『リンネル』編集長・西山さんとインテリアスタイリストの石井佳苗さんが語る北欧スタイル

6月14日、浜松のstyle casa にて『リンネル』× casa ランチ&トークセッションが開催。『リンネル』編集長の西山千香子さん、インテリアスタイリストの石井佳苗さんにcasa liniere の魅力について語っていただきました。

西山さんは家づくりについて「casa さんと一緒に家を作らせていただくことは貴重な体験だった」と振り返り、「モデルルームが完成するまで時間はかかりましたが、すごく楽しい時間でした」とコメント。石井さんは今までリノベーションやDIYの経験はあるものの、何もない状態から一から生み出すことは初めてで、未知の世界だったといいます。「やりがいのある仕事だと感じて、今回取り組ませていただきました」と話しました。

casa liniere(カーサ・リンネル)の開発、企画が立ち上がった経緯

西山さんによると、雑誌『リンネル』はファッション誌であるけれど、ライフスタイル誌という色が濃いのだとか。衣食住、さまざまなジャンルを扱っていたことから、いつかは住空間を作ってみたいと長年思っていたそうです。

そんなときに、カーサプロジェクトからコラボレーションの誘いがあったとのこと。「本当に素敵なお話をいただいて。カーサプロジェクトさんと一緒に家を作ったら良いものができるだろうなと確信したのは、南欧風の家であるcasa carina シリーズを見たときです。床材や壁に天然素材を使っており、根底にある気持ちがリンネルと通じるものがあったので、ぜひご一緒したいとお伝えしました」

西山さんは、いつかリンネルで空間をプロデュースすることがあるとしたら、そのときは絶対に石井さんにデザインを手がけていただきたいと思っていたそう。カーサプロジェクトから話が来て、すぐに石井さんに声をかけ、このメンバーでスタートする運びになったといいます。

 

『リンネル』が目指す北欧スタイルとは

リンネルの読者の多くは、北欧が好きで北欧スタイルに興味がある。そのため西山さんは、住環境を作る際に「北欧らしさ」を入れたいと思っていたそうです。しかし北欧スタイルを取り入れるといっても、住宅をそのまま日本に持ってきても、日本と北欧とでは環境が全く違うのでぴったり馴染むことは難しい。

そこでcasa liniere には、北欧のライフスタイルの要素を抽出して盛り込んだといいます。具体的には「程よく家族の気配が感じられる家」「陽の光や風の中で過ごす贅沢を」「人が集い、繋がれる場所に」「今も未来も落ち着いて過ごせる空間」の4つのポイント。

「日本はひとつひとつの部屋が区切られて、プライバシーをしっかり守る家が多いけれど、緩やかな間仕切りを作って、人の存在が肌でわかるような程よい距離感の家づくりをしたいと思っていました」

石井さんは、実際に北欧で見た暮らしを参考にしたそう。気温が低く家で過ごすことが多い北欧の方は、住空間を大切にしているそうで、最初にお家を案内してくれるのだとか。「どんな部屋も洗面所もお風呂場も、すべて自分らしさがあって心地よさを表現しているんです。自分が楽しめるだけでなく、家に来てくれた友達も楽しんでもらえる家づくりがいいなと思いました」

間取りを考える際は、石井さんの自宅であるマンションをリノベーションしたときの経験を生かし、玄関を開放的にしたとのこと。「玄関が広いと気持ちいいなって、自分の肌で感じたんです。せっかく広々とした一軒家を建てるのに、入って閉鎖的になってしまうのはもったいないなと感じました」

そこで石井さんが取り入れたのは、「土間」の空間。土間のスペースを作ることで、どこか別の部屋が狭くなってしまうため一見無駄なように見えますが、家に入った瞬間、広がりを感じられて光と風が通る気持ちいい空間になるよう、意識したそうです。大事なのは、家に入ったときの第一印象。「ただいまって帰ってきたときに、玄関に広がる気持ち良さを最初に感じてもらえたら、家が大好きになるのではと思いました。最初に広い玄関を提案したときは、少しどよめきが起きましたけどね(笑)」

家事動線、カラーリングへのこだわり

プロジェクトに女性が多く関わっていたこともあり、かなり家事動線を考えて作られています。例えば、casa liniere の特徴のひとつである、お風呂場が2階にある点。通常は1階にお風呂があって横に脱衣所、洗濯機が多いですが、洗濯物を干すのは2階、片付けるのも2階となると、洗濯物をいろんな場所に移動させるのが辛くなっていきます。

こうした負担を解消するために、お風呂、脱衣所、洗濯機を2階に上げ、お風呂に入るときに脱いだ服はすぐ洗濯機に、そしてランドリールームに干したら2階の各部屋に片付け、すべて2階だけで完結できるようにしたのだとか。

他に、通常は暗い空間であることが多いウォークインクローゼットも、自然光の中で洋服を選べるように、天窓の光がウォークインクローゼットにも入るようにした工夫も。「女性が生活しやすいよう、気持ちを込めた部分が多くありますね。北欧のスタイルを、家の中に作っていきました」

カラーリングの点では、石井さんは特にお風呂場に関してはこだわったそうで、プラスチックに囲まれたバスではなく、高級感のタイルを貼ったそう。ゆったりと、落ち着いて入浴できるような色使いを目指したといいます。また2階にあるお手洗いには、水色ではなくブルーグリーンのようなタイルを使用。「落ち着いた色目、でもその中にも質感のあるタイルを選びました。生活している中で、気持ちのいい切り替わりを感じていただけると思います」

またもうひとつのこだわりは、建具に使用した特注のグレー。青みやあるものやピンクっぽさがあるグレーなどさまざまありますが、既製の色の中では納得できる色が見つけられなかったそう。「一見すると、馴染みすぎていて目に入ってこないかもしれないけれど、逆に言えばそれは成功なんです。何も違和感なく、すっと入ってくるグレーでまとめることができました」

今までアイアン(鉄)の部分と木の部分がミックスされたものは、アイアンが黒のものが多く、男性的なかっこよさが目立っていましたが、今回はグレーという絶妙なカラー。西山さんは「優しくて落ち着けて、年齢を重ねてもしっくりくるカラーリングを、石井さんに表現していただきました」と語りました。