自分だけの形が完成する建築家・隈研吾が監修のスツール・木工特別体験「タテヨコナナメ」

静岡にある伝統工芸体験施設「駿府の工房・匠宿」に、世界的建築家・隈研吾が監修するスツール 「タテヨコナナメ」を組み立てる木工体験が4月27日(土)より始まります。

自分だけの形が完成するスツールで隈研吾監修による木工体験

世界的建築家・隈研吾の監修のもと、静岡市にある「駿府の工房 匠宿」にて、新たな木工体験が始まります。その名も「タテヨコナナメ」。誰もが自分だけのスツールを作り上げることができるこの特別なワークショップでは、シンプルながらも構造的に洗練されたデザインのスツール本体と、三本の木材パーツが参加者に渡されます。ここから創造の旅が始まります。タテ、ヨコ、ナナメのどの角度でパーツを組み合わせるかは、参加者の自由。直感と創造性に基づいて、自分だけのデザインを形にする喜びを体験できます。

育てるスツール「タテヨコナナメ」 – 隈研吾よりコメント

子供から大人まで楽しめる「育てる」スツールをデザインしました。最初は不安定なスツールが、木の材料を補強していくことで人を支えられる程に強く育っていきます。一本一本は小さく強度のない木をたくさん集めて強い建物を作る、日本古来の木造技術を学び体験できるスツールです。追加する本数や場所、タテ・ヨコ・ナナメの角度は自由に決められます。作る人によってそれぞれが全く違う表情の、唯一無二の椅子となります。 皆さんだけの特別なスツールを作ってみてください。

Director 隈研吾(くま・けんご)

1954年生。1990年、隈研吾建築都市設計事務所設立。慶應義塾大学教授、東京大学教授を経て、現在、東京大学特別教授・名誉教授。40を超える国々でプロジェクトが進行中。自然と技術と人間の新しい関係を切り開く建築を提案。 主な著書に『日本の建築』(岩波新書)、『全仕事』(大和書房)、『点・線・面』(岩波書店)、『負ける建築』(岩波書店)、『自然な建築』、『小さな建築』(岩波新書)、他多数。

指物工芸として知られる「静岡の木工」

徳川家康の居城駿府城や浅間神社の造営の折、全国より優秀な技術を持つ漆工や大工・指物師・彫刻師などの職人たちが集められ、この地に永住したのが指物工芸の発祥と言われています。その後漆塗りの西洋鏡台の製造をはじめたことで静岡に家具産地・鏡台産地としての基礎がつくられ、やがて需要とともに豊富な品揃えを誇る全国有数の総合家具産地へと進展。現在は作家の工房からメーカーの工場までバラエティ豊かな木工産地となっています。

部材から家具への変貌を楽しむ旅へ「タテヨコナナメ」で創造性を育む

スツール「タテヨコナナメ」は、木の部材が如何にして機能的かつ美的な家具へと進化するかを探求する旅でもあります。参加者には基本形状のスツールと数本の木材が提供され、それらをどのように組み合わせるかは参加者の自由意志に委ねられます。垂直、水平、斜め—各々の視点からアプローチすることで、まったく新しい形のスツールが誕生します。このプロセスは、単なる工作活動以上の意味を持ち、日本の木工技術に対する深い理解と尊敬を養う機会となります。隈研吾の哲学に基づき、木材の持つポテンシャルを最大限に引き出すことで、使い手の思考と感性が反映された家具が完成するのです。この体験を通じて、参加者一人ひとりがデザイナーとなり、自分だけの家具を創り出す喜びを感じることでしょう。

最低限の構造の本体と三本の木材パーツから

最低限の構造で少し不安定なスツール本体と、三本の木材パーツをお渡しするところから体験がスタート。タテヨコナナメ、どのように木材パーツを取り付けるかは体験者の自由です。

唯一無二のスツールをつくる

見た目や強度・使い勝手を想像しながら、取り付け位置や角度を決めていきます。まさにデザインと構造の関係性を自然と学んでいくことが出来ます。体験者がそれぞれに趣向を凝らして出来上がる形は唯一無二。他にはないスツールが出来上がります。

木ネジと電動ドリルで組み上げる

取り付け位置が定まったら木ネジを打つ位置にボーリング機械で丁寧に穴をあけ、電動ドリルで組み上げます。他の人とは違う自分だけのスツールが形になっていくことに喜びを感じることになります。ネジ一つにもこだわり、本企画に合わせた六角穴のオリジナル木ネジを静岡市の企業・興津螺旋株式会社に依頼。

自分のスツールになるまで研磨して育てる

組み上がったスツールを、立って眺めたり実際に座ったり しながら、触り心地や使い心地を考えながら、組み立て後は紙やすりやサンダーで気になるところを研磨していきます。磨けば磨くほど、どんどん愛着が湧いてくるのが自分の家具。完成後は、スツー ルを暮らしの中で存分に楽しむことができるでしょう。

裏側には隈研吾のサイン

今回使用しているのは、無垢材の贅沢なボリュームも感じられる静岡県で育まれた豊かなひのき材。裏側には隈研吾のサインもレーザーで彫刻してあります。制作に悩んでしまったら隈研吾から完成見本を目指しても良いでしょう。

静岡市の伝統工芸体験施設「駿府の工房・匠宿」

静岡市の伝統工芸体験施設「駿府の工房 匠宿」として「歴史と未来を結ぶ場所」をコンセプトに開業。駿河竹千筋細工・陶芸・藍染・お茶染め・木工指物・漆などが体験できる各工房に、一線で活躍する職人を工房長として招聘し、かけがえのないものづくりの体験の提供と、工芸職人の後継者候補輩出を目指す。また、地元で長年愛された和菓子屋の味を引き継いだ店舗や地元養蜂場の蜂蜜を使用したカフェを匠宿内に開店。そしてこの地に佇む古民家をリノベーションし、客室内に静岡の工芸品を設えた「工芸ノ宿」として宿泊業をスタートさせるなど、周辺地域とも連携・協力することで、地元文化継承の拠点としての役割も担っていきます。

建築家・隈研吾と体験するスツール「タテヨコナナメ」の家具作り

スツール「タテヨコナナメ」作るこの体験は、建築家・隈研吾の指導のもと、伝統的な日本の木造技術に敬意を表しつつ、木と対話し、木の可能性を最大限に引き出す旅となります。この体験を通して、参加者は自分だけのスツールを世に送り出すことで、日本の木工文化と現代のデザインが調和した新たな価値を創造します。

駿府の工房 匠宿 木工特別体験「タテヨコナナメ」

体験料金:\22,000-(税込)
体験開始:2024/4/27(土)
体験時間:14:30~(土日祝のみの開催・完全web予約制)
所要時間:約2時間
体験人数:4名まで
予約方法:3営業日前までのweb予約申し込み制
※保護者同伴にて小学生から体験可能/中学生は保護者同伴を推奨。