「casa cube」が目指すのは次世代のための住宅。消費型社会からストック型社会へ。
日本は、作っては壊す、使っては捨てるという消費大国だ。
日本だけに限らず、資本主義経済は次から次へとものが作られては消えてゆく。
それにより産業廃棄物の増加、CO2の排出拡大、引いては地球温暖化という事態を招いている。
住宅を作る時も同様で、大きなエネルギーの消費はどうしても避けることができない。
そんな中、住宅業界では経済的にも環境的に質の高い「ロングライフ住宅」が求められるようになった。
「いいものを造り、きちんと手入れし、永く使うこと」ということ。
欧米では、洋服やジュエリーなど、上質な素材を使い修理したり、仕立て直して代々受け継ぎ、何代にも渡って使用したりする。
時には、その時代にしか採取できない素材や原料でつくられたものに、高値が付くこともある。
またその、昨日今日では培えない職人(プロ)の仕事をとても大切にしている国もある。
家や建物も同様で、ライフスタイルに合わせてリフォームされ、子や孫の世代まで大切に受け継がれてゆく。
そしていつの時代でも色あせないのはシンプルなデザインだ。
性能が将来まで持続する建材や資材を応用するのは、長い目で見ると人にも環境にも優しい。
日本にもそういった文化はある。
代表的な例をあげると、地形を考えて作られた京都の街並みや建物、伊勢神宮の「足すところ引くところもない」といわれる完璧なデザイン、今も尚多くの人に愛されるこの建物や街並みは「ロングライフ」その考えに通ずるのではないだろうかと個人的には感じる。
寺院や仏閣は規模が大きすぎてなんだかしっくりこないかもしれないが、日本のこれからの住宅はこの縮図だ。
考え方には大きいも小さいもない。
国や時代を越えて人々に指示される「ロングライフ住宅」の考えは伝統的であり、進歩的な考えのように思う。
「いいものを造り、きちんと手入れし、永く使うこと」は、きっと私たち日本人のDNAに組み込まれていのではないかと感じる。
環境にも、人にも負担がかからないcasa cubeの『長持ち』の工夫。
地震大国日本は、ヨーロッパの国々のように古いものを残すのには大変な地形かもしれない。
けれど、だからこそ耐震性に優れた家が開発され昔よりもずっと家が長持ちする構造に進化しているはずだ。
それなのにメンテナンスのスパンが短かかったり、せっかく作った家を、作っては壊し、新しいものを建てるという、環境の面を考えてもコストの面を考えても、決して賢い選択とは言えない現状に、既存の考え方を変えるコンセプトを打ち出したのがcasa cubeプロジェクトだ。
casa cubeには、寒暖の差があっても快適に過ごす断熱工法、構造躯体の強い四角い家だからこそ強化される耐震性、湿気のある日本だからこそ考えられた通気性や機密性、なかでも特徴的なのが「四間真四角」を基本とした建材に無駄のない効率的な家造りだ。
少ない敷地面積でも採光するつくりは、南向きにこだわる必要がない。
価格の安い北向き・狭小地・変形地に建てることもできる。
寸法の決まった建材なら無駄に切り落とす箇所も少なく、エコにもつながる。
シンプルなデザインは、如何様にも部屋の表情を変えることができ、結果的に使いやすく、飽きがこない。
casa cubeには、随所に『長持ち』の工夫が施されている
「消費型の社会からストック型の社会」へ。
casa cubeは、自然に学び、季節に学び、土地活用することからプランを考えるなど、地球に負担をかけない家ずくりを行っている。
冒頭にあげたように〝産業廃棄物の増加、CO2の排出拡大、引いては地球温暖化という事態〟は、大げさなことではなく、現実におこっていることだ。
もっと、現実なことをいうと〝資源には限りがあり、土地にも限りもあり、今の日本経済の状況から考えて、一世帯がかけられるコストも限られている。〟
資本主義経済に消費は重要かもしれない、けれどエネルギー資源には限りがある。
このまま使い続けてはいつかは無くなる。
それが、現実だ。
消費者も本当の意味で賢くならなければならない時代がきたのかもしれない。
今いる人間の一番重要な役割は「次の世代に受け継ぐ」ことだ。
しかし、それはただ単に維持をするだけではない。
時代にあわせてリフォームしたり、アレンジしたり〝有るもの〟を使いながら新しいモノを作り、時代とともに変化し、進化する。
これからは、知恵と工夫が求められる時代だと感じる。
casa cubeはさらなるロングライフ住宅を目指して「消費型の社会からストック型の社会」へ、知恵と工夫を重ねる。