寒さの厳しい冬も快適に。カナダで開発されたオフグリッドタイニーハウス
カナダの冬が厳しいことは、国が位置する緯度からも想像に難くない。だからこそタイニーハウスはそれほど多くないのでは?と思う人もいるだろう。しかし実際には、寒冷地向けのタイニーハウスがたくさん設計されているのだ。
今回ご紹介するのは、オンタリオ州トロントにあるGreenmoxieという会社が建てたタイニーハウス。寒冷地で快適に暮らせる工夫が施されているのはもちろんのこと、デザインにもこだわった家だ。
via : http://humble-homes.com
そもそも、Greenmoxieは、人間が与える地球への影響に対して責任を持ちたいと考え、再生利用すること(recycle)、付加価値のあるものに作り替えること(upcycle)に関する情報を雑誌やウェブサイトを通じて発信している会社だ。無駄遣いを減らし、消費を少なくし、必要以上に欲しがらないことを広めていきたいのだという。だからこそ、タイニーハウスムーブメントがGreenmoxieの目指す方向と一致することは当然の流れだったのかもしれない。
とはいえ、送電網や下水システムにつながれた、飾り立てたトレーラーでしかないタイニーハウスを造りたいわけではなかった。「高額な住宅ローンとは無縁で生きる」という考え方は、タイニーハウスを所有することへの付加価値ではあるが、主たる目的ではないと感じていたのだという。
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目指したのは、居心地良く過ごせる場所でありながら、持続的で、オフグリッドかつエコフレンドリーな家。だからこそ、革新的なデザイナーであるDavid Shephard氏のユニークな美的センスと、技量と独創性を併せもつ建築家であるIan Fotheringham氏の協力のもと、独自のタイニーハウスを造ることになったのだという。
タイニーハウスのサイズは、長辺方向9.1メートル、短辺方向2.6メートル、高さ方向4.1メートル、面積は31.5平方メートルだ。外壁は、杉板を焼いて火や害虫への耐性や保護性を高めた焼杉板を採用。一方の端は、跳ね橋のようになっており、降ろした状態ではポーチとして使うことができる。別の場所へ移動するときには、電動で上げておくこともできるのだという。
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内部は、再生材料を活用。1階は玄関の反対側の端にバスルームがあるため仕切りを設けてあるが、それ以外はオープンな空間だ。玄関から入ると、リビングルームがある。壁には棚が備え付けてあり、このタイニーハウスに合わせて作ったL字型ソファーも置いてある。ソファーのクッションの下は収納スペースとなっている。
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リビングルームとキッチンはひと続きだ。キッチンには一般的な住居にある設備が一式備えられている。階段を登るとロフトのベッドルームがあり、階段の下は収納スペースや冷蔵庫を置くスペースとして有効活用している。数か月続く厳しい冬の間も、キッチンにある小さな薪ストーブとリビングにあるプロパンヒーターのおかげで室内は暖かいそうだ。
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ロフトにはクイーンサイズのベッドを置けるスペースがあり、ベッドを置いてもさらに十分な余裕がある。
オフグリッドの装置も充実している。屋根には太陽電池が設置されており、家で使う必要な電気を供給することができる。200リットルの雨水を溜めることができ、浄水器や浄水を溜められるシステムもある。これらを実現するために、ソーラーシステムや雨水の集水器の専門家や、環境に優しい住宅を専門とする建築家に設計段階から相談したのだそうだ。
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見た目の良さと機能性を兼ね備えたタイニーハウス。この家を気に入って住みたいと思う人にとっても、休暇用の別荘やシェアハウスとして使いたい人にとっても、高騰する住宅価格や狭い住宅用地に対する解決策になるのではないだろうか。
via : http://www.greenmoxie.com/