ミラノサローネ2017でイタリアの「Driade(ドリアデ)」が提唱する自然から学ぶデザイン。

「Driade(ドリアデ)」はイタリアの中でもモダンデザイン家具の代表的なブランド。1968年にイタリア南東部のピアチェンツァで誕生し、ミラノサローネでデビューした。特に合理主義的なモダニズムに反動したポストモダンの時期に急成長し、イタリアモダンの中でも有力なブランドに発展した。

ミラノサローネ2017でも大注目の「Driade(ドリアデ)」どのようなものだったのだろうか。

植物をモチーフにした自然から学ぶデザイン

多くのデザイナーが草木や花などの植物からインスピレーションを得ているように、Driade(ドリアデ)でも植物をモチーフにした自然から学ぶデザインを多く取り入れている。

具体的なところでは間仕切り用のパーテーションに植物の絵をプリントしたり、抽象的なところではラグやファブリックに植物をイメージさせるような曲線の模様を取り入れたりと随所に植物の形が活かされている。

蔦のようなラインが綺麗な新作チェア「SISSI CHAIR(シシー・チェア)」

今年も幾つかある新作の中で蔦のようなラインが綺麗で印象的だったのが「SISSI CHAIR(シシー・チェア)」。ルドビツカ、ロベルト・パロンバがデザインしたいかにもDriade(ドリアデ)らしいこの椅子は、単体で見ても綺麗で美しいが、複数集まると植物のような印象が一層増す。

日本的な要素も取り入れたデザイン

植物的なモチーフの他にも、どこか日本を思わせるデザインも取り入れていた。パーテーションも日本の屏風のようでもあるし、写真の収納も日本の武家的な家の家具のイメージさせるデザインだった。

なるほど、自然との距離が近い日本的なデザインを取り入れることは自然な流れだったのかもしれない。

 

近年のDriade(ドリアデ)は、イタリアモダンやポストモダンの世界観からどこか東洋的な意匠を取り入れて変化を楽しんでいる印象がある。特に「SISSI CHAIR(シシー・チェア)」などはDriade(ドリアデ)的なデザインでありながら、植物的な自然からのインスピレーションや日本的なモチーフは有効に作用しているように思えた。