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インターナショナルな交流によって新しい時代の幕開けを感じさせた DESIGNART TOKYO 2023
今年で7回目となる日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO(デザイナート トーキョー)」が10月下旬の約1週間、今年も東京を舞台に都内各所にて開催されました。今回は「Sparks~思考の解放~」をテーマに、108展示、83会場に世界中から作品・コンテンツが集結。来場者を含むクリエイター・作品が世界中から集結し「東京の街が美術館となった10日間」のハイライトをレポートします。
最新のデザイン・クリエイティブを堪能「DESIGNART GALLERY」
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国内外から集まった最新のクリエイティブを集めた展覧会「DESIGNART GALLERY」。
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会場では注⽬の若手デザイナー進藤篤⽒による、コロナ禍で大量に消費され、行き場をなくしたアクリルパーティション板を再利用したインスタレーション「OVER DUST」が、約500㎡の空間を彩りました。
プラスチック素材と色について考えるブランド Original Kolor Designによる廃棄材料を使用したネームプレートのワークショップは連日多くの参加者で賑わいを見せました。
デザインとアートを横断した、見て楽しい紙の食器「WASARA」と家具メーカー「maruni」によるインスタレーション「パーティテーブル」はポップで可愛らしい雰囲気に。
ほか、制作過程で生まれるコンクリート素材の余剰を活かした「RECONC」の新しいスツールbeautiful surplus等の展示作品や
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“B&B Italia”や”Paola Lenti”のアウトドア家具で構成されたSANLORENZO LOUNGEなど、連日最新のクリエイティブを体験し、楽しむ多くの来場者が見られました。
ASIA CREATIVE RELATION 「A NEW HORIZON」
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毎年、時代の先を行くテーマを設け注目を集めるオフィシャルエキシビション。
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今年は”A NEW HORIZON”をテーマに、2050年という未来を見つめ、アジアの未来のスターデザイナーが集結する展示「ASIA CREATIVE RELATION」を開催しました。
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キュレーターのスージー・アネッタ(アジア太平洋地域のデザインメディア「Design Anthology」創刊編集長)は、私たちが何と、どのように、なぜ、共に暮らすことを選ぶのかという問題を表す、4つのチャプター「バイオモーフィズム」、「アップサイクル」、「新しいベル・エポック」、「未来の伝統」に分類し作品を展示しました。
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会場は青山通りに面した全面ガラスのファサードを持つワールド北青山ビル。建築家・石田建太朗により、都市的な空間に熱帯植物を約300鉢集められ、迫力ある自然環境を創出しました。石田は、テクノロジーの発展とともに人間らしい原始的な風景を取り戻してゆくことに期待し、敢えてこの自然環境という空間を提案しました。これらの植物は廃棄せず、終了後はマーケットの流通に戻していくという、好循環を生み出す空間づくりとなっています。
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ファサード前にはオフィシャルカーの新型クラウンCROWN“SPORT”およびCROWNを展示。会期中はDESIGNART TOKYOのロゴを纏った2台のCROWN“CROSSOVER”が東京の街を巡回しました。
「思考の解放」のテーマに沿った挑戦的な作品群
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今回はテーマである「思考の解放」のもと、若いクリエイターの実験的、挑戦的な作品が際立ちました。
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今年は若手支援プログラム「UNDER 30」のエントリー数も大変多く、勢いを感じる年となりました。
アートコンシャスな照明作品
2023年は照明器具の展示会「エウロルーチェ」がミラノデザインウィークで開催されたこともあり、従来の発想から一歩踏み出したアートのような佇まいのユニークな照明作品が数多く見られました。一部をご紹介します。
h220430 Satoshi Itasaka / Balloon Rantan
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-Diversity of Light, POPCORN / Fly a light “TAKO”
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HaKU Design Studio
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歴史とクラフトマンシップを感じるプレゼンテーション「FLEXFORM / Portraying Design」
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今年4月にミラノで開催された、FLEXFORMのアイデンティティと個性を築き上げてきたシグニチャーフォトと、プロダクトを通してそのストーリーが語られる展示「Portraying Design」が、FLEXFORM TOKYOにて行われました。80年代から現代に至るまでの時系列に沿い、写真家4名によって撮影された広告キャンペーン写真の数々が大型パネルに再現され、FLEXFORMのタイムレスなスタイルを印象づける旅へと誘う、大胆なエキシビションとなりました。
注目の展覧会でアートを堪能
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愛知県を拠点とするアーティスト多田圭佑の個展が、MAKI Gallery / 表参道とGallery COMMONにて同時開催されました。MAKI Galleryでは「Phantom Emotion」と題し、フィクションの世界と関わりたいという欲望や希望、同時に二つの世界に存在する確固とした断絶を突きつけられる切なさや孤独感が共存した《残欠の絵画》および《Heaven‘s Door》シリーズを展示。
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Gallery COMMONでは「Rhizomed Material」と題して、タイルや木製の床板、金属製の引き出しや鎖などがグリッチ状に組み合わさって見える立体的な作品で、実際にはアクリル絵具のみによって作られている《trace/dimension》シリーズを展示。合わせて約100点を超える新作のペインティングで構成される、過去最大規模の展示となりました。
トークイベントやワークショップなど多彩なイベントを開催
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会期前に行われたTokyo Midtown DESIGN TOUCH 2023での“DESIGN TOUCH Talk Salon”をはじめ、会期中には、Apple 表参道にてToday at Appleトーク「スージー・アネッタと考えるアジアが変えるクリエイティブ産業の未来」、PechaKucha Night x DESIGNART Tokyo Special、Espace Louis Vuitton Tokyo スペシャルワークショップを開催するなど、多彩なイベントが行われました。
インターナショナルな交流と活気が高まった10日間
今年は本格的に渡航制限も解除され、クリエイターを含む海外からの来日も多くなり、インターナショナルな交流と、会期中の街の活気の高まりを感じることが出来ました。開催初日のDESIGNART GALLERYでのレセプションパーティや、会期後半に、今年オープンし注目の「FENDER FLAGSHIP TOKYO」にて行われたオフィシャルパーティなどを通して、出展者、関係者を含む多くの方々の交流が行われました。
< DESIGNART TOKYO 2023 開催概要>
会期:2023年10月20日(金)〜10月29日(日)
エリア:表参道・外苑前・原宿・渋谷・六本木・広尾・銀座・東京
主催:デザイナートトーキョー実行委員会
発起人:青木昭夫(MIRU DESIGN)/ 川上シュン(artless)/ 小池博史(NON-GRID)/ 永田宙郷(TIMELESS)/ アストリッド・クライン、マーク・ダイサム(Klein Dytham architecture)
オフィシャルWEBサイト:https://designart.jp/designarttokyo2023/