「楽しむ気持ちを忘れない」銭湯はしご酒研究家・湯あがりコーラクリエーターの木村歩さん

東京・神奈川を中心地に銭湯からのはしご酒をライフワークとし、クラフトコーラも自作している「銭湯はしご酒研究家・湯あがりコーラクリエーター」の木村歩さん。

今回はそんな木村さんにご自身のことや、銭湯はしご酒研究家の活動内容、クラフトコーラについて様々な角度からお話を伺いました。

昔ながらの銭湯のデザインが好き

はじめに、木村さんが暮らしの中で大切にしているデザインについて伺いました。

「昔ながらの銭湯のデザインが好きですね。例えば天井の高い脱衣所や、大浴場にある富士山のペンキ絵など要素がありすぎて挙げたらキリがないんですが、銭湯全体のデザインが大好きです。」

好きな空間は銭湯と大衆酒場

続いて、木村さんのお好きな場所や空間はどこでしょうか?

「先ほどもお伝えしたのですが、やはり昔ながらの銭湯が大好きです。あとは、コの字カウンターがあるような大衆酒場も好きですね。」

木村さんは神奈川県ご出身ということもあり神奈川県発祥のキリンビールと、シメサバやキビナゴの光物のお刺身をアテにしながら飲むことが多いそうです。

「銭湯はしご酒研究家」を名乗るきっかけ

肩書きである「銭湯はしご酒研究家」を名乗るようになったきっかけについて教えてください。

「自分の活動を分かりやすく伝えるために、“銭湯はしご酒研究家”を名乗り始めました。20代の頃に風呂なしアパートに住んでいたのですが、そこから徒歩圏内に銭湯が3~4軒あったんですよね。そこから銭湯に行くことが、暮らしの中の一部になりました。そして2018年から鎌倉のゲストハウスで働くようになり、お客様を誘って銭湯に行きハシゴ酒をするようになったんです。その頃からこの活動を始めました。」

また主な活動内容は、銭湯からはしご酒の写真や感じたことをSNSで発信をしたり、銭湯はしご酒ツアーを主催していることだそうです。

銭湯の魅力について

木村さんが感じる銭湯の魅力はなんでしょうか?

「暮らしに寄り添ってくれているところだなと思っております。1人でゆっくりもできるんですけど、その中でも“周りに人がいるよ”という心地よい距離感がある中で安心できる場所ですね。僕にとってもそうですし、訪れる人の寄りどころになれるところが銭湯の魅力かなと思います。」

印象に残っている2つの銭湯

木村さんが印象に残っている銭湯があればぜひ教えてください。

「絞るのが難しいのですが、1つ目は横浜にある恵びす温泉さん。様々なお湯が楽しめるので初めて銭湯に行く方も楽しめると思います。また中華街がすぐそばにあるので湯上りは中華街に行くことがおすすめです。中でも、“山東”という水餃子のお店は僕の一押しのお店です。」

「2つ目は上野にある寿湯です。ここは露天風呂がある銭湯でして、旅先でのリフレッシュにはもってこいかなと思います。徒歩圏内には数多くの飲み屋さんもあって、その中でもおすすめなのが“大統領”というもつ焼き屋さん。そこで飲むホッピーの組み合わせは抜群です。」

湯上りコーラクリエイターになったきっかけ

木村さんはクラフトコーラを自作されていますが、何かきっかけはあったのでしょうか?

「僕は飲み屋さんが大好きなんですけど、もつ煮が美味しい山利喜という東京のお店でクラフトコーラを飲んだことがきっかけです。当時、緊急事態宣言の中でお酒が出せないという状況下にあったときに自家製コーラを出されていたんですね。それがとても美味しかったので自分でも作ってみたいなと思ったことがきっかけです。」

クラフトコーラについて

クラフトビールには、ペールエールやIPAなどの種類がありますが、クラフトコーラにも種類はあるのでしょうか?

「種類っていうと説明が難しいのですが、クラフトコーラを作っている方は多くいらっしゃいます。色々なメーカーも出ており、それぞれの味わいが違いますね。柑橘類の香りが特徴的なものだったり、スパイスの香りが立っているもの、漢方薬のような香りがあるクラフトコーラなど、それぞれの特徴があるなと感じています。」

また、クラフトコーラは最初にスパイスを揃えてしまえば簡単に作り始められるそうです。

お客様の嬉しい反応

イベントにも出店をしている木村さんですが、お客様の反応はいかがですか?

「初めてクラフトコーラを飲む方にも喜んでいただけているなと思います。僕が作っているクラフトコーラは、小さなお子様にも飲んでいただけるようにノンカフェインで調合しています。そこで、イベント出店の際に毎回顔を出してくれる4歳の常連さんがいらっしゃるのですけど、その子に将来コーラ屋さんになると言ってもらえたのは嬉しかったですね。」

木村さんが住みたい場所

かなりの旅好きである木村さん。ここなら住んでも良いなと思った場所はありますか?

「僕自身は住めば都だなと思っていて、訪れた場所は全て魅力だなと思うんですけども、やはりお酒や伝統文化が残っている街は、住んでみたいなと思いますね。候補地としては京都の伏見だったり、兵庫の灘は興味があるなと感じています。」

Life is ユーモア

インタビューの最後、木村さんに「Life is ◯◯」空欄に当てはまる言葉を尋ねると、「Life is ユーモア」と答えてくれました。

「2つ意味があるのですが、“ユーモア=楽しむ”その気持ちを忘れないことを暮らしの中で大切にしています。また銭湯に絡んだ言葉なのですが、“ユー”を銭湯の湯、“モア”をもっとということで、Life is “ユーモア”とさせていただきます(笑)」

ユーモアたっぷりの言葉でインタビューを締めくくり、自分の好きをとことん追求している木村歩さん。木村さんの“好き”は数多くの人々を巻き込み、時には誰かの心に寄り添い、時には誰かの背中を押してくれることとなっているでしょう。今後の木村さんのご活躍にも注目です。