まるでSF映画?!モダン建築が美しい、メキシコシティの新スポット「ソウマヤ美術館」

メキシコシティで今、「オシャレスポット」と言われるエリアがあるポランコ地区。ここに2011年にオープンした新名所「ソウマヤ美術館」は、未来的な容姿が美しすぎると話題を集めている。手がけたのはメキシコの若手建築家、フェルナンド・ロメロ。彼の創り出す独特なデザインと世界観は、今最も注目される建築デザインの1つと言っても過言ではない。

 

メキシコシティにある「ソウマヤ美術館」とは

「ソウマヤ美術館」は、メキシコシティの中でも「世界で一番美術館の多い街」と知られるポランコ地区に存在する。ここは、メキシコ出身の実業家カルロス・スリム・エルーのアートコレクションを展示する美術館だ。その数なはんと約7万点。マイクロソフトのビルゲイツや、フェイスブックのマークザッカーバークを差し置いて、世界長者番付けで一位を獲得するほどの大富豪実業家である彼は、その全てを無料で一般公開している。

「考える人」で知られるオーギュスト・ロダンのコレクションのコレクションは「世界有数」とも言われており、その規模はフランス省いて最大数だという。

その他にもゴッホやピカソ、ダリ、ルノワール、モネ、セザンヌなどの有名芸術家の作品の数々のラインナップは圧巻。貴金属・装飾品・象牙彫刻・古代ヨーロッパ・新スペイン・印象派・前衛美術・現代美術など多く取り揃えてる。

ちなみに、「ソウマヤ」とは、カルロス・スリム氏の亡き妻の名前から名付けられたのだとか。

手がけたのは、建築家 フェルナンド・ロメロ

メキシコの若手建築家、フェルナンド・ロメロ。彼の創り出す建築の特徴は、直角から流動的に流れていく独特でダイナミックなデザインだ。これまで数々の国際的な賞を獲得し、メキシコシティ新国際空港を手がけた建築家のひとりでもある。

まだまだ若い建築家でありながら、美術館、学校、住宅、オフィスなど様々な建物で魅せる彼の独特な世界観と技術は、今建築業界で注目を集めている。

六角形のモザイクでウロコのように輝く外観

遠くからでも目を引くソウマヤ美術館の容姿は、まるでSF映画に出てきそうな未来的なファサードが印象的。約16,000枚の六角形のモザイクタイルで構成されたその外壁は、光の反射で様々に色彩を放つ。

どこにも角がない空間が魅力のホワイエ

独特なカタチで作られた外観に合わせて、内部も不定形な空間が独特な世界観を引き立てる。「どこにも角がない空間」は、さらに未来的な雰囲気を放ち、螺旋状の階段やスロープに沿ってUFOの内部に吸い込まれて行くかのようだ。

曲面で螺旋状に繋がる展示空間

ソウマヤ美術館の動線は、螺旋形の傾斜路に沿って創り出される。階段やスロープで各階のワンルームの展示室が存在し、曲面の壁が緩やかにその空間を繋げているのだ。

外観でくびれた部分を過ぎると、曲面が逆側に反っているのが分かる。

人と光の出入りを妨げない最上階

最上階の展示室は、創設者のカルロス・スリムが最も愛して止まないロダンの作品がズラリ。その数々の作品を照らすのは、トップライトからの自然光だ。ソウマヤ美術館で最大のスペースを持つ最上階フロアには一切柱がなく、人と自然光の出入りを妨げない工夫もされているのが分かる。

アートをこよなく愛す創設者カルロス・スリムが目をつけた若手建築家 フェルナンド・ロメロ。彼の建築から感じられるのは、ダイナミックなデザインだけでなく、アートを愛する者達が展示作品を最も自然体で感じられる工夫、そしてその作品の数々を最も美しく展示させるこだわりだった。

 

若手ながら既に世界中の建築業界から注目を集めているロメロ。だが、これから先も更に我々を驚かせる建築を生み出してくれるのだろう。

ソウマヤ美術館 – Museo Soumaya

開館時間 : 10:30~18:30(土曜日~20:30)
休館日 : 火曜日kayoubi
入館料 : 無料
電話 : +52 55 1103 9800
URL : http://www.soumaya.com.mx
住所 : Boulervard Miguel de Cervantes Saavedra 303, Granada, Miguel Hidalgo, 11529 Ciudad de México, CDMX, Mexico