1階に配した子ども部屋と寝室が生み出す意外なメリット「コントラストハウス」
前編:1階に配した子ども部屋と寝室が生み出す意外なメリット「コントラストハウス」
家族団欒の場となるリビング。コミュニケーションを楽しんだり、テレビや映画を観ながらくつろいだりと、家族が長い時間を共に過ごす生活の中心となるスペースです。そんなリビングはダイニングと隣接して1階に配置されることがスタンダードでしたが、近年では2階にリビングを設ける住宅が注目を集めています。2階リビングの家「コントラストハウス」には、どんな魅力があるのでしょうか。今回は主寝室と子ども部屋が配された1階をご紹介します。
敷地条件から導き出された2階リビングの住まい
敷地は住宅地の一角にあるため、プライバシーの確保が大きなポイントとなりました。そこで導かれたのが2階にリビングを配置するプラン。住宅密集地でもプライバシーと開放感を両立するべく導かれたのは、1階のプライベート空間と2階の家族団欒のスペースとのメリハリがユニークな、コントラストの効いた住まいです。子ども部屋と主寝室が配された1階には、どんな工夫が詰まっているのでしょうか。
スマートに個性を演出するモダンでコンパクトな外観
開口部を最小限に抑えたシンプルな箱型の建築。グリーンを配置することで閉鎖的な印象を和らげ、ナチュラルモダンな雰囲気に仕上げています。
光が注ぐ爽やかな玄関
あたたかな質感の木の扉を開けると、地窓からの優しい光が広がるシンプルな玄関に。
すぐ横の吹き抜け階段からも光が降り注ぎ、明るく開放感のある空間となっています。
洗面台は玄関正面に配置。
帰宅後すぐに手洗いできて機能的なだけでなく、インテリアとしても空間に抜けを生み出しています。
すっきりとした空間を保てる子ども部屋・主寝室
2階にリビングをはじめ主要な生活機能を集めた「コントラストハウス」では、1階に子ども部屋を配置。おもちゃや勉強道具などの子どもの荷物は、子ども部屋だけに収まらず、どうしても共有スペースであるリビングにも散乱しがち。リビングと離れた1階に子ども部屋を設けることで、ものを自分の部屋にしまう癖がつき、共有スペースをきれいに保つことができます。
室内は大きな窓から差し込む光が広がる開放的な空間に。
将来を見越したたっぷりとした収納が特徴の贅沢なお部屋です。
その横に並ぶ主寝室は、窓を高い位置に配置することで、プライバシーを守りつつ穏やかな光を取り入れています。
お部屋には造作カウンターを設けて寝る前の読書やPC作業などができるフリースペースも用意。就寝前後のちょっとした時間にアイディアをまとめたり、日記をつけたりと、程よい籠り感が創造力を生み出す空間です。
引き戸の先にはクローゼットと収納を設置。玄関近くにクローゼットがあることで、帰宅後すぐに上着をしまうことができ、リビングなどの生活空間に花粉やホコリを持ち込まずに済むメリットもあります。
実は機能的な1階のプライベート空間
従来の間取りとは一転して、2階にリビング、1階にプライベート空間を配置した「コントラストハウス」。日常で過ごす時間の短い寝室や、外出が多く使用シーンが限られがちな子ども部屋を1階にまとめることで生まれるメリットは意外と少なくないもの。機能的なマイホームづくりに取り入れたい、新たな視点となるかもしれません。