くまもとアートポリス関連の作品も多数!安藤忠雄や山本理顕、伊東豊雄など、熊本の有名建築10選!
熊本県は1988年からる建築や都市計画を通して文化の向上を図ろうというコンセプトの事業「くまもとアートポリス」が行われていることもあり、非常に建築に対しての意識の高い地域と言えます。
1.熊本駅/安藤忠雄・西沢立衛・佐藤光彦
2019年に新駅舎がオープンした熊本駅は、世界的建築家でもある安藤忠雄による、熊本城の石垣の「武者返し」をモチーフにデザインされた外観の建築です。
また、東西の広場のデザインもユニークです。東口広場は西沢立衛、西側広場は佐藤光彦によって設計されています。それぞれ、機能的であると同時に訪れる人の待合や活動の場所として上手く機能しています。
熊本駅
住所:〒860-0047 熊本県熊本市西区春日
2.熊本中央警察署/篠原一男
鏡貼りの逆三角形のような建築の旧熊本北警察署、現熊本中央警察署は、くまもとアートポリス関連事業として、篠原一男が設計した警察署建築です。この時期の熊本の警察関連の建築は、おもしろいものが多いですが、その中でもこの熊本中央警察署は、非常にユニークです。堅苦しいイメージのある警察署ですが、誰の目にもとまるこの外観は、親しみやすさを感じさせてくれます。
熊本中央警察署
住所:〒860-0843 熊本県熊本市中央区草葉町5−13
3.熊本県営保田窪第一団地/山本理顕
熊本県営保田窪第一団地は、2024年に建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞を受賞した建築家・山本理顕が最初に手がけた集合住宅建築。くまもとアートポリス関連の建築でもあり、各住戸が中央広場を囲むように配置されていて、常に外部と接することができるようにおり、110世帯全員のふれあいの場になるように期待されて作られています。山本理顕のコミュニティを創出する建築の原型とも言えるでしょう。
熊本県営保田窪第一団地
住所:〒862-0924 熊本県熊本市中央区帯山1丁目28−1
4.熊本県立美術館 本館・別館/前川國男
熊本城に隣接した土地に建つ熊本県立美術館は、ル・コルビュジエに師事した建築家・前川國男が手がけた建築です。周囲に溶け込みヴォリュームを抑えた外観でありながら、熊本城址の緑を身近に眺めながら大きな開口部のあるロビーの中に点在する彫刻を鑑賞できます。日本のモダニズムらしい内部空間も素晴らしい空間体験を与えてくれます。
熊本県立美術館
開館時間:9:30~17:15
休館日:月曜日
URL:https://www.pref.kumamoto.jp/site/museum/
住所:〒860-0008 熊本県熊本市中央区二の丸2
5.八代市立博物館・未来の森ミュージアム/伊東豊雄
広い公園の小高い丘の上に建つ「八代市立博物館・未来の森ミュージアム」は、くまもとアートポリス関連事業で建築家・伊東豊雄が設計した建築です。メタリックな屋根と天蓋で覆われた建築は非常に軽やか。建物の上に見るタンクのようなものは、建物の4階部分にあたり、中は収蔵庫になっている。正倉院がモチーフであり、古代の日本を感じさせてくれます。
参考:熊本・八代にある伊東豊雄による「くまもとアートポリス」関連のユニークな2つの建築
八代市立博物館・未来の森ミュージアム
住所:〒866-0863 熊本県八代市西松江城町12−35
6.熊本県立装飾古墳館/安藤忠雄
山鹿市にある「熊本県立装飾古墳館」も世界的建築家・安藤忠雄による建築で、安藤忠雄らしい幾何学的造形とコンクリート打ち放しが特徴的。幾何学的な古墳をモチーフにすることは、安藤忠雄やこの施設にとって自然なこと。車場から静かで緑豊かな森を通り抜けてアプローチする動線や古墳のように地下や祠のような雰囲気すら感じます。
熊本県立装飾古墳館
開館時間:9:30~17:15
休館日:月曜日
URL:http://www.kofunkan.pref.kumamoto.jp/
住所:〒861-0561 熊本県山鹿市鹿央町岩原3085
7.石打ダム資料館/入江経一+Power Unit Studio
石打ダムに隣接し、ダムの役割や仕組みを学習させるための施設である「石打ダム資料館」もくまもとアートポリスの建築で、設計は篠原一男にも師事した多彩な才能を持つ建築家・入江経一。展示ホールと展望ロビーの二つのヴォリュームを組み合わせた建築で、円柱を横にしたガラスの展望ロビーからは、周囲の自然をパノラマで体験することができます。展示ホールの湾曲した壁面など造形的に非常にユニークな建築と言えるでしょう。
石打ダム資料館
営業時間:土・日曜日・9:00~17:00
URL:https://www.city.uki.kumamoto.jp/kankobunka/sonota_kanko/2009292
住所:〒869-3204 熊本県宇城市三角町中村3629−2
8.喫茶・竹の熊/下川徹
美しい里山に囲まれた南小国町の田園風景の中に現れる「喫茶・竹の熊」は、建築家・下川徹設計のカフェです。里山の風景の中にずっと昔から存在しているような建築で、ランドスケープとも一体となったデザインは、美しいの一言で表すことができるでしょう。陽の光によって刻々と移り変わる水面の煌めきが、この建築とランドスケープを幻想的に照らします。もちろんカフェなので、この場所で一息つくこともできます。
参考:阿蘇山嶺の美しい里山に溶け込む、まちの風土を五感で味わえる喫茶室「喫茶・竹の熊」
喫茶・竹の熊
営業時間:11:00~16:00
定休日:木・金曜日
URL:http://takenokuma.jp/
住所:〒869-2401 熊本県阿蘇郡南小国町赤馬場2041
9.不知火文化プラザ/北川原温
不知火をモチーフにしたルーバーのスクリーンが95mも続く、長い建築でもある「不知火文化プラザ」は、美術館と図書館が一緒になった総合的な文化施設。建築家・北川原温による設計で、強い日差しを遮るルーバーのスクリーンとそれに調整された自然光が注ぐ内部空間が非常におもしろい建築です。フラットな空間が続く内部空間は、フレキシブルで端正に作られたインテリアで市民にも受け入れやすい施設として丁寧にデザインされています。
不知火文化プラザ
開館時間:9:00~21:00
URL:https://www.museum-library-uki.jp/
住所:〒869-0552 熊本県宇城市不知火町高良2352
10.宇土市立宇土小学校/小嶋一浩+赤松佳珠子/CAt
くまもとアートポリスの一貫として行われたコンペで最優秀に選ばれ実現したのが「宇土市立宇土小学校」です。学校建築を多く手がける小嶋一浩+赤松佳珠子/CAtが手掛けました。内部と外部、教室と廊下など相反する要素をつなぎ、往来させるような設計が生かされ、従来の小学校建築とは一線を画した建築となりました。
宇土市立宇土小学校
住所:〒869-0452 熊本県宇土市高柳町104−1
九州の中でもユニークな建築が数多く点在する熊本
熊本は、豊かな自然と歴史的な建造物に加え、著名な建築家たちが手掛けた現代建築の宝庫でもあります。特に「くまもとアートポリス」は、磯崎新を初代コミッショナーに迎え、安藤忠雄や伊東豊雄氏、山本理顕といった日本を代表する建築家たちが参加し、数々の名建築を生み出してきました。自然と調和した建築、革新的なデザイン、地域に根差した建築など、多様な魅力を持つ建築群は、建築ファンのみならず、アートやデザインに興味がある方、熊本を訪れるすべての方にとって見逃せないスポットです。熊本の建築を巡る旅に出かけ、その奥深い魅力に触れてみませんか?