コルビュジエ設計の集合住宅「ユニテ・ダビタシオン」から学ぶ「屋上テラス」という特別な空間
フランスのマルセイユにある、ル・コルビュジエ設計の集合住宅「ユニテ・ダビタシオン」。
巨大な船のような集合住宅「ユニテ・ダビタシオン」。実際に見ると巨大で、コルビュジエは大きな船に見立てたのも納得の建築物だ。
そんな、「ユニテ・ダビタシオン」の屋上テラスの開放感を体感してきた。
近代集合住宅の原型映し出す住戸。
中の廊下は暗いけれどカラフルな玄関のドアと証明が美しいこの建物。
各住戸のエントランスにはレターボックスがせり出し、中はメゾネットなので2階層分の大きい開口が開いていて明るいリビングの空間ある。
キッチンはどこか現代に通じるところがあり、吹き抜け部分にある上層階部分で、開口部からの採光もあって非常に明るい。上層階の通路部分は建具など随所にコルビュジエの工夫が読み取れられる。リビングとは反対側(とは言っても住戸によりだけれど)の寝室からはコートダジュールの海が望める。
こういったメゾネットの発送は恐らく、北山恒氏など日本の集合住宅デザインへの発想へとつながっているのではないだろうか。
船上にいるような気持ち良さの屋上テラス。
住戸を観た後はエレベーターで屋上に上がった。
青い空を海に見立ててた、言ってみれば巨大な船の甲板にあがってみたことになる。
小さな植栽も含めて全てが絵になる屋上だった。
教会の昨日も含めたホールが屋上にはある、それは南仏の光を受けて生き生きと使われているようで良さそう。眩い南仏の日差しが気持ちいい屋上はいつまでも過ごせる心地よさを生み出す。
排煙塔が建築の直線と対比的に曲線できている。
ユニテの保育所とそのプールは建築の中にある建築のような気がして、これ自体が一つのコルビュジエの建築に思えてくる。屋上テラスが現在も生き生きと使われているのはここが一番なんじゃないかと思う。
「casa sky」にも屋上とスカイバスが搭載されているが、ここから見る景色はどこを撮ってもフォトジェニックで、「屋上のある家」とはきっとこんな気持ちが味わえるのではないだろうかと感じた。
日本では遠い世界のように教科書でモダニズムのことについて学ぶが、ここにはその建築が今も使われていて建築の強度(力学ではなく存在としての)と、屋上という特別な空間へのこだわりを感じとることができた。