〝日本人にとって本当に美しい家〟を追求する「casa amare」が取り入れた大和比とは!?
日本人は古くから、丸でもない、四角でもない、三角の屋根の下で暮らしてきた。
三角に切り取れられた窓からこぼれる灯のなかに、思わず情緒的な何かを感じとってしまう。切妻・寄棟・入母屋など、斜辺が織りなす屋根の下に日本人の営みがあった。切妻は日本家屋の原型である。
「日本人にとって本当に美しい家とは何か」を追求し、辿り着いた絶妙な美しいバランスの〝切妻屋根〟。この美しい屋根に取り入れた「大和比」は一体どんな比率なのだろう。
安定感のある美しい比率、大和比。
皆さんは、黄金比という言葉はよく耳にすることがあるだろう。
黄金比を使った建造物では、エジプトやピラミッド、古代ギリシャのパルテノン神殿、ミロのビーナスなどの彫刻に用いられる、1 : 1,618のもっとも安定し、美しく感じられる比率だと言われている。
それに対して〝大和比〟は別名「白銀比」とも呼ばれる、1 : √2 = 1 : 1.414…で表される比率のことをいう。白銀比で構成された長方形は、長辺で2等分すると、元の白銀比の長方形と相似になる。
A4サイズをイメージしていただくとその比率を想像しやすい。黄金比も大和比もとどちらも安定した美しさがある。
日本の文化に根付く「1 : √2 = 1 : 1.414」の大和比。
日本の文化には大和比がたくさん潜んでいる。例えば平安京。平安京は綺麗な碁盤の目状の都市。碁盤の目の最小単位は、「町」と呼ばれ、120メートル四方の正方形だったそうだ。他に奈良の法隆寺、大阪の四天王寺の伽藍、金堂、ハガキや新聞など随所に隠れている。
日本は古くから木造建築だ。一本の丸太から効率よく木材を伐り出すには正方形が適し、寸法の測定に使用する「曲尺(かねじゃく)」という道具にも√2が登場する。
現代においても、人気のあるアニメキャラクターやアイドル、タレントの顔の比率などには白銀比当てはまるなど、無意識に安心感や親しみを感じている。
日本の伝統比を最大限に生かした「casa amare」。
「casa amare」がこの形に落ち着くまでには、数え切れないほどのデザイン案、図面が作成され、幾通りもの模型をつくって試行錯誤が繰り返された。
正面から見れば、何かのアイコンのように象徴的であり、斜めからみると屋根の斜面がシンプルに描き出され、見る人に強い印象を残す。真横に回れば正倉のような風情がある。
「日本人にとって本当に美しい家とは何か」を追求した「casa amare」が取り入れた、絶妙な美しいバランスの「大和比」。その端正な美しさは日本の伝統美が表現されている。