建築家・納谷学が手掛けた、住居と店舗、それぞれのファサードを持つ「徳島の住宅」

個人住宅の設計を中心に、商業施設や店舗、集合住宅などこれまで200軒以上の作品を生み出している「納谷建築設計事務所」代表、建築家・納谷学。建築家としての活動の傍ら、関東学院大学や芝浦工業大学で講師としても活躍しています。

納谷建築設計事務所が手掛けた「徳島の住宅」は、オーナーが営むプライベートサロンを併設しており、“店舗としてのファサード”と“子どもたちを迎い入れる住宅としてのファサード”、2つのファサードを持っている住まいです。

2つのファサードを持つ「徳島の住宅」

納谷建築設計事務所:徳島の住宅
写真:吉田誠

「徳島の住宅」は駅前から続く商店街が終わりの場所、住宅街の始まりの場所に建てられ、表通りは近隣商業地域、裏通りは敷地の目の前が小学校という立地に佇んでいます。

こちらは、表通りの商店街の並びのファサードです。1階にはオーナーが営むプライベートサロンがあり、その上に住宅をのせたユニークな形の外観をしています。

店舗手前にはお客様の駐車スペースを完備。お客様と家族がバッティングすることなく、お客様、家族、どちらも安心して駐車することができます。

1階に完備したプライベートサロン

納谷建築設計事務所:徳島の住宅
写真:吉田誠

プライベートサロンの店内は、道路よりやや下がり、天井が高めに作られました。

大きなサロンのように広々としたスペースでなくても窮屈さを感じることなく、程よい開放感のある空間に仕上がりました。そして表通りから内部を見ることができるため、通行人に対して親しみやすい印象を与えています。

納谷建築設計事務所:徳島の住宅
写真:吉田誠

2階住居につながる階段の形がユニークな店内。シンプルでモダンな印象の店内は、くすみのかかったオレンジのチェアがアクセントとなり、お客様が心地よく過ごすにぴったりの空間です。

納谷建築設計事務所:徳島の住宅
写真:吉田誠

こちらは、店舗の待合コーナーです。白い箱はお客様専用のレストルームなので、家族と兼用する必要がないこともメリットと言えるでしょう。

家族を優しく出迎える玄関

納谷建築設計事務所:徳島の住宅
写真:吉田誠

こちらは、裏通りの住宅街のファサード。軒が低くヒューマンスケールとなっているため、家族の帰りを優しく出迎えてくれる玄関です。

納谷建築設計事務所:徳島の住宅
写真:吉田誠

住宅の玄関は左手の店舗と繋がっており、階段を登ると、2階の居住スペースへと繋がっています。

自然光がたっぷり差し込む2階のLDK

納谷建築設計事務所:徳島の住宅
写真:吉田誠

こちらは、2階のLDKです。幅いっぱいの窓からは自然光がたっぷりと差し込み、家族団欒にぴったりの明るい空間に仕上がりました。さらに窓からは小学校が見えることで、地域のつながりも感じることができます。

納谷建築設計事務所:徳島の住宅
写真:吉田誠

リビング横には、スタディスペースを完備。親の目線が届きやすいため、お子様の勉強にも安心で家族間のコミュニケーションがとりやすいメリットがあります。

さらに学習や仕事以外にも読書をしたり、調べ物をしたりと、さまざまな場面で活躍しそうです。

納谷建築設計事務所:徳島の住宅
写真:吉田誠

こちらは、リビングから見たキッチンです。白を基調としたキッチンデザインは、シンプルで清潔感があり、狭い空間でも明るく開放感を感じられます。

さらに白のキッチンは、冷蔵庫や電子レンジなど家電の色などを問わずに、コーディネートしやすいことも魅力的です。

トップライトが開放感を演出するユーティリティスペース

納谷建築設計事務所:徳島の住宅
写真:吉田誠

こちらは、2階のLDKから階段を上がった3階のユーティリティスペースです。トップライトが、室内を優しく照ら、いつでも空が見えることで開放感を得ることができます。

納谷建築設計事務所:徳島の住宅
写真:吉田誠

3階の個室は、2階のLDK同様にスタディスペースを完備。作業や仕事をしながら、窓の外の景色を楽しむことができるのも嬉しいポイントです。

全面ガラス張りで爽やかな水周り

納谷建築設計事務所:徳島の住宅
写真:吉田誠

そして、南に開いた3階の水周りは、全面ガラス張りのホテルライクに仕上がりました。光を多く取り入れることができるので、暗くなりがちな浴槽や洗面スペースを明るく爽やかな印象に演出しています。

住居としてのファサードと店舗としてのファザード。2つのファザードを持つ「徳島の住宅」

住宅街の中、そして商店街の中に佇み、住宅として、店舗として2つのファザードを持つ「徳島の住宅」。周囲の街並みや環境に調和しながら二面性を持つ「徳島の住宅」は、家族や地域を巻き込みながら、豊かな暮らしを実現できることでしょう。これから家づくりをする方は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。