amare

木が持つ不思議な魅力。「casa amare(カーサ・アマーレ)」は木の奥深さに正面から向き合った住宅

学生時代、家探しをしている時にコンクリート打ちっ放しの家を見つけた。デザイナーズマンションとうたっており、見た目もシンプルでおしゃれ。一瞬ここでも良いかと思ったが、この部屋の中に一日中過ごすことを想像したら不思議ともの寂しい気持ちになった。そして、そのあとの内見で見た部屋を見てなぜか落ち着いたものだ。

普段から当たり前のように住宅の中に使われている「木」だが、部屋の中からその存在がなくなってはじめて、重要性に気がつく。何気なく目にしている木材が、私たちにぬくもりや落ち着いた空間を作り出している。今回は「木」に注目して、casaプロジェクトの住宅「casa amare」の特徴を見ていきたい。

美しく収められた三角形の秘密

愛すべき日本の家「casa amare」は、木の奥深さに正面から向き合った住宅。二階に取り付けられた三角形の窓はこのプロジェクトのために開発され、サッシメーカーと検討を重ねて生み出された。実はこれ、厳密には三角形ではなく台形なのだが、美しい三角形を描き出すために生み出された”三角形っぽさ”なのだ。

構造的にいえば三角形の頂点、そしてその頂点から伸びる二辺はなるべく梁より離れた方が都合が良い。しかしそれでは大変不恰好になるため、設計担当者や現場の腕の見せ所となった。結果、casa amareの三角窓はスマートに据えられ、家の中から梁や壁が窓の邪魔をせず、気持ちのいい願望をもたらしてくれたのだ。

木の香り放つ床材

おそらく家の中で木の香りをもっとも放つのは、床材。casa amareの床材には、厚さ30ミリの天然無垢材を使用。素足でそのやわらかさや適度な弾力を体感してもらうため、厚さ30ミリを選んだ。子どもの気持ちになって、素足の感覚を考えてみてほしい。素足で駆け回る時、学校の冷たい廊下よりもぬくもりを感じる木材の方が気持ちいいはずだ。

そしてその地域で育った木を使って建てることを大切にしているcasa amareでは、使われる木材の特徴もさまざま。産地や部位の違いによって色に特徴が生まれ、それが空間に豊かな表情をもたらしている。

また最近では、その殺菌能力や脱臭能力も話題に。シックハウス症候群などにも無縁の健康建材として注目されている。

木の歴史

柱には、強度が均一化された構造材である集成材が使用されている。引き板を重ね合わせることで木材の欠点をカバーし、安定した強度と品質を生み出す。集成材の特徴はその強度だけでなく、木目の美しさも挙げられる。

長い年月を経た歴史が木目に現れ、その幾何学的な模様があるからこそ、家の中にいながらも自然を感じることができるのだ。

もちろん人が暮らせば、少なからず子どものいたずらの痕や細かな傷が残ることもある。しかしそれも家族が暮らした痕跡であり、唯一無二の美しさとなっていく。

木の奥深さ感じる家

住む人にぬくもりや落ち着き、そして視線を感じさせる「木」。casa amareの家づくりにおいては、職人たちの智恵を絞り出し、木をより美しく、そして丈夫に取り入れることに成功した。

代々受け継がれ、年月を経るごとに良い味を吸収していく家。casa amareは100年経っても美しい家としてあり続けるだろう。

あべまなみ

あべまなみ

新潟県出身、横浜在住のフリーライター。中学時代にサックスを始め、自身もジャズを演奏することから、20歳のアメリカ留学時に単身でメンフィスとニューオーリンズへ。初めての一人旅で自分の可能性や新しい発見に出会える楽しさに気づき、その後「旅」にハマる。

2017年12月現在、渡航国は24カ国。好きなものはお酒といちご。

casa amare

日本の伝統美を手本にした

「受け継がれる家」