ゲストとの時間も楽しめる居心地の良い3世帯の住まい「家族がゆっくり過ごせるヌックのある家」

核家族化が進み、「親+子」の形が主流になった現代の暮らし。そんな中で最近では共働き家庭が増えたことにより、祖父母の協力が得やすい「三世帯住宅」も注目を集めています。思い出の土地に建て替えた、家族が集う住まい「家族がゆっくり過ごせるヌックのある家」は、3世帯同居の住まい。それぞれの家族が緩やかに繋がりながら心地よく住まう工夫が詰まった空間には、これからの住まいづくりに欠かせないヒントが散りばめられていました。

ゲストとの時間も楽しめる3世帯の住まい

 

母屋の建て替えによる今回の計画は、元の住まいより面積が減る為、絞った暮らし方の提案が必要に。オーナーのお父様は会社経営されている事もあり、スタッフやゲストが集うことも多く、まざまな人の一つのよりどころとしての機能も意識し、家族の日常生活と合わせて人が集まった際も楽しめるような構成が導かれました。

思い出の土地に建て替えた、家族が集うシンプルモダンな空間

所々に配された形の異なる窓がアクセントになった白い箱形の外観。柔らかなライトグレーの色味に直線が活きたシンプルモダンな印象です。

玄関扉を開けると広がるのは、床にデザインコンクリートをあしらったシンプルですっきりとした玄関。

天井までの大きな姿見で、お出かけ前の身だしなみチェックもスムーズに。壁面収納は壁の色と合わせてホワイトにまとめることでより広々とした雰囲気にまとめています。

大家族の食事準備もスムーズに進む広々としたキッチン

玄関からのびる廊下を進むと現れるキッチン。

レッドシダー無垢材の下がり天井がアクセントに。

折り上げ部分に仕込まれた間接照明によって、高級感ある仕上りとなっています。

キッチンカウンターの腰壁にも木目を取り入れることで、あたたかな温もりが感じられる落ち着いた雰囲気に。

キッチンカウンターと背面の食器棚との間を広めに設けることで、大人数での食事の準備もスムーズに進みます。

すっきりとしたフルフラットキッチンはスタイリッシュで洗練されたデザイン性はもちろん、カウンターの拭き掃除が楽になるなど機能面もバッチリ。

家族と繋がりながらもひとり時間も楽しめるヌックのあるリビング

キッチン前のリビングは大きな窓から差し込む光が心地よい空間に。

リビングの一角にはこの住まいの最大の特徴である「ヌック」を配置。

ヌックとは、「温かくて心地のよい場所」という意味の「neuk(ヌーク)」からきた「こぢんまりとして居心地のよい空間」のこと。ヌックの広さは2~3畳ほどのコンパクトな空間でつくるのが一般的です。壁やドアで仕切らず、段差や素材の違いなどでゆるやかにゾーニングするため、家族やゲストがその時々に合わせてフレキシブルに使えるのが特徴です。

腰掛けるスペースとしてはもちろん、読書などの趣味を楽しんだり、ティータイムに腰掛けたり、お昼寝したり。それぞれが自由にくつろげる場です。

さまざまな用途に活躍するヌックが毎日に彩りを添える

コンパクトなLDKの窓際に設けられたヌックスペースが、空間にあそびをもたらす「家族がゆっくり過ごせるヌックのある家」。緩やかに繋がりつつ、一人の時間も楽しめる篭り感の心地よいスペースは、家族はもちろんゲストにとっても息抜きとなるような、癒しのスポットとなりそうです。

後編:効率的な家事導線と大きな収納が大家族の暮らしを支える3世帯の住まい「ヌックのある家」