未知との遭遇!? スウェーデンの森に降り立った「UFOホテル」
誰もが一度は、「UFOを見たい」と思ったことがあるのではないでしょうか。北欧スウェーデンの森の中には、まさにUFOそのものにしか見えない物体が存在しています。しかもこんなに奇抜な見かけなのに、しっかりと環境に配慮して作られているのだとか。暗闇に怪しく浮かび上がるこの銀色の円盤の中は、一体どうなっているのでしょう。
まさかのUFO型「ツリーハウス・ホテル」
このUFOを見られるのは、スウェーデン北部のルレオ空港(Luleå Airport)から車で1時間ほど走ったHaradsという場所にある森の中。実はこのUFO、アート・オブジェではなく何とホテルなのです!
実はこのUFOホテルは、木の上に設置されたツリーハウスに宿泊できる「Treehotel」の、その名もずばり「THE UFO」という一室。基本的に「Treehotel」の全7タイプの他の部屋は「The Bird’s Nest」など自然に溶け込むようなビジュアルですが、「自然に全く調和しないモノを作ったら面白いんじゃないか」というアイデアから生まれた部屋なのだとか。UFOは、確かに自然界には一番存在しなさそうな物体ですね。
明るい日差しの中で眺めると、このホテルは完全に木から吊られた状態なのだと見て取れます。地上からの柱はなく、周囲の木にのびているワイヤーだけがこのUFO型ホテルの命綱なのです。「ツリーハウス」という言葉から連想するイメージからは程遠い外観ですが、これは確かに「ツリーハウス」ですね!
では宿泊客は、一体どうやって中に入るのでしょうか。
地上とホテル内の行き来は、円盤に収納されている伸縮式の階段を経由します。こんなUFO(のような物体)から階段が出てきたら、宇宙人でも降りてくるのではないかとドキドキします! では、いよいよ中に入ってみましょう。
SF的な「THE UFO」のインテリア
階段を上って中に入ると、円盤の形がそのまま生かされたドーム状の空間になっていることが分かります。天頂部に大きな円形の窓と、側面にも小さな明かり取り窓が設置されています。
このUFO内にシャワーはありませんが、トイレはちゃんとあるのでご安心を。森の中、しかも空中に浮いているホテルなので、水洗ではなくコンポストトイレを採用し、しっかりと周囲の環境にも配慮をしています。
そしてUFOがある木の近くには、シャワーとサウナを楽しめるブースがあるという北欧らしいサービスも。
コンポストトイレの向かい側には、星座模様のベッドカバーに覆われたダブルベッドが。
SF映画のような夢が見られそうですね!リネン類だけではなく、室内全体がSF的でモダンな雰囲気を感じさせます。
室内の床面積は30㎡で、5人まで宿泊可能。ベッドは先ほどのダブルベッド1つだけですが、壁沿いにソファーベッドもあるのです。家族連れや、友人同士でのにぎやかな宿泊でも大丈夫そうですね! そしてなんと、こんな木の上にも関わらずWifiもしっかり使えるのだとか。普通のホテルと変わらないサービスに宿泊客も感激するのではないでしょうか。
周囲の環境にも配慮された、軽量型ツリーハウス
こんな立派な部屋を木に吊るして大丈夫なのか不安になりますが、UFOホテルの素材を選ぶ際には軽さと強度にこだわったのだとか。軽いので、森に搬入するときもこんな風に完成形をトラックに載せて運搬できたのです。何度も往復しなくていいので、コストやエネルギー負荷が削減できるというメリットがありました。ただ、通行人や対向車はこの不思議な物体に驚いたことでしょう。
このUFOをデザインしたのは、「Treehotel」オーナーご夫妻の旦那さまのフィッシング友達3人。実は3人とも釣りという自然に親しむ趣味を持つ著名な建築家なので、環境への配慮がしっかりとなされているのです。そう聞くと、コンポストトイレを採用していたのも不思議ではないですね。
2010年のオープン以来、そのフォトジェニックかつ奇抜なデザインで世界中から注目を浴びた「Treehotel」の「The UFO」。「死ぬ前に泊まりたいホテル」に挙げる人も多いと言われるのも納得の個性的なスタイルです。 この不思議なホテルで宇宙旅行気分を楽しんだら、一生忘れられない思い出になるのではないでしょうか。
Via:
http://treehotel.se/en/
http://inhabitat.com/ufo-hotel-room-the-newest-suite-at-the-treehotel-is-shaped-like-a-flying-saucer/
https://mandesager.dk/treehotel-the-ufo/#1