北欧から新しい建築の姿を模索した、建築界の巨匠「アルヴァ・アアルト」とは!?

フィンランドの建築家、都市計画家、デザイナー アルヴァ・アアルト。木材など自然素材を活かした温もりのある作品で知られる、20世紀の北欧デザイン界を代表するモダニズム建築の巨匠です。彼の仕事は建築に限らず、家具やガラス食器、日用品のデザイン、絵画といった多岐にわたる分野で活動しました。今回は彼の経歴から主な代表作をご紹介します。

北欧の環境が育んだ感性

via: Wikipedia.

1898年、フィンランド大公国のクオルタネで、測量技師の父と母の間に生まれたアアルト。へルシンキ工科大学で建築を学んだ後、スウェーデンに渡り、一時期活動しました。その後、フィンランドに仕事を得たため戻り、建築設計事務所を開設。フィンランド建築家リストのトップに名前がくるようにAlvar Aalto(Aから始まる名前)としたとされています。

建築もインテリアも素敵なアアルトの代表作5選

「家で過ごす毎日の生活をより美しく」という理念に基づいた自然をイメージさせる美しいデザインと機能性を兼ね揃えたデザインが世界的に評価されるアアルト。彼の作品のなかでも、代表的なスポットをご紹介します。

心地よさが感じられるシンプルで小さな住まい「アアルト自邸」

1936年に完成した、アアルトが晩年まで過ごした自宅。個性的な2階建の建物で、木を多用した内装で統一されています。1階はリビングとダイニングと仕事部屋、2階は家族の寝室スペース。どの部屋に見お明るい日差しが差し込み、生活の名残が感じられます。

住宅街にひっそり佇む「アアルトアトリエ」

もともと自邸の脇に事務所を構えていたものの、大きなプロジェクトを獲得して手狭になったため、1955年、自邸より徒歩10分程度の場所にアトリエを新設しています。アトリエは建物の2階に位置し、ハイサイドライトから入る自然光が明るく空間を照らす柔らかな印象となっています。

最高傑作と言われる名作住宅「マイレア邸」

アアルトの設計した住宅の最高傑作とも言われている一軒。アルテック社をアアルトと共に設立したマイレとハッリ、グリクセン夫妻のために設計した住宅です。プラスティックやスチールなど新しい素材が生まれ、多くのデザイナーが新しさに魅了されるなか、木の可能性を追求し、周囲の自然と調和した建物を生み出したアアルト。プラン計画から細部に至るまで、これぞアアルトというべきアイデアと美しさを堪能できるのがこのマイレア邸です。

フィンランド最大の書店「アカデミア書店」

1969年に完成した書店。映画「かもめ食堂」の舞台になったことでも有名になりました。

地上3階、地下1階の建物は中央のロビー部分が吹き抜けになっており、各階から書棚を見渡すことができます。本をひらいたようなユニークな形をした天窓。そこから降り注ぐ柔らかな自然の光。冬の日照時間が短いフィンランドでも、暮らしに少しでも灯りを取り入れるために、アアルトは光そのものをデザインしているのです。

今でも市民に愛される遺作「タウンシアター」

アアルトの遺作になったのがこの「タウンシアター」。1982年に完成した建物は今でも現役で使われています。

円柱の木のルーバーといった建築エレメントから、家具や照明に至るまで、広々とした空間の隅々までアアルトらしい木材や丸みのあるデザインを用いた柔らかな印象を与えるつくりになっています。

家具やプロダクトデザインでも活躍したアアルト

Via : Wikipedia.

アアルトは建築やインテリアだけでなく家具やプロダクトのデザイナーとしても活躍。アアルトが設計したマイレア邸の施主であるハッリとマイレのグリクセン夫妻らの支援を得て、共同でアルテック(artek)社を設立。アアルトがデザインした家具は、このアルテック社から現在でも製作・販売されている。

また、アアルトと妻であるアイノ・アアルトがデザインした食器などは、イッタラ(Iittala)社が販売している。同社から販売されているフィンランドの湖をモチーフにデザインされたフラワーベース「アアルト・ベース」は、あまりにも有名でMoMAのパーマネントコレクションにも選ばれている。

北欧の大自然が導いたやわらかな曲線と木の温かみが活きたデザイン

自然素材を活かし、あたたかみを感じるアアルトの作品たち。北欧で生まれ育ったからこその感性で生み出される空間は、有機的で心地の良いものばかり。アアルトが国、年代を問わず多くの人々に愛される理由は、彼が創る空間に自然のぬくもりを感じるからかもしれません。