デザイナー・佐藤オオキが主宰する「nendo」によるタイ・バンコクのショッピングセンター。
手掛けるものは「クリップからショッピングセンターまで」と幅広く、今や世界のトップデザイナーとなった佐藤オオキ。常に400以上のプロジェクトを抱え、メディアにも引っ張りだこで今やデザイン業界だけでなく一般の層にも知れ渡る存在だ。
その佐藤オオキが主宰するデザインオフィス「nendo」がリニューアルを手掛けたショッピングセンターがタイ・バンコクにある。
「nendo」によるデザインのSiam Discovery
「nendo」がリニューアルを手掛けたショッピングセンターは、タイ・バンコクの中心街・サイアムにあるSiam Discovery(サイアムディスカバリー)。伊勢丹バンコクなど大きなショッピングセンターが集まり、近代化が進み人の流れも多い大型商業施設を全面リニューアルしている。
ユニークで開放的なファサード
リニューアルしたSiam Discoveryは、非常に閉鎖的な形態だった既存の建物に対して、ガラス張りの外部に対して開かれたファサードになった。また、内部にも採用されているユニークな「積層されたボックス」をパターンに使い、タイの強い日差しを和らげるとともに強烈なアイデンティティとなっている。
渓谷をイメージした吹き抜け
Siam Discoveryに訪れた人を建物の奥に誘い込むように流れを作る58mに渡る吹き抜けは渓谷をイメージ。ファサードにも採用されている202個のフレーム状の「積層されたボックス」で、縦の繋がりを作り出して縦方向の行動を喚起している。
奥へ奥へと誘い込む平面計画。
「積層されたボックス」のフレームはサイネージやディスプレイ、映像モニターも設置されている。
多様なブランドやライフスタイルをミックス
Siam Discoveryのユニークさは共用スペースのみにとどまらない。ショッピングセンターと百貨店を合わせて、公共性が非常に高い施設であるため一部のテナントを除いて、自主編集売場を全てデザインしている。多様なブランドやライフスタイルをミックスさせ、全体につながりを与え、来る者に対して刺激と発見を促している。
売場ごとに境目がなく、来場者が無意識のうちに回遊する。
ブランドのアイデンティティがフロアに溶け出し、来場者が気軽にショッピングを楽しめるようにデザインされている。
Siam Discoveryは、テナントで埋め尽くされている訳ではなく、抜けのある空間がところどころに存在する。そのことが施設自体の公共性を高め、来場者が思い思いに過ごすことができる。
階段に座っているユニークなキャラクターはnendoがデザインした「ディスカバリーマン」。
「Siam Discovery(サイアムディスカバリー)」は緻密に計算された商業施設であり、遊び心が溢れる楽しい場所だ。成長著しいタイ・バンコクで最も旬なデザイナー・佐藤オオキとnendoの空間を体験しよう。
Siam Discovery – サイアム・ディスカバリー
営業時間:10:00~22:00
電話:+66 2 658 1000
URL : http://www.siamdiscovery.co.th/
住所:Rama I Rd, Khwaeng Pathum Wan, Khet Pathum Wan, Krung Thep Maha Nakhon 10330, Thailand