HAMACHO HOTELのTOKYO CRAFT ROOMに倉本仁の新作バスケットとフラー・ファン・ドーデワードのアートが完成
東京・日本橋浜町のHAMACHO HOTELの2Fにある客室「TOKYO CRAFT ROOM」が新たな展開を見せる。オランダ・アムステルダムを拠点に活動するアーティスト、フラー・ファン・ドーデワードと東京・日本橋浜町の表具師、〈経新堂稲崎〉によるアート。そして東京を拠点に活動するデザイナー、倉本仁と北海道・旭川の木製家具メーカー〈カンディハウス〉と北海道・砂川の馬具メーカー〈ソメスサドル〉による初の3社協働で制作したバスケット。これらのローンチを記念して、約2年半ぶりにデザイナーと作り手が部屋に集まり、トークイベントを開催する。2019年のオープンからひとつずつ加わり、現在は7つのアイテムが揃い、また新たな表情を見せる。
TOKYO CRAFT ROOMとは!?
「TOKYO CRAFT ROOM」は、デザイナーがものづくりの現場に赴き、その土地、歴史、技術、素材をリサーチ。つくり手と共に未来を思い描きながら、洋の東西を問わず現代の生活に合わせたアイテムを生み出す、接ぎ目の役割を果たす活動であり場所だ。
完成したアイテムはこの客室を通じて発表され、客室の一部となり「TOKYO CRAFT ROOM」に滞在中に実際に使用することができる。 HAMACHO HOTEL の2階、アイテムが加わるたび少しずつその表情を変える特別な一室「TOKYO CRAFT ROOM」。 素晴らしいクラフトの技と精神が新たな出会いや解釈を経て、この部屋から世界に、未来に向けて発信れる。
103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-20-2 HAMACHO HOTEL 2F
HP: www.tokyocraftroom.jp
Instagram: @tokyocraftroom
#6 / ART「GRASS IN THE WIND」フラー・ファン・ドーデワード × 経新堂稲崎
約150年前から続く技術と現代のあたらしい感性が、オランダと日本を通じて融合。アムステルダムを拠点に活動するアーティスト、フラー・ファン・ドーデワードと、江戸時代から5代続く東京・日本橋浜町の表具師「経新堂稲崎」による、アートが完成した。写真、彫刻、絵画を交差しながら身近な素材を用いて構築した作品を、最終的に写真という手法で完成させるドーデワードのユニークなアプローチ。カラフルにペイントした不揃いの木片を彩り豊かな彼女の人生にたとえ、それらをひとつずつ和紙にプリント。オランダと日本を軽やかに行き来する様を想像しながら横に繋いでいく。
通常はガラスで額装するところを、シワやたるみがでないよう裏打ちをして本紙を繋ぎ、間に木片を貼ることで補強。表装、額装、屏風、襖など表具全般を手掛ける表具師、経新堂稲崎の高い技術をもって、4.5mもの薄い和紙の展示を可能にした。そして、日本の美術史からも多くの影響を受けたドーデワードらしい、まるで横長の掛け軸のような本作には、見慣れたものの中に新たな視点を持たせたいという彼女の狙いも込められている。
Fleur van Dodewaard (フラー・ファン・ドーデワード)
1983年オランダ生まれ。アムステルダムを拠点に活動するビジュアルアーティスト。アムステルダム大学で演劇を、ハーグの王立芸術アカデミーでファインアートを学び、その後リートフェルト・アカデミーにてファインアートと写真を学ぶ。彼女の作品は、日本、ロシア、オーストラリア、アメリカなど、世界各地の展覧会で展示されており、オランダのモンドリアンファンデーションのよりEstablished Artist Stipendを受けている。 フラー・ファン・ドーデワードの活動は、写真、彫刻、絵画が交差します。これらのメディアの特性や美術史、形式のリサーチを通して、新たなアートの視点をわたしたちにもたらす。
URL : www.fleurvandodewaard.com
経新堂稲崎 (きょうしんどういなざき)
江戸天保年間より日本橋で5代続く大経師の称号を持つ表具店。表装、額装、屏風、襖、壁装など表具全般を手掛けており、世襲技術に独創を加えることをはじめ、美術・工芸品の保存修復を主に、意匠の製作も行う。
URL : www.kyoushindo.com
#7 / BASKET「Mono」倉本仁 × カンディハウス × ソメスサドル
デザイナーの倉本仁が素材として注目したのは、家具やプロダクトなど製品をつくる過程において材料から出る“端材”。その有効的な活用法や素材としての発展性について、兼ねてから北海道・旭川の木製家具メーカー、カンディハウスと砂川の馬具メーカー、ソメスサドルと会話を重ねてきた。端材でも、ある製品から見ると良質な素材であることには変わりなく、そこにデザインを通して新たな価値を吹き込むことはできないだろうか。そんな想いからプロジェクトがスタート。倉本は端材となったカンディハウスの木材とソメスサドルの革材を一同に集め、触り、組み合わせ、様々な可能性を探る。そしてTOKYO CRAFT ROOMのためのバスケットが完成した。
部屋ではゴミ箱として使用され、オールブラックでありながら豊かな表情を持つその美しい佇まいに目を奪われる。塗装した9つの木のパーツからなる底面と、3種の革を計8枚縫い合わせた側面を接合し、パッチワークのように仕上げられた本プロダクト。細かなパーツと素材の集合は、何度も検証を重ね、両社の高い技術によりなめらかで洗練されたフォルムを実現した。
倉本仁(くらもと じん)
1976年兵庫県生まれ。家電メーカーのインハウスデザイナーを経て、2008年に東京・中目黒に『JIN KURAMOTO STUDIO』を開設。プロジェクトのコンセプトやストーリーを明快な造形表現で伝えるアプローチで家具、家電製品、アイウェアから自動車まで多彩なジャンルのデザイン開発に携わる。素材や材料を直に触りながら機能や構造の試行錯誤を繰り返す実践的な開発プロセスを重視し、プロトタイピングが行われている自身の”スタジオ”は常にインスピレーションと発見に溢れている。iF Design Award、グッドデザイン賞、Red Dot Design Awardなど受賞多数。2015~2021年グッドデザイン賞審査委員。
URL : www.jinkuramoto.com
CondeHouse(カンディハウス)
1968年の創業以来、国内有数の家具産地、北海道・旭川にて長く使える美しい生活の道具をつくる木製家具ブランド。国内外のデザイナーと共に妥協のない製品開発に取り組んでいる。北海道の自然と日本の文化に育まれた美意識をデザインとものづくりに生かし、国内はもとより世界各地に向けて発信している。
URL : www.condehouse.co.jp
SOMES SADDLE (ソメスサドル)
北海道砂川市に本社を構える馬具・皮革製品メーカー。1964年の創業以来、革を扱う技術の極致といわれる「鞍づくり」を中心に、鞄をはじめ革小物、インテリアなど様々な革製品づくりを続けている。競馬用鞍は多くのJRA騎手に支持されているほか、平成、令和の天皇即位に際しては馬車具を納入した。馬具づくりの技術を応用して作られる革製品は愛用者も多く、修理などアフターケアにも力を注いでいる。
URL : www.somes.co.jp
TOKYO CRAFT ROOM 4月のトークイベント
2つのアイテムの完成を記念し、TOKYO CRAFT ROOMにゲストを招きトークイベントを予定している。
TALK1:4/14(木)19:00-20:30
プロジェクト#7「Mono」のデザイナー、倉本仁氏、作り手であるカンディハウス代表取締役社長の染谷哲義、ソメスサドル代表取締役社長の染谷尚弘を招き、デザインへのこだわりや制作エピソードなど、初の3社共作にまつわるトーク。
倉本仁 × カンディハウス × ソメスサドル
場所:TOKYO CRAFT ROOM(HAMACHO HOTEL 2F )
参加費:無料
TALK2:4/22(金)19:00-20:30
フラー・ファン・ドーデワード × 経新堂稲崎
場所:TOKYO CRAFT ROOM(HAMACHO HOTEL 2F )
参加費:無料
プロジェクト#6「GRASS IIN THE WIND」を手がけたアーティスト、フラー・ファン・ドーデワードがオランダより来日。経新堂稲崎の表具師、稲崎知伸と初の対面を果たす。本作のコンセプトそして技術へのこだわりについて話す。
トークイベント来場方法
トークイベントへのご来場をの希望の方は、下記URLよりお申し込みください。
-TALK1:4/14(木)19:00-20:30 倉本仁 × カンディハウス × ソメスサドル(定員:10名)
https://forms.gle/HWmsp5sminnF4Yen9
申込締切:4/12(火)
-TALK2:4/22(金)19:00-20:30 フラー・ファン・ドーデワード × 経新堂稲崎(定員:10名)
https://forms.gle/ba2LUJS3TFEn64X2A
申込締切:4/20(水)