真駒内滝野霊園にある安藤忠雄による「頭大仏殿」で、非日常の世界を垣間見る。

札幌市の郊外にある広大な真駒内滝野霊園は、夏はラベンダー・冬は雪に覆われます。その真ん中に、人々の興味がそそられるように大仏の頭が少し見えており、自然と足を頭大仏の元へ運ぶように「頭大仏殿」が待ち受けています。

頭大仏はもともと外に設置されていた

遠くから頭大仏の頭部を望みます。少しだけ大仏の頭がはみ出て見えます。

頭部のみ見えるのは衝撃ですね。

高さ13.5メートル・総重量1,500トンの頭大仏はもともと外に設置されていましたが、真駒内滝野霊園開園30周年を記念して霊園の運営元である公益社団法人 ふる里公苑が「頭大仏殿」を造ることを安藤忠雄に依頼し、2016年に竣工しました。そこで彼が考えた設計は大胆にも頭大仏の頭の一部をラベンダー畑の中から出す、と言う方法でした。

近づくまで頭大仏のご尊顔が見えないと言うじれったさ

ここから頭大仏までの距離は135メートル。

正門を通過して「頭大仏殿」の先に延びる135メートルものアプローチの先には石像大仏が見えています。聖俗を分け結界の意味を持つと言われる水庭を抜けて、全長40メートルものトンネルに入ります。水庭は参道をまっすぐ進めない動線で作られており、水で心を清め、日常から非日常へと心を切り替えるように演出されています。

胎内をイメージしたトンネル。

水庭を抜けた後のトンネルはひだ状のコンクリート打ち放しとなっており、安藤忠雄らしさをここで垣間見ることができます。この胎内を表すほの暗いトンネルを抜けて大仏回廊に辿り着くことでようやく頭大仏のご尊顔を拝むことができます。「頭大仏殿」までの長い道のりの中、頭大仏の姿のみが見えておりなかなかご尊顔をみることができないじれったさが逆に「頭大仏殿」に進んで行きたいと言う気持ちを一層強くするのかもしれません。

たくさんの祈りが捧げられている大仏回廊

青空のもと、頭大仏が私たちを見下ろします。

まるで後光が射す神聖さです。

大仏回廊から上を見上げると、空を背景にした頭大仏が私たちを優しく見下ろします。頭大仏の後ろから日の光が差し込んでいれば、まるで後光が射しているようでさらに神々しさが増すことでしょう。

頭大仏の周りにも小さな仏像様が並んでいます。

また、大仏回廊はその名の通り頭大仏の周りを一周することができるようになっているので、どこからでも頭大仏を拝むことが可能です。「頭大仏殿」の一部には、アジア圏を中心とした言葉で記載されていたメッセージ献灯や絵馬など各国の人々の祈りが奉納されています。

非日常的な空間「頭大仏殿」で祈りを捧げる

忙しい日常を忘れて非日常的な空間「頭大仏殿」で心を落ち着かせ、頭大仏に祈りを捧げる。ふと心身の休みが欲しくなるときに「頭大仏殿」はぴったりな場所かもしれません。

頭大仏殿

住所:〒005-0862 北海道札幌市南区滝野2番地
電話番号:011-592-1223
営業時間:4月~10月 9:00~16:00 11月~3月 10:00~15:00
URL:https://www.takinoreien.com/pages/107/#block6968