
「LAA STUDIO」──暮らしと遊びが溶け合う、ワンルームリノベーションの新しいかたち
東京都目黒区の住宅街にひっそりと佇むヴィンテージマンション。その1階に位置する一室をリノベーションし、空間に新たな息吹を吹き込んだのが「LAA STUDIO」です。設計を手がけたのは、東京を拠点にホテルやアパレルショップなど幅広いデザインを手掛けるクリエイティブスタジオ「LINEs AND ANGLEs」代表・西脇佑。「LAA STUDIO」は、ワンルームという限られた空間のなかで、暮らしと遊びが心地よく共存する新しいライフスタイルを提案します。
空間を自在に使いこなす、ワンルームならではの開放感

ワンルームの中央をダウンフロアにしてワークテーブルを配置。フローリングのベッドルームとの間に自然な高低差を設けることで、空間を緩やかにゾーニングしています。ひとつながりのワンルームでありながら、シーンに合わせて心地よく過ごせるメリハリのある設計です。

庭に面した側には大きな窓を設置し、柔らかな自然光が部屋全体を包み込みます。レースカーテンのやわらかなニュアンスが空間に奥行きを添え、シンプルでありながら上質感のある雰囲気を演出しています。
日常と非日常を行き来するカウンター空間

キッチンダイニングにはコンパクトなカウンターキッチンを採用。朝はコーヒースタンド、夜はバーのように変化するこの場所は、時間の流れとともに違う顔を見せてくれます。

ステンレス製の業務用機器を揃えた本格的なキッチンながら、造作の棚やピーターアイビーのペンダントライトが、手づくりの温もりをプラス。外の共用庭とつながる窓辺に腰掛ければ、カフェのようなひとときを自宅で楽しむことができます。
落ち着きと洒脱さを両立するベッドルーム

ベッドルームはハンガーパイプと棚のみを備えたシンプルな構成。フローリングの淡いトーンと木の棚板が、落ち着きと温かみをもたらします。天井のコンクリートやダークネイビーの塗り壁といったインダストリアルな要素が、シンプルさの中に洗練をプラス。眠る前のリラックスを大切にできる空間が広がっています。
ディスプレイと収納を兼ね備えたフレキシブルな設計
壁面にはディスプレイを兼ねた棚やハンガーラックを設け、雑誌やアート、ファッションを飾りながら収納できるように。必要な機能を満たしながら、暮らしの個性を空間に投影できる設計となっています。ワークテーブルには造作のチェアを合わせ、レザーの丸い座面がミニマルな空間にさりげない遊び心をプラス。機能性とデザイン性を両立させながら、友人を招く社交の場としても心地よく使えるスペースに仕上がっています。
暮らしと余白を楽しむ、ワンルームリノベーションの可能性
「LAA STUDIO」は、ワンルームという限られた器を活かしながら、暮らしと遊び、仕事とくつろぎといった多様な時間をしなやかに受け止める空間です。日常的な生活の場でありながら、カフェやバーのような非日常性も楽しめる。そんな両義性が、この住まいの大きな魅力です。機能性とデザイン性を兼ね備えたリノベーションは、都市のコンパクトな暮らしに新しい可能性を提示してくれます。