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常識を疑え! 窓は本当に必要か?! 窓について真剣に考えた住宅「casa cube」

ひと昔前のテレビCMではないが、「家を作るなら~♪」と、理想のマイホームの姿を挙げてみると、「大きな窓がある」はけっこう上位にくるのではないだろうか。

たしかに、大きな窓は、素敵なマイホームには必須のように思われていた時期もあった。

が、本当に「大きな窓」は、快適な住宅に必要なのだろうか? と考えてみた。

 

人々が窓を欲する3つの理由

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初めてcasa cubeを見た多くの人が思うのは、「えっ? 窓がないじゃない!」ではないかと思う。

日本では、いや、海外でもかもしれないが、「大きな南向きの窓」は、いい家の象徴にもなっている。大きな窓からさんさんと降り注ぐ陽射しは、そこに住む人を幸せにすろ、と考えられてきた。

そもそも、なぜ家には窓が必要なのか、を考えてみよう。

「家の中に光を取り込むため」

「空気を入れ替えるため(換気のため)」

「景色を楽しむため」

主にこの3つが理由なのではないだろうか。

 

「大きな窓」は本当に必要なのか?

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ところが、実際には大きな窓のある家に住んだからと言って、カーテンを全開にして外の景色を楽しむことは、そう多くはないのではないか。とくに都心部などの住宅街では、窓から見える景色と言っても、隣の家の壁や屋根ばかり、という現実にぶちあたることも多いだろう。

逆に、下手にカーテンを開けていると、外から家の中がのぞかれてしまうリスクもある。せっかく大きな窓があっても、外からの視線を気にしてカーテンは閉めっぱなしにせざるを得ない家も多いのではないだろうか。

換気についても、現在の建築基準法では24時間計画換気が義務付けられているので、建築技術の進歩もあり、室内には新鮮な空気が回るようになってきている。窓を開けて空気を入れ替える必要はなくなってきたのだ。

となると、窓に求められるもっとも重要な役割は、「彩光」となる。

省エネという観点からも、昼間はなるべく室内の照明をつけることなく過ごせるだけの光を家の中に取り込みたい、と考えればやはり「大きな窓」は必須、という気持ちになるのは当然のことだろう。

 

casa cubeが選んだ「天窓」と「スリット窓」

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しかし、大きな窓を設けたところで、家の中にさんさんと光が降り注ぐためには、立地が重要となる。南向きで、彩光を遮るような建物がない場所、となると住宅街の中ではかなり探すのが難しく、土地取得のコストもかさんでくる。

それならば、大きな窓にこだわらず、彩光は天窓をメインにする、というのがcasa cubeの考え方だ。実際のところ、天窓から入る光の強さは、壁面の窓の3倍にもなる。

十分な明るさを確保できるのはもちろんのこと、冬には部屋全体を暖かくしてくれる自然の恵みを享受できるのだ。

さらに、壁面にも幅10.08cmのスリット窓を設けることにより、壁面からの彩光もゼロにはならないうえ、この窓を開ければ心地よい風が通り抜ける。換気そのものは、セントラル換気システムで行われるが、自然の風の清涼感はまた格別だ。

一見、「(ほぼ)窓のない家」に見えるcasa cubeだが、じつはもっとも効率よく、「窓」のメリットは確保している。

壁面に対する窓の面積を最小限にしたことによって、家の構造もより強固になり、10.08cmの窓では、外からの侵入はできない、という防犯上の効果も大きくなる。

「窓」の存在意義を洗い出し、尊重したうえで、従来とはまったく違う形で、「窓から得られるもの」は維持しているのがcasa cubeの形なのだ。

 

なるほど。

人々が「窓」に求めるものは、やはり快適な家には欠かせないものだった。

ただし、それらは必ずしも「窓」からしか得られないものではない。

そんな時代が来ているのだ。

#casa 編集部

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