国立新美術館“開館10周年記念”6万ピースの数字で彩られた美しいインスタレーション!
東京・六本木にある国立新美術館では開館10周年を記念し、6万ピースの数字が縦横に配置された色鮮やかなインスタレーション「数字の森」が展示され、見る人を楽ませてくれた。今回はそのもようをレポート。
乃木坂駅通路、石井尚志氏による映像インスタレーションでお出迎え。
千代田線の乃木坂駅から直結している国立新美術館。先ずはドローイングアニメーションという手法を用いる映像作家・石井尚志の映像インスタレーションがお出迎え。
エスカレーターの天井部分にプロジェクターで映像を映し出しているので、お喋りに夢中になっていると気がつかない方も。駅通路に映像を映し出すという斬新な発想だがとても自然に馴染んでいた
10年という時間を「10のグラデーション」で表現した、国立新美術館の10周年記念。
国立新美術館の10周年を記念したコンセプトは「10のグラデーション」。10段階の色が重なり濃度を増していくさまを現在までの10年と、これから先の10年を表現したものとなっている。デザインはクリエイティブ・ユニットSPREADが担当。
「創造」「光」「経験」「希望」「魅惑」「愛」「飛翔」「挑戦」「謎」「ヒューマニティー」をテーマとした10色展開になっており2017年の1年を通して新国立美術館を彩るという。
3次元で魅せるエマニュエル・ムホーの華やかな色彩の世界。
会場デザインを担当したのは、ABC Cooking Studioの空間デザインなど様々なプロジェクトを手掛けるフランス出身の建築家/デザイナーのエマニュエル・ムホー。「色切/shikiri」というコンセプトデザインに基づき“色で空間を仕切る・色で空間をつくる・三次元で色を魅せる”作品づくりを手がけている。
6万ピースの数字が三次元を彩る「数字の森」。
今回のこの何とも色鮮やかな「数字の森」は、国立新美術館を無色の箱に例え、美術をめぐる情報・資料・展示物・教育プログラムがその箱の中身を彩ってきたことから「100色」の色彩のインスタレーションとともに、国立新美術館の活動のすべてを体感してほしいというコンセプトのもと作られた。
作品は、紙でつくった0〜10までの数字を糸で縦につるし“10年”という時間を100列で表現。黄・ピンク・茶・緑・青・紫のグラデーションで1列ごとに異なる100色が使われ延べ約300人のボランティアと7日間かけて設営されたという。
国立新美術館にとって「大変珍しい」全展示の写真撮影OK!
驚くのは作品だけではない。国立新美術館では大変珍しく展示全体の写真撮影が許可されていた。これまで一部の作品で撮影を許可されたことはあっても展示全体が撮影できるのは今回が初。
ツイッターでは、2万リツイートを超える投稿が出るなどして話題になり「最高」、「きれい」などといった投稿や、インスタには工夫を凝らした写真がアップされ展示もようが拡散されている。
最近では、展示物の写真撮影を認める作品展もよくみられ、SNSの投稿をきっかけに美術館に訪れる人も少なくない。今回のこの「数字の森」もデザイナーのエマニュエル自身「SNSで作品に触れるきっかけになれば」と撮影を了承している。
どのポイントからの写真撮影も許可されていて、撮影する人によって新たな色彩や、アングル、表現方法が生まれるのは確かに面白い。アートと一体となったこの作品は、10周年記念にぴったりな、更に今後の国立新美術館の10年が楽しみとなる作品だった。