アートとアクティブが巧みに同居する欲張りなcasa cube
2歳と4歳というやんちゃ盛りの2人の男の子と、2匹のミニチュアダックスがいる森岡家はいつも賑やか。2人と2匹は、毎日家の中を駆け回っているそうだが、casa cubeのスタイリッシュな外観そのままに、家の中もすっきりと片付いている。単に部屋がきれいに整頓されているというのではなく、非常にアーティスティックな空間になっているのだ。森岡家では、「子育て中&ペットのいる暮らし」と「アートな生活空間」をどうやって共存させているのだろうか。
もっともアートな空間は、2階のバルコニーから見る空
訪れた人から「芸術作品のよう」と言われることがあるという森岡家。その象徴といえるのが、2階の3分の1の広さを占める広大なバルコニーだ。子ども達やワンちゃん達が自由に走り回れるだけのスペースを確保しつつ、白い壁に囲まれたバルコニーから見上げる空は、白い額に入った一幅の絵画のように見える。
「ジェームズ・タレルの作品のようだね」と言った人もいるそうだが、ジェームズ・タレルは光そのものをアートとして表現する芸術家。森岡家のバルコニーから見る空にはそれほどアーティスティックだということだ。夏の抜けるような青空も、冬枯れの空も、季節ごとに表情を変える空が見せてくれる天然のアートは、この家の自慢だ。
壁面に飾られた大きな絵画が、美術館のような雰囲気を醸し出す
バルコニーで天然のアートを堪能して室内に入り、階段を下りると、真っ白な壁面の一角を占める巨大な絵画が目に飛び込んでくる。
中学校教師をしているご主人・亮さんの同僚の美術の先生が、新築祝いにと贈ってくれたものなのだそう。
高知市のメインストリート「帯屋町筋」をモチーフにしたという作品は、幅2.3メートルもある大きさだが、黒を基調にしており、白い壁によく映える。「この絵を吊るすためのレールは、工務店の方にお願いしてつけてもらったんです。おかげで本物の美術館みたいでしょ。」と奥さんのあさみさんは満足げだ。
子どもがいても、ペットがいても、壁面まではそうそう触れない。その安全地帯を使って室内でもアートな空間を確保してあるのだ。
独立型キッチンも、生活感を見せないポイント
1階は広々としたワンルームになっているが、キッチンは独立型になっている。小さい子どものいる家はカウンター式を選択することが多いように思うが、森岡家のキッチンは、リビングからは目に入らない。仮に視界に入ったとしても、壁面収納の多いすっきりとしたキッチンは煩雑に見えることはないだろうが、日々の調理をしていればやはり食材や調理器具が表に出てしまうこともある。これから子ども達が育ち盛りになってくればなおさらだ。ならば、割り切って外からは見えないキッチンのほうが、料理を楽しめるに違いない。
キッチンの奥には明かり取りにもなる勝手口もあり、調理台の前にも窓があるため、明るさも確保されたキッチンは独立型でも狭苦しくなく、あさみさんのお城、といった雰囲気だ。
ガレージが見える大きな窓が、リビングに開放感を与えてくれる
森岡家の1階は、大きく3つのスペースに分かれている。家を正面から見て一番左側はガレージ。一番右側は、玄関があり、その裏にはバスルームやキッチンなど水回りがコンパクトにまとめられている。そして、真ん中を占領しているのが、家族で過ごす時間がもっとも長いリビングダイニングだ。
ダイニングは吹き抜けになっているので、天窓から光が入り、明るさは十分にある。しかし、リビングの上は2階のフリースペースになっているので天井があり、ダイニングほど直には光が射し込まない。おまけに、casa cubeの特徴であるスリット窓もリビングにはない。が、その代わりにガレージが見える大きな窓が設えられている。この窓のおかげで、リビングには横から光が入り明るく、また開放的な印象になっている。
屋内ガレージは、車好きの亮さんの希望だったそうだが、casa cubeにはあまりない大きな窓という副産物もあり、子ども達が長く過ごすリビングはいちだんと明るい空間になった。
壁面の白いサイドボードも、テーブルも低めのフラットなものを選び、子ども達がのびのびと走り回れるリビングを実現している。
お隣さんもcasa cube。スタイリッシュな町の一画に大満足!。
「ほかのどの家を見てもぴんとこなくなってしまった」というほど、casa cubeの外観にほれこんでしまったという森岡さん夫妻。それだけにお隣さんもcasa cubeというこの一角の風景には大満足だという。
「お向かいにも建つといいね、と隣の奥さまとよく言ってるんです。」とあさみさん。
それくらい、casa cubeのスタイリッシュなデザインを気に入っている。
「しかも、住んでみると機能性も抜群によくて、子どもやペットといっしょでも無理なく暮らせる。子ども達も、家中が遊び場だと思っているようです。」
美術館かと思うようなアートな空間と、子どもとペットが駆け回るアクティブな空間を、白く四角い箱の中にうまく同居させた森岡家。
子どもとベットのいる家では難しいと思われるアートな生活空間を、あきらめることなく、無理なく実現できるというcasa cubeのもつ可能性と包容力を非常に感じさせてくれる家ではないだろうか。