北欧デザインの国フィンランドらしいヘルシンキにあるユニークな教会建築5選。

マリメッコやアルヴァ・アアルトなど北欧デザインの国として名高いフィンランド。その首都ヘルシンキは、ヨーロッパならではの美しい建造物のみならず、自然と共存しながら生活していることが垣間見れる街並みが特徴的だ。

そんな首都ヘルシンキには特徴的な教会がいくつも点在する。今回はヘルシンキにある個性的な教会建築を5つ紹介。

天然の岩をくり抜いて造られた「テンペリアウキオ教会」

ヘルシンキに住んでいる人々にとって、街のシンボルと謳われる「テンペリアウキオ教会」

1969年にスオマライネン兄弟が手がけたデザインをもとに建てられたこの教会は、氷河期から残る天然岩をくり抜いて造られた、いわば「岩の教会」として人々に親しまれている。

エントランスやスロープは、山道を歩いているような自然が織りなす心地よさを感じられる。

教会は大岩をくり抜いた中に造られているが、上部側面にはガラスがはめ込まれており、自然光が入り込むようになっていて明るい。

教会の中は岩壁がそのまま使われているため、岩壁がつくりだす音響効果も抜群に優れているのだ。自然と共存する唯一無二の存在として地元に愛される教会である。

参考:フィンランド・ヘルシンキの岩山をくり抜いて作られた「岩の教会」こと「テンペリアウキオ教会」

Temppeliaukion kirkko – テンペリアウキオ教会

開館時間:10:00~17:00(火曜日12:00~・土曜日10:00~11:45/13:45~17:00・日曜日10:00~14:45/15:45~17:00)
入館料:€3
URL:https://www.helsingingseurakunnat.fi/artikkelit/helsinginkirkot
住所:Lutherinkatu 3,00100 Hesinki, Finland

静寂を体現できる「カンピ礼拝堂」

オフィスやショッピングモールが立ち並ぶカンピエリアに、堂々たる存在感を漂わせている「カンピ礼拝堂」は、2012年にK2S社の建築家ミコ・スマネン、キンモ・リントゥラ、ニコ・シルラによって設計された。

モミの木を何十層にも重ねて造られている温かみのある外観は、街行く人々の目を引く存在である。人で賑わう中心街でありながらも、チャペル・オブ・サイレンス(静寂の礼拝堂)とも呼ばれており、静寂の中で自分の心に耳を傾け、心の安らぎを与えることを目的としている。

また、堂内はアーチ型の天井から差し込む木漏れ日の光、包み込むような構造の温かい木が織り成す不思議な空間が広がっており、人々は安らがきと静寂に包まれるのだ。

Kampin Kappeli – カンピ礼拝堂

開館時間:8:00~20:00(月曜日~金曜日)、10:00~18:00(土曜日・日曜日)
入館料:無料
URL:https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Kamppi_Chapel
住所:Simonkatu 7,00100 Helsinki, Finland

光の屈折で神秘的な魅力を放つ「ミュールマキ教会」

Via : Wikipedia.

親しみやすいベージュ色のレンガで造られ、外壁が縦横に重層して構成された不思議な空間が広がる外観が特徴的な「ミュールマキ教会」。1984年にフィンランドを代表する建築家ユハ・レイヴィスカによって設計され、完成した教会だ。

息をのむ美しさが広がる屋内は、ホワイトを基調としたシンプルな構造でありつつ、自然光の屈折を巧みに取り入れてペンダントライトは、まるで宝石が輝くような空間を演出させてくれる。

さらに、光によってつくられる無駄な反射を避けるように床はレンガで造られている。光がもたらす最大の魅力を引き出し、神秘的な空間を創り上げるこだわりはユハ・レイヴィスならではといえるだろう。

参考:建築家 ユハ・レイヴィスカが生み出すフィンランドらしい光が幻想的な「ミュールマキ教会」

Myyrmean kirkko – ミュールマキ教会

開館時間:9:00~15:00(平日)
入館料:無料
URL:https://www.vantaanseurakunnat.fi/kirkot-ja-tilat/kirkot-ja-kappelit/myyrmaen-kirkko
住所:Uomatie 1,01600 Vantaa, Finland

森のぬくもりを最大限に生かした「オタニエミ礼拝堂」

アアルト大学キャンパス内に建てられ、森の中に自然と溶け込むレンガとガラスで造られた「オタニエミ礼拝堂」は、カイヤ&ヘイッキ・シレン夫妻の設計によって建てれた。

木材とレンガを融合させた温かみを感じられる空間は、心に安らぎと静けさを誘う。また、方流れで造られた木の天井を、規則正しく並ぶ木造の架構が支えている緻密な構造にこだわりが垣間見れる。

ハイサイドライトからは自然の光がこの天井を伝って差し込むため、自然が織りなす温かみのある空間が完成するのだ。​​​​​​

参考:フィンランドの建築家夫妻が手掛けた「オタニエミ礼拝堂」の優しくも美しいモダン空間。

Otaniemen kappeli – オタニエミ礼拝堂

開館時間:9:00~19:00(月曜日~土曜日)、9:00~15:00(日曜日)
入館料:無料
URL:https://www.esboforsamlingar.fi/kyrkor-och-lokaler/kapell/otnas-kapell
住所:Jämeräntaival 8, 02150 Espoo, Finland

ヘルシンキのシンボルとして愛され続ける「ヘルシンキ大聖堂」

首都ヘルシンキのほぼ中央に位置する観光名所のひとつとしても知られている「ヘルシンキ大聖堂」は、1830年〜1852年と長い年月をかけて建築家カール・ルードヴィッヒ・エンゲルによって改築された。

長い階段の先には壮大なスケールに圧巻される外壁や、グリーンに輝くドームが見事な美しさがそびえ立つ。堂内は壁面も柱も白色で統一されており、その中央には黄金のシャンデリアが輝いている。

なんといっても5,614本のパイプを使った壮大なパイプオルガンは息をのむ光景を目の当たりにするだろう。

Helshinki Cathedral – ヘルシンキ大聖堂

開館時間:10:00~17:00(月曜日~土曜日)、11:00~15:00(日曜日)
入館料:無料
URL:https://www.helsinginseurakunnat.fi/en/index/helsingintuomiokirkko.html.stx
住所:Unioninkatu 29,00170 Heisinki, Finland

北欧デザインの国のユニークな教会建築

ヘルシンキだけでも一般的なヨーロッパの教会建築とは一線を画すユニークな教会建築がいっぱい。自然と一体になったり、自然光を操ったりと北欧デザインの国の建築家たちの考え方が垣間見えた。