建築家 ユハ・レイヴィスカが生み出すフィンランドらしい光が幻想的な「ミュールマキ教会」

  • 現代のフィンランドを代表する建築家ユハ・レイヴィスカを知っているだろうか。巨匠アルヴァ・アアルトの後継者とも称され、彼の熟練したスタイルは教会の内部空間に劇的な自然光を生み出し、人々を魅了し続ける。1936年 技師であった父親と教師であった母親の間に生まれる。ヘルシンキ工科大学で建築学を専攻し、1963年に建築家としての資格を得る。彼はとりわけ教会建築において世界的な注目を集めている。フィランド各地に共通のデザイン言語を持って教会建築を設計している。

ユハ・レイヴィスカが生み出す美しすぎる光の芸術空間

ユハ・レイヴィスカの特徴。それは巧みな「光の操作」です。北欧らしさを感じさせる真っ白な空間に天井から降り注ぐ自然光、そして彼の作り出した宝石のように美しく輝くペンダントライトの明かり。訪れる人は呼吸を忘れるくらいにこの幻想的な空間に包まれていきます。日照時間の少ないフィンランドでは、光に対する意識は高く、こういった地域的要素がユハ・レイヴィスかの光に対する芸術的感性を作り出しています。

天井から降り注ぐ自然光と天井の構造部材によって生まれる放射状の光は神秘的で、ペンダントライトの生み出すアーティファクトな光と対照的な存在感を放っています。また、天井から吊るされた布に自然光を透過させることで、光が不快にならない工夫をしています。

照明は3枚の円形状の金属が重なり合い、その間から光を放っています。金属面には光源から光が直接反射されるため黄色く眩い光が放たれます。宙に浮く無数のペンダントライトから放たれる光は、空間に華やかさを与えます。この幻想的な風景は永遠に眺めていたいほど美しいです。彼の作る照明は、ホワイトを基調ときた円形のドーム状のものが多いです。家具の販売サイトで購入することができるため、気に入った方は是非購入することをお勧めします。

  • 空間はホワイトを基調しています。面白い点は床材にレンガを用いている点です。北欧の建築には木を床材や家具に用いることが多いですがこの教会はあえてレンガを使用しています。フローリングなどは仕上げの影響で光の反射を起こしてしまい、この教会ではその光の反射が不快感を生む可能性があります。レンガを使用することで、土のテクスチャの温かみを生かしつつ、光の余計な反射を抑えているのではないでしょうか。
  • ミュールマキ教会
  • 住所:Uomatie 1,01600 Vantaa, フィンランド
  • 営業時間:(※新型コロナウィルス感染拡大中のため臨時休業)
  • 電話番号:+358 9 8306429