
俳優・アーティストである”のん”が手がける「のん Ribbon展 怪しくて、可愛いもの。-群れる-」が国立民族学博物館で7月31日から開催。
俳優・アーティストの”のん”が手掛ける「のん Ribbon展 怪しくて、可愛いもの。-群れる-」が、国立民族学博物館で7月31日から開催されます。長年追求してきたリボンアートで「可愛くて、不気味」な世界観を表現する本展は、黒川紀章建築の特別な空間で、見る者を魅了するでしょう。
俳優・アーティスト”のん”が紡ぐ「怪しくて、可愛い」リボンアートの世界
俳優でありアーティストの”のん”が長年探求し続けているリボンアートは、一見すると愛らしいリボンの持つイメージとは裏腹に、どこか不気味さや神秘性を感じさせる独特の世界観を確立しています。今回の「のん Ribbon展 怪しくて、可愛いもの。-群れる-」では、この二面性がより一層深く掘り下げられ、「群れる」というテーマのもと、新たな解釈と表現が試みられています。
会場となる国立民族学博物館の地下空間には、背中に赤いリボンを多層に纏った10体の新作を含む15体もの「こけし灯篭」が整然と並び、見る者を圧倒するような大規模なインスタレーションを展開します。青森のお祭りで使われる伝統的なこけし灯篭に、のんさん自身がデザインしたリボンアートが施されることで、伝統工芸と現代アートが見事に融合。夏の展示にちなみ、夏の花や果物をモチーフにしたデザインにも注目です。また、219体のリボンを纏った大小さまざまな「真っ赤童(まっかわらし)」が空間全体に点在し、見る人がそれぞれに発見する喜びを味わえる工夫が凝らされています。これらの作品群は、可愛らしさの中に潜むゾワゾワとした感覚、人間の本能的な感情を揺さぶるような皮膚感覚を呼び起こし、のんさんの芸術に対する感覚的なアプローチが色濃く反映されています。
のん
俳優・アーティスト。兵庫県出身。
音楽、映画製作、アートなど幅広いジャンルで活動。
2022年2月に自身が脚本、監督、主演の映画作品「Ribbon」を公開(第24回上海国際映画祭GALA部門特別招待作品、新藤兼人賞 最終ノミネート)。
映画「さかなのこ」で、第46回日本アカデミー賞「優秀主演女優賞」、第32回日本映画プロフェッショナル大賞「主演女優賞」を受賞。
2024年12月、主演映画「私にふさわしいホテル」公開。
2025年2月、DMMTVでの実写ドラマ「幸せカナコの殺し屋生活」公開。
同年4月、Netflix映画「新幹線大爆破」、9月4日にNetflixシリーズ「ポケモンコンシェルジュ」、9月29日より、ABEMAオリジナルドラマ「MISS KING / ミス・キング」配信予定。
10月31日、映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」公開予定。
音楽活動では、2025年9月、3rdフルアルバム『Renarrate』をリリース予定。同月にアルバムツアーで全国4都市を回る予定。
また、俳優・音楽・映画・アートといった枠にとらわれず、自由な表現に挑み続けてきた創作活動が評価され、2024年に第16回伊丹十三賞を受賞。
URL:https://nondesu.jp/
民博との共鳴、伝統と現代アートが織りなす新たな視点
国立民族学博物館での開催は、「のん Ribbon展 怪しくて、可愛いもの。-群れる-」にとって極めて重要な意味を持ちます。本展は、同館の創設50周年記念特別展「民具のミカタ博覧会―見つけて、みつめて、知恵の素」の協力事業の一環として位置づけられており、のんさんがこれまでモチーフとしてきたこけしや赤べこ、白べこ、七夕飾りといった日本の民具とアートとの対話を促します。のんさんのリボンアートは、これらの伝統的な造形物に新たな命を吹き込み、民具が将来に受け継がれていくための「新たなミカタ」を生み出す試みとも言えるでしょう。国立民族学博物館は、1970年の大阪万国博覧会のテーマプロデューサーであった岡本太郎が手がけた《太陽の塔》と深く繋がる場所であり、岡本太郎の「対極主義」という思想が、のんさんの作品にも通底していると、本展キュレーターの仲野泰生(京都場館長、元川崎市岡本太郎美術館学芸員)は語ります。可愛いこけしの背面には不気味な赤いリボンの群れが貼り付き、可愛さの裏側に潜む不気味さを表現することで、人間の存在が持つ両極の要素、喜劇と悲劇、抽象と具象といった相反する概念を提示しています。この空間で、世界各地の民族資料と並んでのんさんの作品が展示されることは、伝統文化と現代アートが相互に影響し合い、新たな視点と解釈を生み出す貴重な機会となるでしょう。
芸術祭後半を彩る”のん”のリボンアート・インスタレーション
「のん Ribbon展 怪しくて、可愛いもの。-群れる-」は、「Study:大阪関西国際芸術祭 2025」の会期後半を飾る重要な展示の一つです。4月13日から開催されている本芸術祭は、「アート×ヒト×社会の関係をStudyする芸術祭」をテーマに、大阪・関西万博を見据えた文化芸術による経済活性化や社会課題の可視化を目指しています。のんさんのリボンアート・インスタレーションは、既に民博の1階エントランスで展示され好評を博していた《背中に結んだリボン(こけし灯篭)》を、本芸術祭の会期後半に向けて特別展地下会場へと大きく拡張したものです。大阪文化館・天保山やうめきたエリア、西成エリア、船場エリア、松原市など、大阪を象徴する様々な場所で開催される芸術祭の会場の中でも、国立民族学博物館という歴史ある場所でののんさんの展示は、特に注目を集めるでしょう。
来場者は、本展を鑑賞した後に国立民族学博物館の常設展示を巡ることで、のんさんの作品世界と民具が持つ普遍的な魅力との繋がりをより深く感じることができます。本芸術祭の総合プロデューサーである鈴木大輔氏も、「のん Ribbon展 怪しくて、可愛いもの。-群れる-」、国立民族学博物館の世界各地から収集されたコレクション、そして「Study:大阪関西国際芸術祭 2025」の各会場を巡って楽しんでほしいと語っています。
唯一無二の世界観を楽しむ
「のん Ribbon展 怪しくて、可愛いもの。-群れる-」は、のんさんのリボンアートが持つ多面的な魅力を凝縮した展覧会です。伝統と現代、可愛さと不気味さが融合した唯一無二の世界観を、ぜひ国立民族学博物館でご体感ください。
「のん Ribbon展 怪しくて、可愛いもの。-群れる-」
アーティスト:のん
キュレーター:仲野 泰生(京都場館長、元川崎市岡本太郎美術館学芸員)
会期:2025年7月31日(木)〜10月13日(月)
公式HP:https://osaka-kansai.art/
展示会場:国立民族学博物館(みんぱく)(大阪府吹田市千里万博公園10-1)
(特別展地下会場で展示しています。)
(みんぱくについて https://www.minpaku.ac.jp/)
協力:東京リボン
料金:有料
「Study:大阪関西国際芸術祭 2025」チケット、もしくは国立民族学博物館のチケットが必要です。
「Study:大阪関西国際芸術祭 2025」チケット購入について
ネットでの購入もしくは、みんぱくショップでの購入が可能です。
チケット購入:https://osaka-kansai.art/pages/ticket