
アルネ・ヤコブセンの白い街・ベルビューにオマージュを捧げたテーブルクロック『Station Bellevue』が登場
世界的巨匠アルネ・ヤコブセンのデザイン史に新たな一章を刻むテーブルクロック、『Station Bellevue(ステーションベルビュー)』が、初回生産限定2000台で登場します。この新作は、ヤコブセンが1930年代に手がけたベルビューの「白い街」へのオマージュとして、コレクション史上初のマットホワイトケースを採用。機能主義建築の静謐な美を体現したこのテーブルクロックは、空間に特別な存在感を放ちます。
アルネ・ヤコブセンの原点に立ち返る限定モデル『Station Bellevue』

20世紀のデンマークが生んだ世界的巨匠アルネ・ヤコブセンのデザイン哲学を色濃く反映した新作テーブルクロック、『Station Bellevue(ステーションベルビュー)』が、2025年10月10日(金)に初回生産限定モデルとして発売されます。
この特別なテーブルクロックは、コペンハーゲン北部に広がる「アルネ・ヤコブセンの白い街」と称される建築群へのオマージュとして誕生しました。

この「白い街」は、1930年代にヤコブセンがクランペンボー・ベルビュービーチ一帯で手がけた大規模リゾート開発の結晶であり、デンマーク機能主義建築の重要なマイルストーンです。

具体的には、ベラヴィスタ集合住宅(1934年)、ベルビューシアター(1936年)、そして現在も観光名所であるテキサコ・ガスステーション(1937年)など、象徴的な4つの建築物群で構成され、白い外観、機能的なレイアウト、鮮明なキュビズム的形状が特徴です。
参考:コペンハーゲン近郊の「ベルビュー・ビーチ」にあるアルネ・ヤコブセンが手掛けた美しい建築群

これらはドイツのバウハウスやル・コルビュジエが提唱したモダニズム建築の初期の傑作とされています。新作テーブルクロックである『Station Bellevue』は、この壮大なモダニズムのビジョンを手のひらサイズに凝縮したかのような存在です。

全世界で初回生産限定2000台という極めて貴重なコレクションであり、アルネ・ヤコブセンのファンやモダニズム建築愛好家にとって、彼のデザインの原点、すなわち「白」という色彩と機能主義への回帰を象徴するアイテムとなるでしょう。次回の生産は未定であり、この特別なテーブルクロックは、まさにヤコブセンの歴史のエピソードの一部を手にできる機会を提供します。
参考:世界一有名なガソリンスタンド!?アルネ・ヤコブセンが手掛けた「テキサコ・サービス・ステーション」
空間に静謐な美をもたらす建築的デザイン

アルネ・ヤコブセンのテーブルクロックコレクションにおいて、今回の『Station Bellevue』はいくつかの点で画期的な試みを行っています。最も注目すべきは、コレクション史上初となる「マットホワイトケース」の採用です。このマットな質感は、ベルビューの建築群が持つ、清潔感と静謐な雰囲気を完璧に再現しています。従来のテーブルクロックは、色のコントラストや光沢で存在感を際立たせていましたが、『Station Bellevue』は、ケース、文字盤、針に至るまで、全てが統一された白のトーンでまとめられています。
このオールホワイトのデザインは、単に色を統一しただけでなく、テーブルクロックを置かれた空間の一部として、静かで建築的な美しさをもたらすことを意図しています。文字盤に刻まれたフォントは、ヤコブセン自身がデザインしたStationのオリジナルフォントをベースにしつつ、全体の白のトーンに溶け込むよう調整されており、視認性とデザイン性が高い次元で両立しています。
また、このデザインのルーツは、機能主義建築の思想に深く根差しており、無駄を削ぎ落とし、純粋な色と形で空間を構成するというヤコブセンの建築観が、テーブルクロックというプロダクトスケールに見事に落とし込まれています。
Station Bellevueは、時を刻む道具としての機能性を持ちながらも、まるでヤコブセンの白い建築のミニチュアのような、特別な存在感を放ちます。この特別なデザインと限定性から、Station Bellevueは、アルネ・ヤコブセンのコレクションの中でも特に高い価値を持つテーブルクロックとなることは間違いありません。
「ベルビューの白い街」を形成したモダニズムのビジョン
アルネ・ヤコブセンの「白い街」と呼ばれるベルビューの建築群は、偶然の産物ではありません。彼のデザインキャリアにおける「白」へのこだわりは、彼の幼少期にまで遡る、先見的な感性に基づいています。彼は裕福な中流階級の家庭に生まれましたが、当時の一般的なヴィクトリア様式の装飾的な空間に囲まれた生活を送っていました。しかし、幼いヤコブセンは、自分の寝室のヴィクトリア朝の壁紙を、子供の絵や落書きではなく、「部屋の壁全体を白く塗ることを決めて」白い部屋に変身させたと伝えられています。
20世紀初頭において、白い壁はまだ一般的ではなく、彼のこの行動は、いかに彼が当時からモダニズムの思想、すなわち装飾を排したシンプルで機能的な美を本能的に求めていたかを示すエピソードです。数十年の時を経て、この幼少期の「白い部屋」への渇望は、クランペンボー一帯の「アルネ・ヤコブセンの白い街」という壮大な建築群として具現化されました。
『Station Bellevue』というテーブルクロックは、このヤコブセンの人生における「白」を巡る壮大な物語と、彼のモダニズムのビジョンを手のひらに乗せることを可能にします。このテーブルクロックは、単に時刻を示すだけでなく、アルネ・ヤコブセンの哲学、そして彼が世界に残した不朽の建築遺産への想いを伝える、深い意味を持つプロダクトと言えるでしょう。この限定モデルの発売は、ヤコブセンのテーブルクロックコレクションに、新たな歴史の1ページを刻むことになります。
時を超えて愛されるヤコブセンのデザイン
アルネ・ヤコブセンのテーブルクロック『Station Bellevue』は、ヤコブセンの幼少期からの「白」へのこだわりと、ベルビューのモダニズム建築のビジョンを結実させた限定モデルです。マットホワイトのケースと統一された文字盤は、時を超えて愛される彼のデザイン哲学を象徴しています。全世界2000台限定の貴重なこのテーブルクロックは、アルネ・ヤコブセンの不朽の遺産をあなたの手元に置く、絶好の機会となるでしょう。