
1階の広がりを活かす、2階のシンプルな機能美「間がゆとりを生む暮らし」
外と内の“間”を巧みに設計し、家族の豊かな時間が育まれるLDKが1階に配された「間がゆとりを生む暮らし」。続く2階は、日々の生活を下支えするプライベートな空間と、機能的な動線によって構成されています。水回りからクローゼットまでを一筆書きのようにつなげた設計は、シンプルでありながらも住まい手の暮らしを深く考え抜いた建築家の工夫が詰まっています。
家族の成長と変化に寄り添う間取り
2階には、ご夫婦の寝室と3人のお子さまのための個室、そして大きなファミリークローゼットと水回りを集約しています。
長男の部屋はコンパクトながらも、白い壁に高窓からやわらかな自然光が差し込み、明るく落ち着いた空間に。
ほか2人の子ども部屋はひとつの空間にドアを2つ設けることで、将来的に仕切って使えるフレキシブルな構成としています。
子どもたちが巣立った後には、夫婦の趣味室や客間など、ライフステージに合わせて自在に活用できる間取りとなっており、住まいが家族の成長と共に変化していけるような余白が感じられます。
プライベート空間にも開放感を
ご夫婦の寝室には大きな窓を配置し、朝の光をたっぷりと取り込む明るく開放的な雰囲気に仕上げています。夜になれば静けさとともに外の景色が室内を包み込み、昼とは異なる落ち着いた空気が漂います。限られた敷地でも心地よく過ごすための設計が、ここにも生きています。
家事動線を支える水回りと収納の設計
2階の一角には、浴室・洗面・脱衣・ランドリー・ファミリークローゼットが一直線につながる、水回りの空間が設けられています。
浴室には大理石調のタイルを採用し、グレーの浴槽が洗練された印象を添えています。
脱衣室には大きな造作棚が設けられ、タオルや掃除用具もすっきり収納可能です。
横に長く伸びたランドリースペースには高窓を設置。採光と通風を確保し、湿度がこもりがちな場所にも明るさと爽やかさを届けます。設けられたハンガーパイプはL字にクロスしており、そのままファミリークローゼットへとつながります。
“整える暮らし”を自然に導く設計
ファミリークローゼットはハンガーパイプを2段に設け、季節物や家族それぞれの衣服を余裕をもって収納できる広さ。
さらに大きな造作棚も備え、日常的に使うアイテムやストック類をきちんと整頓できます。オープンな構成と短い動線により、日々の片付けや衣類の管理がしやすく、「自然と片付けたくなる」仕掛けが施されています。
また、洗面台はランドリースペースとクローゼットの間に設置。
壁を設けずオープンにすることで、朝の支度が重なりがちな時間帯にも家族それぞれがスムーズに身支度を整えられます。
機能を超えた“ゆとり”の価値
生活に必要な機能をコンパクトに、効率よく配置した2階には、暮らしをスムーズにし、家族の時間を豊かにするための繊細な工夫が数多く詰まっています。建築家が手掛けたこの住まいは、「間がゆとりを生む暮らし」というコンセプトのもと、日々の営みにさりげなく寄り添いながら、家族にとっての“ちょうどよい”心地よさを育んでいます。