建築家・藤本壮介が手がけた、前橋に出会いの場を創造する「白井屋ホテル」
群馬県の県庁所在地である前橋市。「カネコ種苗群馬フラワーパーク」や「楽歩堂前橋公園」などの、豊かな自然環境を生かした観光地が賑わいを見せているが、駅周辺にはこれと言った観光地はなく、ビジネス目的の来訪者が多い。そんな前橋駅周辺に新たな出会いの場を創造しようとオープンしたのが「白井屋ホテル」です。2008年に閉館した老舗旅館「白井屋旅館」の改修・新築工事を世界的な建築家・藤本壮介が手がけ、「THE PLACE OF ENCOUNTER」をコンセプトとした、人、アート、食が交流し合う、革新的なホテルが今注目を集めています。
「これがホテル!?」緑の丘が人々を惹きつける
馬場川通りをまっすぐ進むと突如現れるのがこの緑の丘、通称「グリーンタワー」。前橋駅周辺のオフィスビルや商業施設が立ち並ぶ都市空間に小さな中庭のような空間が広がっています。大きな都市的な空間では時間の流れを忙しく感じてしまいますが、緑豊かな空間は訪れる人に時間的な余裕を与えてくれます。グリーンタワーには有名コーヒーチェーン店「ブルーボトルコーヒー」が出店しているため、コーヒーを購入して、優雅なカフェ体験をしてみるのもおすすめです。魅力的なファサードとそこに流れるゆったりとした時間はさまざまな人やモノ、文化を惹きつけ、前橋に「出会い」の場を創造しています。
RC造の梁と現代美術家・レアンドロ・エルリッヒのアートのコラボレーション
白井屋旅館を大改修して作られたのが、躯体剥き出しのモダンな空間「ヘリテージタワー」。既存の4階建てのRC造の旅館の床を全て撤去して、4層の吹き抜けのある大空間がうまれました。梁の間を縫うようにして交差するのは、金沢21世紀美術館のスイミングプールを設計したことで有名なアルゼンチンの現代美術家・レアンドロ・エルリッヒが手がけた「lighting pipes」です。このパイプは時間によって光り方が変化するため、全く違った顔を持つ空間を昼と夜で二度楽しむことができます。
梁の間を縫うようにして空間を彩る「lighting papes」に加えて、その隙間から顔を覗かせる観葉植物もまた、モダンで幾何学的な空間に彩をくわえてくれます。
「街のリビング」でアートと交流を楽しむ
「ヘリテージ・タワー」の1階はダイニングやラウンジとして使用することが可能です。「the LOUNGE」として活用されているこの空間では、季節や時期ごとに設定された料理を楽しむことができます。2022.3/1-4/10の期間は「桜香るフルコースディナー」を堪能することができます。宿泊目的でなくても気軽に利用することができるので、有名現代作家と世界的建築家のコラボによって生まれたクリエイティブな空間で食事を楽しんでみてはいかがでしょうか。「the LOUNGE」の他にも、メインダイニング「the RESTAURANT」ベーカリー「the BAKERY」等の食を堪能できる施設がいくつもあります。正直、一日だけでは全てを堪能することは不可能なほどバラエティ豊かなレストランやカフェがあるため、白井屋ホテル一棟だけで十分すぎるほど満喫することができます。何か一つでも興味を持ったものがあれば訪れてみてはいかがでしょうか。一つの興味から波及して新たな興味と出会わせてくれるのが白井屋ホテルの一番の特徴です。
世界的クリエーターによってデザインされた客室
白井屋ホテルで忘れてはいけないのが「アート」の存在です。客室にはローレンス・ウィナー、リアム・ギリック、杉本博司、ライアン・ガンダー、レアンドロ・エルリッヒなど、多様なアーティストの作品が飾られており、一つとして同じ客室は存在しません。また、ジャスパー・モリソン、ミケーレ・デ・ルッキ、レアンドロ・エルリッヒ、藤本壮介ら世界的なクリエイターが手がけたスペシャルな客室もあるため、客室の数だけ楽しみが存在します。訪れた人同士でどのような作品が客室に置いてあったかを共有するのもひとつの楽しみ方です。
「THE PLACE OF ENCOUNTER」の名に相応しい革新的なホテル
有名現代作家と世界的な建築家のコラボによってできたアート空間、時期によって変化する食、人を惹きつける「街のリビング」としての役割。「白井屋ホテル」はアート・食文化・歴史との出会いを想像する「THE PLACE OF ENCOUNTER」というコンセプトを具現化した革新的なホテルであるように感じます。訪れた人に出会いを創造し続けるこのホテルで、様々な人やモノ、食文化、歴史に触れてみてはいかがでしょうか。
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白井屋ホテル(SHIROIYA HOTEL)
- 住所:〒371-0023 群馬県前橋市本町2-2-15
- 電話番号:027-231-4618