これからの家づくりに取り入れたいヒントがいっぱい!家族の気配を感じながら暮らす家

今回紹介する物件は、山形県に建てられた2階建新築住宅。女性建築家の内山里江が手掛ける設計は、毎日の家事を助ける導線や気配りと、家族の絆を育む仕掛けで溢れている。

さりげなく存在感のある木質がその容姿を引き立てる外観

何年経っても飽きることのないシンプルで洗練された外観づくりは、 casaの建築家の魅力の1つだ。今回の物件はカジュアルな中にも、マットで気品な素材感が魅力的なガルバリウム鋼板の外観が印象的。屋根裏にあしらわれた木質のアクセントと相まり何ともお洒落。外からの視線を細かく計算して設置した窓からは、柔らかな証明がその姿を覗かせる。

柔らかな光と温もりが心地良い無垢材で纏められた内観

内観は、無垢素材の木を多く使ったシンプルでナチュラルな雰囲気が暮らしを心地よく創り上げる。南向きの立地を上手く使いながら、陽の光と影を取り入れた間取り設計は、建築家の経験とセンスが光っている。リビング部分には2階の天井まで抜ける吹き抜けとネイビーのアクセントクロスが印象的。玄関から1歩家入ると、そこにはキッチンダイニングが広がる導線も、家族が自然と顔を合わせる機会を作る優しい仕掛けだ。

こだわりのオリジナルクロスで陽の光を柔らかく吸収し、部屋全体を包み込む

内観の壁に使われる白い壁は、建築家 内山里江こだわりのオリジナルクロス。ただ白いだけでなく、趣があり、光を柔らかく吸収する効果があるため、より自然な空間を創り上げることができる。柔らかな光に照らされた白壁は、自然体で心地よい無垢床との相性も抜群だ。

リビングと2階フロアをつなげる格子床

今回の物件で目玉の1つとなるのが、2階の廊下部分に設置された格子床。すぐ側にある南向きの大きな窓から注がれる太陽の光を心地良い形で1階まで降り注ぐ。

全体的に柔らかい雰囲気の内観を、パキッと締めてくれる重厚感あるブラックのアイアンもお洒落だ。

家族の気配を感じられる「隔てすぎない壁」

それぞれの空間は、完全に仕切るのではなく、一部を抜けるような形にすることで「部屋に居ても繋がっている」感覚を得られるようにした。これにより、家族と時間を共にしていない間も、家族同士が気配を感じることができる。

各々が時間を過ごしていても、どこかで家族を感じられる暮らしづくり

家づくりの当たり前を覆す様々な仕掛けが溢れていた今回の物件。それぞれの家族が個々の時間を大切にしながらも、お互いの気配をかき消すことのない空間づくりは、これから何十年と続く家族の暮らしをふんわりと育む手助けになるだろう。

所在地:山形県天童市/構造:木造/規模:地上2階/延床面積:101.85㎡