建築家・山下保博が手掛ける奄美群島佐渡島「梅の木のある小さな宿 市十郎」が4月26日オープン!

奄美イノベーションの代表であり、建築設計事務所アトリエ・天工人主宰で建築家の山下保博は、空き家問題や地域コミュニティの衰退に対する挑戦として、2016年より空き家を活用した1棟貸しの宿泊施設 「伝泊(でんぱく)」の設計および運営を手掛けている。佐渡島では2017年7月より佐渡市松ヶ崎地区に、伝泊・佐渡 「ぐるり竹とたらい湯の宿 カネモ」を運営していて、今回松ヶ崎で2棟目となる「梅の木のある小さな宿 市十郎(いちじろう)」をオープンする。

佐渡島に伝泊「梅の木のある小さな宿 市十郎」をオープン

「梅の木のある小さな宿 市十郎」は、佐渡島の松ヶ崎地区にある、佐渡の伝統的な構法で建てられた築70年以上を経た空き家を借り受けて改修した宿泊施設。

室内に入ると、天井の高い御前(オマエ)と呼ばれる空間が広がる。天井や壁は黒い煤でおおわれていて、人々が長い冬を囲炉裏端で過ごしたことがうかがわれる。趣のある部分は残し、必要な部分だけに修繕をほどこしている。水まわりは快適に過ごせるように改修。キッチンには調理器具、食器一式をそろえ、家族や友人同士で、料理や食事をしながら滞在できる。

離れのお風呂場には、集落に残っていた味噌樽を利用した「たらい湯」を設置している。

もちろん室内にはWi-Fiもつながっている。

裏山から切り出した竹で作ったデッキもある。

伝泊(でんぱく)とは?

伝泊とは、「伝統的・伝説的な建築と集落と文化」を次の時代につなげるための宿泊施設だ。築50年~200年を経過した、空き家となっている民家を、水まわりを中心に改修した、1棟貸しの素泊まりの宿泊施設。旅に物語を求める人のために、地域の人との出会いの場も提供する。

伝泊・佐渡では、集落に暮らす女性コンシェルジュが、来客を迎える。滞在中には地域の伝統文化や習慣についてなど、地元ならではの情報を手に入れることができる。コンシュルジュを通じて、島に暮らすように時間を過ごせることも、伝泊の魅力のひとつだ。

松ヶ崎は「屋号の里」として知られる昔ながらの街並みが保存されている集落で、それぞれの家は今でも古い屋号で呼び合っている。家ごとに屋号の看板をつくったり、漁具や古民具などを各玄関口に飾ったりと、住民が一体となり様々な取り組みが行われている。

宿名の由来はここに育つ梅の木である。

 

建築家・山下保博が手掛けていることもあり、奄美群島の伝統的な建築を体験できる貴重な施設ではないだろうか?今後も増えるらしいのでその動向はチェックしておいた方が良さそうだ。