ミラノサローネ2017でタイムレスな家具・空間作りを見せてくれたインテリアブランド3選。
今年のミラノサローネのトレンドがベーシック&クラシカルなこともあるが、特にタイムレス、つまり普遍的な家具や空間づくりを見せてくれるインテリアブランドが多かった。その中でもモダニズム全盛期やイタリアモダンから変わらない、世界中の人々に愛されるブランドを紹介。
イーズムやジョージ・ネルソン、パントンの家具を扱う「Vitra(ヴィトラ)」
1950年にスイスで創業したVitra(ヴィトラ)は、イームズやジョージ・ネルソン、ヴァーナー・パントン、イサム・ノグチと言った伝説的なデザイナーの製品を世に送り出していて、世界で最も影響力のある家具メーカーだ。イームズなど著名なデザイナーの往年の名作を少しアレンジを加えたブースで展示。Vitra(ヴィトラ)の世界観を表している。
ミッドセンチュリーが現代にアレンジされて蘇る。数々の家具コレクションは昔のものだが、今尚新しい。ヴィトラ・ハウスで見た空間の一つ一つを再現しているようでもある。
ヴィトラ・ハウスの記事『Sto塗料を施した、ヘルツォーク&ド・ムーロン建築「ヴィトラ・ハウス」を訪問!』
プラスチック家具メーカーのパイオニア「Kartell(カルテル)」
CEOであるクラウディオ・ルーティー氏がミラノサローネを主催するイタリア家具工業会社の新社長に就任したプラスチック家具メーカーのパイオニアKartell(カルテル)も変わらず美しいブースを出展。
Kartell(カルテル)を代表するプラスチックの収納家具「コンポニビリ」が50周年を迎え、吉岡徳仁や佐藤オオキ率いるnendo、フィリップ・スタルクなどの現代の有名デザイナーとのコラボレーション作品も発表した。
こちらは昨年発表されたnendoとのコラボ作品である「H-horse」で、アクリルでできた椅子であり子供の玩具でもある。
イタリアのモダン家具ブランド「MAGIS(マジス)」
このガーデンチェアを思い浮かぶ1976年にイタリアで生まれたMAGIS(マジス)は、ラテン語で「もっと」の意味を持ち斬新な製品を発信し続けている。プラスチックを使ったプロダクトを得意とするマジスはエンツォ・マリやジャスパー・モリソン、マーク・ニューソンなど著名なデザイナー達と協働し、MoMAやパリ国立近代美術館などに多くの作品がパーマネントコレクションとして登録されている。
美術館のような作りのブースには、提案アイテムとともに今年も多くの新作ラインナップを展示している。
これらの3ブランドは定番アイテムが多く毎年の商品自体の変化はあまりないが、新進気鋭のデザイナーとのコラボレーションやブースのデザインなどが非常におもしろい。そして、往年の名作がいかに現代にも通じるタイムレスなものだと実感できる。