【建築家に聞く10のアイディア】斬新な間取りで叶える理想の暮らし ” 玄関入ってすぐキッチン”の魅力

これまでの住宅は、玄関ホールから廊下を通り、生活の場であるリビングやキッチンへ、という間取りが一般的でした。しかし近年では、玄関の広さやデザイン性に加えて、シューズクロークやファミリークローゼットといった収納や生活動線を考えた間取りを重視する家づくりが人気です。家族の暮らし方に合わせたら、たとえばキッチンを玄関の正面に配置するという間取りがベストな場合もあります。

無駄な動線をカットして、コミュニケーションの時間を生み出す

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こちらは美容院兼住まいという設計の住宅で、美容師である奥さまの要望は仕事をしながら家事も楽しみたいというもの。そこで、生活動線を極力シンプルに、かつ忙しい中でも家族と十分にコミュニケーションがとれるよう考慮された結果、玄関の前にキッチンを、そしてその動線上にダイニングを配置するという間取りになりました。これにより、店舗との往来もしやすく、家事をしながらダイニングやリビングで過ごす家族とも会話ができるという、理想どおりの暮らしが実現したのです。

荷物の持ち運びが「楽」になる

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玄関からダイニングキッチンへの移動距離が短い間取りであれば、キッチン用品のようにかさばるアイテムやお米や飲料といった重たい荷物でもスムーズに運び込むことができます。狭い廊下やいくつかの部屋を通過することなく、買い物帰りの流れのまま片付けまで済ませやすくなるのです。

また、何度も行き来が必要な大量の荷物を運ぶ場合にも、玄関からキッチンまでの間取りが近く、なおかつ直線であれば、何度も運ぶ手間や労力を極限まで抑えることができます。

「収納」しながら帰宅するスタイル

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また、玄関とキッチンとをつなぐ間取りの中間地点に、荷物や買い物用品を片付ける収納スペースを設けることで、玄関からキッチンにたどり着くまでの間に必要な片付けを済ませながら進むことが可能となります。

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玄関先のシューズクロークのように、玄関~キッチン間にパントリーを設計することで、効率的な収納が叶い、家事の段取りもよくなります。

工夫次第で多くのメリットが生まれる意外な間取り

意外とメリットの多い、玄関の正面にキッチンを配置した間取り。とはいえ「家の顔」とも呼ぶべき場所に、生活感が出やすいキッチンを配置するためには工夫が必要です。手元が見えないようキッチンに立ち上がりをつけることで、玄関からオープンでもすっきりとした印象にしたり、余計な食器や家電は見せないよう配慮することも検討しましょう。理想の暮らしを叶えるためには、固定観念に縛られるのではなく、 柔軟な思考で家づくりに向き合うことが大切です。