できる点が特徴でもある。持ち家として、2拠点住宅として、誰もが別荘を持つ現代の流れにもマッチするのではないかと考えている。

ル・コルビュジェの「モデュロール」を発想源に

海外では注文住宅は大富豪のもの。一般的には住宅よりも生活を充実させることが普通なのに、日本では家づくりになると過剰にこだわり出すという常識に一石を投じたかったという窪田さん。「苦労せずに品質のよい住宅が手に入れば、暮らしの豊かさに意識を向けられるのに」と考えたという。

そこで参考にしたのが、ル・コルビュジエの「モデュロール」。これは身体の寸法からコルビュジェが独自に算出した建築の基準寸法システムで、その仕組みをつくったコルビュジェは、日本の畳や尺を見た時に自分の考えと同じだと驚いたそうだ。「そんな優秀な日本の伝統的な寸法や畳の文化を構造に使わないのはもったいないですよね」と窪田さんは話す。

平面の縦横はもちろん、高さも畳の短辺910(3尺)が基準。たとえば、梁上までは畳横3枚分の2730センチ、屋根勾配は2.5寸で屋根高が畳横1枚分910センチと、全寸法に尺モジュールが踏襲されている。

窪田さんによると、ここまで工業化住宅を追求できた設計は初めてとのこと。「日本的なコルビュジェの家が実現できたのは、余計なデザインをしないcasaだからこそだなと。煌びやかさや派手さはないですが、小さな家の楽しさに気づいてもらえる形になったと思います」と話している。

実際に宿泊できる住宅展示場

三河湾のほとりに建てられた住宅展示場「SHARESラグーナ蒲郡」は見学するだけでなく、実際に宿泊することが可能。予約方法もシンプルで、ホームページから申し込むことができます。

日本人に馴染み安い6畳間をモジュールにしたcasa cago 。実際に宿泊してみて、自分の暮らしにあった家づくりについて考えてみてはいかがだろうか。

 

展示施設:SHARES ラグーナ蒲郡
愛知県蒲郡に誕生した、実際に泊まってライフスタイルを体験できる「SHARES ラグーナ蒲郡」。見るだけではなく、暮らしの体験をすることができる14棟のパビリオンと4棟の小屋が揃った、新しいかたちの住宅展示場です。「casa cago」の内覧・宿泊体験が可能です。

住所
〒443-0014 愛知県蒲郡市海陽町2丁目7−3

ACCESS
車でお越しの方:東名高速自動車道→音羽蒲郡ICより25分
電車でお越しの方:JR東海道本線 三河大塚駅下車 徒歩15分

受付時間
10:00〜18:00

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