窓からのぞく風景もインテリアに。季節を取り込む松浦伸一郎が手掛けた「借景の家」
心地よいリビングや、家族が集うダイニングにこだわるのは大切ですが、窓から見える風景も住まいにとって重要な要素のひとつ。今回は、建築家・松浦伸一郎によって海辺の街に建てられた、窓からの借景が美しく空間に溶け込む落ち着きのある一軒をご紹介します。
アイボリーとブルーのバイカラーが可愛らしい外観
玄関にコの字型に設けられたブルーの囲いが特徴的なファサード。全てを壁面に接地させず、抜けをつくることで濃いブルーの色味も重くならず、軽やかな印象となります。
住宅部分、正面のアイボリーの壁とは異なり、側面にはファサードの囲いと同様のシックなブルーが用いられ、北欧風の可愛らしい色使いとなっています。
側面に設けられた勝手口には屋根を設置することで使い勝手をアップ。雨の日でも濡れることなく気軽に出入りが可能に。
小窓から見える風景も季節が感じられる大切なインテリアになります。
部屋とゆるやかに繋がるエントランス
扉を開けると大きなエントランスが広がります。
室内との間に可動式の壁を設けることで、お部屋にすぐアクセスできる利便性もありつつ、プライバシーも守られ空間に安心感をもたらします。
更に進むと2階まで続く階段が現れます。段差部分を抜くことでスッキリとした印象の階段は、視界を遮らず空間に対する圧迫感が薄まり、お部屋を広く感じさせます。
柔らかな光が降り注ぐLDK
広々としたLDK。階段をフロア奥の窓前に設置し、折返しを設けず吹き抜けにすることで2階からの自然光が取り入れられた気持ちのいい空間に。
窓から広がる風景が楽しめる階段
薄く黒い手すりが印象的なデザイン。
ちょっとした形状のこだわりで、シャープな雰囲気へと変わります。室内から外を眺めるときにも存在感が薄まり、風景の邪魔をしません。
大きな窓から広がる海沿いの町並みが美しい空間
大きく切り取られたような大きな窓が特徴的な2階部分。窓からは海や山などの自然が感じられ、広々としたお部屋のつくりと相まって開放感が感じられます。造り付けのポールによって、収納もスムーズに。
お部屋の小窓からのぞく海辺の町並みも風情があって、落ち着きのある借景に。
窓からのぞく風景も空間の一部分に
大きな窓から降り注ぐ光はもちろん、その先に広がる風景も空間の大きな要素になります。四季のある日本だからこそ、季節を感じられる接点は日々の暮らしに豊かさを与えてくれます。デザインや機能面はもちろん、自然との繋がりを大切につくられた魅力的な一軒です。
構造:木造/規模:地上2階/建築面積:225.52㎡/延床面積:100.53㎡